大地震が発生すると、
被災地では瓦礫が散乱したり道路が寸断されたりして
車は通れなくなりますが、
オフロードバイクであれば行き来できることもあります。
そのバイクの機動性を活かして、
避難所や病院に医薬品や日用品などを届ける
ボランティアがあることをご存知でしょうか?
今回は「災害ボランティアバイクネットワーク関東
について、ご紹介します。

このネットワークは
バイク業界の関係者などが集まって結成されたもので、
現在登録しているボランティアの数は600人以上!
メンバーの多くが、
競技経験者など確かな技術を持ったライダーさんで、
中越地震や東日本大震災でも実際に活動を行ったそうです。

基本は2人以上が1組になって、
まずは預かった荷物やバイクの修理セットなどを持って
被災地に向かいます。
逆に被災地では、避難所などで不足しているものや
困っていることをヒアリングして持ち帰ったり、
道路の状況を対策本部に報告したりします。

ご自身もHONDA(本田技研)で
バイク開発におよそ30年携わっていらっしゃる
バイク隊の隊長、神谷忠(かみや・ただし)さんに
お話を伺いました。

 新潟中越と東日本は行ってきました。
 どちらも非常に凄まじい状況でしたけども、
 バイクしか走れないという所は新潟の方が凄かったです。
 路面がガチャガチャで、「道路」はありませんでした。
 一方、東日本大震災は
 バイクじゃなきゃダメっていうところはあまりなかったんです。
 ただ、(津波で)瓦礫の流れたあとは釘が多くて、パンクする。
 パンクした車を修理してあげたりと、
 そちらの方が多かったですね。
 首都直下地震は、ビルが崩れたりして
 多分、道路は通れないと思います。
 荷物を搬送するとなったら、トラックなんかには敵いません。
 私たちは微力ですが、通れないところを通る。
 そこをまた無事に帰って来られる人材を
 もっと育てていきたいと思っています。


大地震ごとに、バイク隊に必要とされるスキルや
求められるものはかなり違うんですね。
なお「災害ボランティアバイクネットワーク関東」は今年3月、
東京都と協定を結びました。
首都直下地震などが発生した場合、
都と協力して被害状況の情報収集などを
行うことになっています。
本当に心強い取り組み、
是非あなたにも知っておいて頂けたらと思います!

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