去年12月19日、
政府の地震調査委員会がこんな発表をしました。
【北海道東部沖の太平洋で、
 大津波を伴うM9クラスの超巨大地震の発生が
 切迫している可能性が高い】
これはとても大切な発表だったんですが、
年末で忙しい時期だったので、
聞き逃した方もいるかもしれません。
そこで今回は、これがどういうことを意味するのか、
詳しくお伝えします。

北海道の地図を思い出してみて下さい。
北海道の太平洋側、
南東に当たる十勝の沖から、千島列島の沖にかけて
ちょうど右上がりのグラフのように、海の溝があります。
これを千島海溝と言うのですが、
この海域では400年前に
超巨大地震が発生したことが分かっていて、
津波は10mから15m、
沿岸から4キロ内陸まで浸水したとも推定されています。

そして、この超巨大地震・・・
津波による堆積物を調査する最新の研究の結果、
平均で340年から380年に一度
発生していることが分かったんです。
前回、地震が発生したのがおよそ400年前。
そう考えると、もういつ起きても
おかしくないと言うことになりますね。

ではもう少し、具体的な確率でお話しましょう。

今後30年間にM9クラスの地震が起きる確率は今回、
7〜40%と発表されました。
確率が意外に低い、そして数字に幅があると
感じる方もいるかもしれませんね。
こう言うことです。
平均すると340年から380年に一度の発生ですが、
実際の間隔は100年から800年とばらつきがある。
そして、震源域がどこか、複数のシナリオがある。
だから、総合的な地震発生の確率が7〜40%なんです。

でも改めて、これは決して低い数字ではありません。
だからこそ政府の地震調査委員会も
「切迫している可能性が高い」と表現しています。
今後、自分たちで備えることは勿論ですが
国や自治体がどのような対策を取るのか、
しっかりと注目していかなくてはなりません。


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