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Athelete News
21.11.06
転倒も想定内!?綿密なレース戦術と冷静さで掴んだ銀メダル
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今週の「Athlete News」は、東京オリンピックの自転車トラック女子オムニアムで銀メダルを獲得された、梶原悠未選手をゲストにお迎えしました。

梶原悠未(かじはら・ゆうみ)選手は、1997年、埼玉県生まれ。
筑波大学附属坂戸高校で自転車競技を始め、2017年、ワールドカップ第3戦で、日本自転車女子史上初の金メダルを獲得するなど、世界を舞台に活躍。
2020年には、世界選手権オムニアムで、世界女王になられました。
そして、東京オリンピックでは、自転車トラック女子オムニアムで、銀メダルを獲得。
現在は、筑波大大学院に在学中で、3年後のパリ・オリンピックを目指されています。

今回は、高見さんがリモートでインタビューを行なっていきました。



──梶原選手は、オリンピックの自転車競技で、日本女子初のメダリストとなられました。おめでとうございます!

ありがとうございます。

──銀メダルを獲得されて、周りの反響だったり、環境の変化というものはありましたか?

たくさんの方々に祝福のお言葉をいただいたり、また「オムニアム」という競技を初めて見たけどすごく面白かった、という言葉をいただいて、とっても嬉しかったです。

──この「オムニアム」は、自転車の総合的な力を競う競技ということでよろしいでしょうか?

はい。オムニアムという競技は、スピード、持久力、頭脳、全てが求められる競技です。

──梶原選手は1種目目のスクラッチを2位でフィニッシュされまして、2種目目のテンポレース、3種目目エリミネーション、最後4種目目がポイントレースですが、3種目目のエリミネーションで、絶妙の駆け引き。あれは見ている方も痺れましたけれども、あのシーンを振り返ってみていかがですか?

後方でスプリントを繰り返すことが多かったので、見ている方々にはドキドキハラハラのレース感を味わってもらえたのかなと思います(笑)。

──本当に、頭脳も必要になってきますよね。

はい。私は大学の卒業研究でエリミネーションのレース戦術を研究して、そこからトップ選手のノウハウだったり技術・戦術を学んで今回もレースに活かすことができました。

──大学でもエリミネーションについて学ばれている?

はい。統計学で、レース戦術を研究しています。

──やはりそれはレースでも実際に活きていますか?

とても活きています。あと、研究のデータを集めるのに1000回以上レース映像を見たので、その成果から、走っている最中も、外から映像のようにレース集団全体を見渡しているようにレースを見れるようになってきました。

──エリミネーションは1人ずつ最後尾の選手が脱落していくというものですけれども、4種目目のポイントレース。梶原選手は東京オリンピックでは落車もありましたが、その時のお気持ちはどうだったんですか?

まずは怪我の状態を確認して、“これは大丈夫、もう1回レースに戻って再スタートしよう”という風に気持ちを切り替えて、落ち着いてリラックスして戻りました。

──落車をしてしまった時のことを想定されたりしていたんですか?

コーチと(落車した場合のことを)打ち合わせをしていて、5周以内に戻ればレースに復帰することができるので、「一度落ち着いて、焦らず冷静に戻れば大丈夫だから」という風に言われていたので、その通りに実行できました。

──むしろ「リセットできた」と聞きましたが…。

そうですね。一度落ち着いて、電光掲示板をもう一度ゆっくりじっくり再確認をして、ライバルとの点数差を確認して、次レースに戻った時にどうするべきかということを頭の中で考えて、整理することができました。

──見ている私たちからしたら、ウエアも破けていたので、けっこう大きな怪我をされたんじゃないかと思ったんですけれども、大丈夫だったんですね。

幸い、太ももと腕の肘の部分の擦過傷と脳震盪だけだったので、まだ骨が折れていたり脱臼したりという大怪我に繋がっていなかったので、もう一度レースに戻ることができました。

──でも、脳震盪だったんですか!

そうですね。ちょっと、転んだ際に頭を強く打ってしまっていて、3日間ほどは頭痛が続いていました。

──その状態でまたレースを再開されたんですね。

はい。まだ記憶もあって、ちょっとふらついてはいたんですけど、あと残り数周だったので、走ることができました。

──自転車競技をする上で、体格的なもので有利・不利というのはあったりしますか?

やはり、身長が大きい方が、「クランク」という、ペダルから中心までの長さが長いものが使えるので、テコの原理で遠くからペダルを踏むことができて、より大きなパワーを出すことができます。あと、車輪の大きさはみんな同じなんですけど、車輪の位置が、胴体の長さによって違うんです。2つの車輪が付いている場所が、身長が小さいと2つの車輪が近くに付いていて、身長が大きいとそのぶんフレームサイズが大きいタイプに乗れるので、車輪がより遠くに前後が並んでいる形で、自転車も大きくなって有利だと思います。

──実際に、東京オリンピックで金メダルを取ったアメリカのバレンテ選手は身長が175cmなんですよね。梶原選手は…?

155cmです。(自転車競技をしている選手の中で)一番小さくて、いつも表彰台に立つと、一番上に立っても両サイドの選手と同じくらいの頭の位置になります(笑)。

──そんな梶原選手にとって、ご自身の武器って何でしょうか。

私は、小さい体を活かして、より空気抵抗の少ない姿勢を維持しています。自転車競技は、一番大きな抵抗が、タイヤの転がりの路面抵抗ではなく空気抵抗になってきます。時速が平均で55km、最高で65km以上出るので、一番大きい抵抗が空気抵抗になるんですが、どこの国も、シワひとつないウエアをオーダーメイドで作ったり、空気抵抗を削減するために多額の研究費を費やしています。
そこで私は、その空気抵抗を削減できるように、より狭いハンドル幅を使用したり、頭をより肩の中にしまって低い位置に下げたり…という風に工夫して、大きい選手よりも空気抵抗を減らして、大きい選手の後ろに付いている時に体力を温存できるようにしています。

──これからまたヨーロッパでの試合が続いていくんですよね。

世界選手権を終えてからもそのままスペインのマヨルカ島に残って、新しい「UCI トラックチャンピオンズリーグ」というリーグに参戦します。世界トップ選手のみが招待されるレースで、11月6日から12月11日までの期間で、スペイン、フランス、リトアニア、イギリス、イスラエル各地で全6レース、毎週土曜日に行われる大会になります。

──ハードですね!

はい。でも、世界の選手たちと切磋琢磨しながらレース経験を積む貴重な機会になるので、絶対に参加したいと思っています。

──私たちも、引き続き日本から応援しています。さて、この番組ではゲストの方にcheer up songを伺っています。梶原悠未選手の心の支えになってる曲を教えてください。

優里さんの「ピーターパン」です。私は、夢や目標を口に出して宣言するようにしているんですけど、なかなか思い通りにいかなかったり理解をしてもらえなかったり、辛い時もあるんですけど、優里さんの“そんな言葉は放っておいて、自分の目標達成に向かって突き進んでいく”というメッセージに、とても心が震えます。

──この「ピーターパン」はどういった時に聴かれるんでしょうか?

練習中にいつもエンドレスで聴いています。

──梶原選手は、「この曲!」と思ったら、練習中はずっと同じ曲を聴くんですか?

そうですね。ハマると、ずっと1曲をエンドレスで聴いています。

──梶原選手、来週もどうぞよろしくお願いいたします。

よろしくお願いします!


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