地上8000m。どんな世界か、想像つきますか?
今日来てくださったゲストの方は、なんとその8000mの世界に、
酸素なし、いわゆる「無酸素登頂」で挑み続けている男性です。
登山家の、小西浩文さんをお迎えしました!


(究極の世界をご覧になってしまった男性というのは、
こんなにも余計なものがそぎ落とされ、カッコヨクなるのか、と、
またもやハチドリ高柳の瞳をハートマークにしてしまった、素敵な男性でした♪)

世界には、8000mを越える山が14座あります。
(山を数える単位が、『座』だということを、今回、初めて知りました!)
一体、高度8000mの世界って、どんな世界なんでしょう?

「基本的に、酸素は平地の3分の1です。気温はマイナス10度から35度くらい。
そして気圧も、平地の3分の1くらいしかありません。人間の体が生き続けるのに、
限界といえるでしょうね。空気が薄いので、脳に酸素が行かなくなって、
とても忘れっぽくなったり、自分が何をしているのかがわからなくなったりします。
脳が動かなくなると、身体も当然自由に動かなくなりますよね。」

・・・本当に、生き続けるのに究極の世界ですよね。
でも一体どうして、そんなところに、無酸素で行こうと思われたんでしょうか?

「うーん。キザですけど、やっぱりオトコのロマン、みたいなものですよね。
有酸素で登る、という選択肢ももちろんありますけど、無酸素、って言う、
より難しいものがあるのなら、そこにチャレンジしたかった、ってことですかね。」

でもお話をうかがったら、今までに5回ほど、
本当に亡くなりかけたことがあるそうなのです。
そんな世界を見てしまった小西さん、人間の命や自然について、
何か感じることはありますか?

「最近、精神と肉体は別のもの、って思っている人が多いと思うんですけど、
それは違うと思いますね。川の上流と下流みたいなもので、絶対つながってる。
上流が精神で下流が肉体。精神で思わなければ、
人間の肉体は絶対に動かないはずなんです。朝起きるとき、
きちんと『起きよう』って思わなければ、身体が勝手に起きちゃうことってないですよね。
そういうものです。精神と肉体をつなげるのは、呼吸。
そして人間にはもうひとつ、とても大切な『魂』っていうものがあります。
精神と魂をつなげるのが、瞑想だと思います。
その3つがきちんと一緒になっていないと、いけないんですね。」

なるほど。きっと、8000mので無酸素状態にいらっしゃると、
精神と肉体、そして魂がきちんとひとつになっていないと、
生命の危機にさらされてしまうんでしょうね。

精神や魂のお話って、ともすると「アヤシイ」感じにもなってしまいがち。
でも、本当の生死の境を、あえてご覧になっている小西さんの口から発せられる言葉は、
とてもわかりやすく、納得できるものばかり。
そんな小西さんの言葉を、「私は果たして、本当にきちんと理解できているだろうか?」と、
少し不安に思いながらも、忘れられないほど大きな感動を覚えていた、
ハチドリ高柳だったのでした。