あなたのキレイと元気を磨く!「植物の力」で美しいライフスタイルを!

5000年以上の歴史を持ち、クレオパトラも愛した植物との暮らし。植物と向き合い、植物の声を聞くライフスタイルや、ボタニカル・フードのとっておきレシピ。植物の世界からあなたに届く「美しい贈り物」です。

―この番組は、2021年3月で終了しました。―

2017.09.22

Botanist18
よいワインはよい葡萄から。 タケダワイナリーのこだわりのワイン作り

  • Botanist
9月、蔵王連峰の麓、山形県上山市にある「タケダワイナリー」の畑では、まさに収穫間近の葡萄が豊かな実をつけています。1920年の開園以来、葡萄作りにこだわり、山形の地にこだわったワインを作り続けているのです。

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マスカット・ベリーA種


今月のボタニストは、タケダワイナリーの五代目、岸平典子さんの葡萄とワイン作りへの思いをご紹介します。


山形・蔵王の自然に育まれた葡萄
この地でタケダワイナリーがワイン作りをはじめたのは、1920年(大正9年)。まず明治初期に初代となる武田猪之助氏が、地元山形でこの地を求めます。この蔵王連峰の麓の地は、山形県の内陸部特有の気候として、気温の寒暖差が大きく、秋の収穫時期に雨が少ないなど、葡萄栽培に適した環境に恵まれています。 当時はまだ果実栽培が主で、葡萄、サクランボ、柿などを育て、販売を行っていましたが、二代目の時にその葡萄でワインを作り始めたのがワイナリーのスタートとなります。三代目の重三郎氏は、葡萄とワイン作りにより強いこだわりを持ち、マスカット・ベリーA種など当時の新品種を植樹し、農園を広げてゆきます。そして、学生時代に口にしたフランス・ボルドーのワインに大きな感銘を受けた四代目の重信氏(現・タケダワイナリー会長)が、自らヨーロッパへワイン作りを学びに出かけるなど、研究に力をそそぎ、「よいワインはよい葡萄から」という思いを受け継いで、タケダワイナリーの今を作り上げていったのです。

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高台に広がるタケダワイナリーの自社畑



地元山形にこだわるワイン作り
2005年に五代目の社長に就任した岸平典子さんは、フランスで葡萄栽培、ワイン醸造を学び、帰国。生まれ育ったこの地で本格的に醸造家として歩み始めます。フランスであれ日本であれ、ワインは究極のローカル飲料であり、その土地で育った葡萄で、その土地の人の手によって作られるもの。「この土地の味とは?」「この土地で作る意味があるものとは? 」。岸平さんにとってワイン作りは、自分への問いかけの毎日と言います。タケダワイナリーのこだわりは、山形県産葡萄100%または自家農園収穫葡萄100%の原料と、自家ワイナリーでの醸造。山形県産葡萄100%の「蔵王スターワイン」は年間6万本を出荷し、自家栽培のシャルドネ種を100%使用したスパークリングワイン「ドメイヌ・タケダ・キュベ・ヨシコ」は北海道洞爺湖サミットでも提供されました。数多くの名品を送り出していますが、その中でも岸平さんが、最もこだわって作りだしたのが、山形県が生産量日本一を誇る葡萄「デラウエア」を使った微発泡性ワイン、「サン・スフル白(発泡)」です。その果実酒独特の甘い香りと、すっきりとした味わいは、自然派ワインとして高い評価を得ています。「ワイン作りは決して一人ではできない」とおっしゃる岸平さんの、毎年頑張って葡萄を作ってくださる農家の方や、山形のデラウエアへの感謝の心がこもった一品です。

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タケダワイナリ−の名品の数々


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シャルドネ種



葡萄とワインは大地と自然の恵み
栽培地の気候とともに、葡萄作りに大切なのが畑の土壌です。タケダワイナリーでは、蔵王周辺独特の火山灰性の土地の地質を20年という歳月をかけて改良し、より葡萄栽培に適した土壌を作り上げてきました。岸平典子さんは「自然農法」にもこだわり、過剰な肥料を控え、化学肥料を使わず、可能な限りの低農薬で葡萄を育て、畑の中で自然のサイクルが成り立つように配慮されています。山や森の緑や花、果実は、これといった肥料もなく、人の手が加わらなくても毎年育ち、美しい緑を生み出し、それが何百年も続いている。これを手本として、豊かな自然のサイクル、環境を畑で再現して、そこで栽培を行うことにより、自然そのものの恵みが凝縮した葡萄の実が生まれてくるのです。 今年は天候不順もあり、葡萄の出来も気がかりですが、葡萄は本来お天気の影響と自然の恩恵を受けて実る農作物。その年その年の出来や個性を受け入れて、ベストなものをつくりだすことがワイン作りの使命であり、同時に醍醐味といえます。葡萄の生育を観察し、対話するなど、人の五感を駆使してこそ初めていいワインが出来る。そんな思いで、一房一房はすべて丁寧に手摘みされ、醸造、樽熟を経て、豊かな味わいを持つワインが生み出されています。

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三代目から受け継がれる樹齢の70年のマスカット・ベリーA種


「タケダワイナリーの畑には、今も三代目が植えた70年という樹齢を持つマスカット・ベリーA種の古木があります。その古木が年輪を重ねてきたように、この地のワイン作りの歴史を引き継ぎ、よりよいものを生み出してゆきたい。畑に行くといつも思うのは、時間はお金では買えないということ。受け継いだ時間を大切に、山形の葡萄とワインの素晴らしさを未来に繋げて行きたい」。今も変わらぬ岸平典子さんの思いです。


TOKYO FM「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。

また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送しているノエビア「Color of Life」。9月は歌手の森山良子さんを迎えてお届けしています。どうぞ、お聞き逃しなく。


タケダワイナリー
所在地:山形県上山市四ツ谷二丁目6-1
www.takeda-wine.co.jp










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