3月10日、
「東京水道災害救援隊」というものが発足しました。
これは、国内で大きな災害が起きたときに
東京から被災地に駆けつける
いわば水のレスキュー部隊で、
実は東京都水道局によるものです。
今回は、全国の自治体で初となる取り組みをご紹介します。

水道事業者としては日本最大規模の東京都水道局では、
これまでも大きな災害がある度に
被災地に水の応援部隊を派遣していました。
ただ、人繰りに時間がかかっていたそうです。

そこで「東京水道災害救援隊」では
最初に被災地に出発する部隊を
持ち回りで決めておく『当番制』と、
スタッフが自ら手を挙げる『登録制』、
この2つの仕組みを取り入れました。

『当番制』の部隊は
断水した地域での応急給水活動や
水道管が破損して水漏れしている場合の応急復旧などを行ないます。
一方、『登録制』の部隊は
水質チェックや、ポンプなどの設備が壊れたと言う要請に
応えることになっています。
こうすることによって、スピーディーに応援部隊を
派遣できるようになりました。

そして「東京水道災害救援隊」の発足、
実は、東京が被災した時にも大きな意味を持つそうです。
東京都水道局 小澤 賢治(おざわ・けんじ)さんに伺いました。


 東京都で発災した時に、
 救援隊の効果は2つあると思っています。
 ひとつは、この救援隊の仕組みが
 全国の水道事業体にも広まっていけば、
 より迅速な応援を東京都としても期待できる。
 もうひとつは、この救援隊によって
 他の事業体に支援にいった方々が
 災害時のノウハウと経験を身に着けてくる。
 それが、実際に東京で発災した時に役に立つ
 2つの効果があるかなと思っています。


ライフラインの中で、水は特に命に直結するものですが、
首都直下地震の被害想定では
東京23区のおよそ半分で断水が発生するとされています。
そして渋滞や人材・資材の不足などにより、
復旧には数週間かかる地区もあると想定されています。
こうした中で東京発の取組「水道災害救援隊」、
全国に広がっていくといいですね。
そして、もちろん私たち自身でも飲み水だけでなく、
普段からお風呂の水を溜めておくなど、
心がけておきましょう!

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