──元新聞記者だった塩田さんの圧倒的な取材力が光る小説『罪の声』。
昭和最大の未解決事件「グリコ・森永事件」を題材にした小説。今、幅広い世代の読者に読まれています!


架空の名前になっていますが、基本的に、事件の発生日時、場所……史実通りに土台にしているので、実際にこういう子供がいたかもしれない、というところまで持っていきました。
そもそも21歳の時に、クリコ森永事件関連の本を読んでいたんですね、その時に初めて、犯行に子供の声が録音したテープが利用されていることを知って。3人いると言われているんですけど、一番下の子が、僕と同い年くらいで。しかも、同じ関西に生まれ育っている。
ひょっとしたら、どっかですれ違っているかもしれないと思ったんですよ。その瞬間に、バーっと鳥肌が立ったんですよね。

キツネ目の男の似顔絵と、母親に「お菓子食べたらアカンで』と言われたのは強烈に覚えていますね。
実際に利用された子供とすれ違っているかもしれない、”彼の人生とは一体何だったのか?”と考えたときに、”これを書きたい”と、21歳のときに思ったんですよ。

作家になったのが31歳で、一度、今回のプロローグの『自宅からテープが出てくる』という案を、当時の編集者に言ったんですね。そしたら、塩田さんの筆力じゃまだ書けないと言われて(笑)。もうちょっと修行してからということで、これは他社には言うなと言われて(笑)。それから5年くらいです。
実際に書き切ったのは、1年くらいですね。過去2年くらいの新聞を読んで、出ているノンフィクションのものを読んで、情報をクロスさせていくんですよ。
やっぱり、子供を巻き込んだ事件というところにスポットライトが当たってないんですよね。これをやる犯人はどんな人間なんだ?ということを考えていって、調べると、言われるほど大した連中なんじゃないんじゃないか?虚像が膨れ上がってるんです。
逃げられたのは警察のヘマだったり、時代に助けられたりっていうところがあるので。そうじゃないよ、というところをこの作品で言いたかったということですね。

○書籍情報
塩田武士さんの小説「罪の声」講談社より絶賛発売中です!

「詳しい情報は「罪の声 - 講談社」公式ホームページへアクセス」