東京オリンピックで、メダルラッシュとなった柔道日本代表。
その中で、ひときわ異彩を放ったのが女子78キロ級で金メダルに輝いた濵田尚里。
オリンピック初出場にして、4試合オール一本勝ち、しかも全試合、寝技を駆使しての勝利だった。
世界最強の寝技を持つ濵田だが、中学時代は無名。
高校時代、立ち技では強い選手に追いつけないと判断し、苦肉の策で寝技を習得しはじめた。
大きな転機となったのは、2012年、山梨学院大学の4年の時。
監督からロシアの格闘技・サンボへの挑戦を勧められた。
サンボは柔道の要素を取り入れた格闘技で、寝技や関節技が中心の競技。
濵田は、柔道の練習の合間にサンボの練習にも取り組み、2014年には「世界サンボ選手権大会」で優勝を果たした。
サンボのテクニックを柔道にも活かし、女子柔道の歴史の中で初出場としては歴代最年長の30歳でオリンピックに初出場。
初のオリンピックに気負うこともなく、冷静沈着に世界最高レベルの寝技を繰り出していく。
初戦の2回戦、相手の背負いを返して技ありを奪うと間髪入れず横四方固を繰り出し、合わせ技「一本」。
準々決勝では、巴投げで技ありを奪うとそのまま送襟絞(おくりえりじめ)で「一本」。
準決勝の相手は、今年の世界選手権を制した、ドイツのワグナー。
世界女王を相手に、寝技がどこまで通じるかが注目されたが、濵田は、立ち技から素早く寝技に持ち込むと、十字固で見事「一本」。
そして、決勝の相手は、最大のライバル、フランスのマロンガ。
濵田は、開始早々マロンガが仕掛けた大内刈りを冷静につぶすと、崩上四方固(くずれかみしほうがため)で一本勝ち。
69秒で試合を決めた。
遅咲きの「寝技の女王」濵田尚里が、初の夢舞台で世界の頂点に立った。
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