三重県桑名市の『別格』−桑名のハマグリと、絶品!うどんすき−


「その手は、桑名のやきはまぐり」というフレーズを聞いたことありますか?食わないという言葉と桑名とかけて、うまいことを言われてもだまされないぞ、という意味ですが、そんなことわざになるくらい、桑名のやきはまぐりは、有名なんです。
今週は、桑名のはまぐり、そして明治10年からその味を守り続けるうどんすきの名店「歌行燈」をご紹介しました。

−はまぐりプラザの佐藤さん−

さて、最初に訪れたのは、その名も「はまぐりプラザ」。桑名の漁業を知ることができる展示室や市民が利用できる会議室や図書室を有した四階建ての施設です。とれたてのはまぐり料理も食べることができる、市民のみなさんだけではなく県外にも知れ渡る、別格スポットです。館長の佐藤勲さんにお話をおうかがいしました。

住吉さん「なぜ桑名のはまぐりは、有名なんでしょうか?」

佐藤さん「有名であるのは、美味しいのがまずひとつですけど。江戸時代、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』で、弥次さん喜多さんが道中、必ず桑名ではまぐりを食べた、というのが口コミで広まったんだと思いますね。その当時の武将、徳川家康や織田信長もそんなに美味しいならわしも食べたいということで、桑名のはまぐりが献上されていました」

住吉さん「桑名のはまぐりが美味しい理由は?」

佐藤さん「内湾はまぐりと言って、波のおだやかなところで育てます。ゆっくり、のんびり育つので、ふっくらと柔らかくなります」

住吉さん「ここは木曽三川が注いでいる地域ですよね。それははまぐりの美味しさに関係ありますか?」

佐藤さん「木曽三川も大きく影響しています。はまぐりの食べ物は植物性プランクトンで、山の腐葉土の栄養分が大事なんです。3つの大きな川から流れ込む栄養が、桑名のはまぐりを美味しくしています」

住吉さん「はまぐりは、食べられるようになるまで何年くらいかかりますか?」

佐藤さん「ここでは2.5センチ以下のはまぐりは獲りません。はまぐりは、一年間で1センチ大きくなるので、2年半以上経たないと食べません。一番美味しいのは、5.6年経ったはまぐりですね」

住吉さん「私たちがいただくのは5年も6年もかかって育ってくれたはまぐりなんですね。ここで獲れたはまぐりを桑名市外への出荷を制限しているんですか?」
佐藤さん「出荷を制限しているわけではないんです。ただ漁獲量を制限しているので市外に出ていくだけの量が無いんですね。我々が美味しくいただくはまぐりを我々子孫にも残したいという想いがあります。だから、ここの漁師さんは自分たちが生活できるだけしか獲りません。ここのはまぐりは、とっても美味しいです。自慢というか、これ以上ないものが桑名にあるということですね」



−はまぐり定食−

住吉さん「はまぐり定食です。生のものをコンロで焼きます。アルミホイルがもちあがってきました。貝汁が出てこぼれそうです。開きました! ぷっくぷくの身が見えます。身が半透明ですね。美味しいですね…。貝の味が凝縮されてる! 味が濃い。美味しいこれは絶品ですね!」




−歌行燈の横井さん−

さて、桑名の別格な食を探す旅。次に訪れたのは、江戸時代の風情を街並みに残した一画。その名も桑名市江戸町。宿場町の名残りは、通りに今も息づいています。深く趣のある茶色い壁。瓦屋根の木造二階建て。かつて花街として栄えたこの地には、たくさんの老舗が軒を連ねています。


文豪・泉鏡花も愛したといううどんすきの名店、「歌行燈」。お店に入ると、優しいだしの香りに包まれます。東海道五十三次の世界にタイムスリップしたような店内。二階の座敷のお部屋で、常務の横井健祐さんにお話をおうかがいします。

住吉さん「こちらは明治10年創業の老舗。このお店はどんなふうに始まったんでしょうか?」

横井さん「東海道五十三次の、一軒のうどん屋として始まりました。色町の中のうどん屋というのが珍しかったみたいです」

住吉さん「歌行燈という名前はどこからきているんでしょう?」

横井さん「明治の文豪、泉鏡花が書いた小説の題名からとりました。うどん屋で熱燗を飲みながら、唐辛子を沢山いれたうどんで一杯やるという名シーンがあります。うちの特徴は、毎朝かつおぶしからとる、ダシですね。伊勢うどんは、おやつ感覚ですが、うちのはしっかり食事として選んでいただいています。基本的なことをしっかり守る、そして桑名の食材を大事にする、歴史と伝統を大切にする。そうやって続いてきたんだと思います」

−はまぐりうどんすき−

桑名の食材といえば、やっぱりはまぐりですね。ここでも、はまぐりをいただきました。

住吉さん「歌行燈のはまぐりうどんすきをいただくことになりました。わー開いた。はまぐりしゃぶしゃぶという感じです。わー大きい、やっぱり半透明です。美味しい。うーん、口中にはまぐりの美味しいだし汁のようなものがひろがって美味しい。だしではまぐりだけをいただくのはなかなかないですね。これだけで幸せです」

そして、自慢のうどんもいただきます。


住吉さん「表面がつるつるしていない、だしがしみこみそうな麺ですね。いただきます。うわ、美味しい、もっちもち。ものすごく優しい味で、だしと合わさると美味しいですね」






この「歌行燈」さんは、日本全国、そして海外までお店を出したり、お取り寄せを取り入れたり、桑名の伝統をさまざまな形で発信しています。お店の近くにある「七里の渡し」。ここは、かつて伊勢の東の玄関口でした。「歌行燈」さんのチャレンジスピリットは、開かれた水辺の街という立地に根ざしたものかもしれません。
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