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Athelete News
21.11.27
車いす陸上界の“オールラウンダー”、次の目標は?
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今週の「Athlete News」は、先週に引き続き、東京パラリンピックの新種目、陸上400mユニバーサルリレーで銅メダルを獲得された、鈴木朋樹選手をゲストにお迎えしました。

鈴木朋樹(すずき・ともき)選手は、1994年、千葉県生まれ、トヨタ自動車所属。
生後8か月の時、交通事故で脊髄を損傷。
小学1年の時に車いす陸上を始めました。
中・長距離をメインにしながら、車いすマラソンにも出場。
2019年、マラソンの世界選手権で3位に入り、いち早く東京パラリンピックの代表に内定。
東京大会では、新種目の陸上競技400メートルユニバーサルリレーで銅メダルを獲得されました。



──ご出身が自然豊かな千葉県館山市ということなんですけれども、小さい頃はどんなお子さんだったんですか?

自分は(生後)8ヶ月の時の交通事故でずっと車いす生活なんですけど、健常者の友達に混じって、館山市は自然が豊かなので、海に行ったり山に行ったり、いろんな遊びを友達と一緒にしていました。

──館山というと釣りをしに行きたい場所なんですけど、釣りとかもされました?

自分もずっと釣りをしてました。ルアーでヒラメを狙ったり、ちょうどサーフで浜辺が広がっているので、ヒラメとかマゴチを狙ったりしてましたね。
友達に後ろから(車いすを)押してもらって、すごい悪路を後ろから無理やり押してもらって行っていました。

──でも、そういう風にお友達と仲良く、分け隔てなく遊べるっていうのは素晴らしいことですよね。

本当に恵まれた環境だったと思っています。

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──そして、車いす陸上では「レーサー」という、センターの長い特殊な三輪の車いすで行いますよね。これは、車いす陸上を始めた当初からそのレーサーに乗ってみたということですか?

そうではなくて、最初は日常用の車いすでまず“走ることを楽しむ”というところから始めて、それで途中から(レーサーに乗るようになった)。やっぱり競技用の車いすはそれぞれ体に合わせて作るので、小さい時は成長期でなかなか体に合わないんですよね。

──そんな小さいレーサーをわざわざ作ったりはしないということですよね。

けっこう高額なものになるので。それで、途中から体に合うものをお下がりとして借りることができて、それで初めて乗ったのがきっかけですね。

──それは何歳の時ですか?

小学校2年生の頃だったと思います。

──やっぱり、普段使われている車いすとは走り心地が違ったりするんですか?

全く違いましたね。本当に走ることだけを考えて作られているので、スピード感が全く違って。“これだけしか漕いでないのにこんなに進むの?”っていう感覚でしたし、その時はもう没頭しちゃって、前を見ずに走っていたので、壁にぶつかりそうになったぐらい(笑)。

──レーサーは、なぜそんなにスピードが出やすいんですか?

3輪になっているというのもありますし、なるべく空気抵抗がないように作られているんです。あとは、タイヤ自体も接地面積がすごく少なかったりするので。タイヤが細い、自転車と一緒ですね。

──タイヤが細くてスピードが出る自転車と同じで、スピードが出やすい設計になってるんですね。やっぱりそれで走る気持ち良さや快感みたいなものはありましたか?

ありました。風を切る喜びというか、本当に自分は風になれるんじゃないかっていうぐらいの喜びがありました。

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──いろんな種目に出ていらっしゃいますけれども、最高速度はどれくらい出るものなんですか?

マラソンになってくると、下り坂で大体(時速)80kmぐらいですかね。

──80km!? 僕らが車で出したら捕まるスピードですよね(笑)。やっぱり風の音とか揺れ方とか、普段とは違う体感になるんですか?

全く違いますね。あと、自分達は目線がすごく低いので、体感速度的には100km 以上出てるぐらいの感覚ですね。

──80kmも速度が出ていると、ちょっとしたミスが大怪我にも繋がるし、その恐怖心との闘いでもあるわけですよね。
そして、短距離からマラソンまでこなすオールラウンダーの鈴木選手ですけれども、メインとされている種目は何になるんですか?


メインは、トラックの800mや1500mになってきます。

──それは、いわゆるご自分の得意な種目ということ?

得意は得意なんですけど、世界的に見ると、(車いすの陸上で)金メダルを獲っている選手は、そこ(800mや1500m)でメダルを獲っているんです。800mや1500mで勝つことができれば、他のマラソンだったり、5000mや400mも勝ちに行けるという、本当に選手層の多い種目になっています。

──それは、大変な種目ということですよね。

はい。一番きつい種目ですね。

──でも、そこで結果を残すことがあらゆる種目に返ってくるから、そこをメインとしたい。

そうです。

──ちなみに、一番好きな種目は何ですか?

一番好きな種目はマラソンですかね。好きなのはマラソンなんですけど、メインとしてはトラックに置いているという。

──東京パラのマラソンを見ていて、1時間半近くずっと漕ぎ続けるのって大変だろうなと思ったんですけど、大変じゃないんですか?

大変ではないですね。いろんなことを考えながら走ってはいるんですけど、肉体的にはキツい時はキツいですけど、でもやっぱり、走っている時は本当に楽しいので、あんまりキツいとは思わないですね。

──どの時点で腕に(疲れが)来るんですか?

腕に来るのは、本当に最後の最後ですね。それまではなるべく負荷にならないように上手いペースで漕いでいるので。

──ペース配分で、“ここはちょっとついていけないな”って下がる時もありますよね。あれはどういう心理状態なんですか?

自分のペース配分との相談なんですよね。自分の中で、“これ、ついて行って最後まで持つのか?”というのもありますし、逆に、“ここはキツいけれどついて行った方がこの先楽になる”ということもあるので、そういったことを考えながらやっています。

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──空気抵抗が大事とおっしゃってましたけれども、スリップストリームみたいに、前の選手について行ったりするじゃないですか。ああいう駆け引きもあるんですか?

あります。それで、先頭を交代したりとか。あとは、逆に3人だけで抜け出てしまえば、もう金・銀・銅が確定じゃないですか。なので、この3人でとりあえず頑張って協力して(後続を引き離して)、最後、ゴールの手前で“じゃあ、ここで金銀銅を決めよう”というような感じのレースになったりします。

──やっぱり、先頭を引っ張る人が大変だから、順番に行かなきゃいけないという暗黙のルールみたいなものもあるんですか?

みたいなものもあります。先頭の人が避けたら次の人が行くっていうのはありますけど、最近はなかなかうまいことはいかないかもしれません(笑)。

──みんな結果が欲しいから、どこまでも後ろについていきたい、みたいなことですね(笑)。そういう駆け引きも面白いですよね。

そこを見ていただけると(笑)。

──さて、この番組ではゲストの方にcheer up songを伺っています。今週も鈴木朋樹選手の心の支えになってる曲を教えてください。

yamaの「真っ白」です。先週はONE OK ROCKの「カラス」で、自分の気持ちのスイッチを入れるために…ということだったんですけど、逆に今回は(気持ちを)オフにするというか、yamaさんの曲は声も綺麗ですし、歌詞もすごくいいので、リラックスする時に聴かせてもらっています。

──ちなみに、このyamaさんの「真っ白」は、「恋愛ドラマな恋がしたい」(AbemaTV)という番組の主題歌ということなんですが、ひょっとして鈴木選手は、恋愛リアリティショーがお好きだったりするのかなと。

よく見させていただいてます(笑)。

──これも見ていらっしゃった?

はい。合宿とかで暇な時間があるので、そういったところで見て、“うわ、いいな!”って思いながら(笑)。

──(笑)。“こんな恋愛してみたいなぁ”なんて思いながら?

思いながら(笑)。トレーニングの合間に見てリラックスして、“じゃあ練習頑張ろう”っていう気持ちになりますし。

──これからの目標を教えてください。

日本代表として、毎年、アジアパラや世界選手権もあるんですけど、3年後のパリのパラリンピックに向けて、次は個人種目で金メダルが獲得できるように頑張っていきたいと思っています。


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