熊本地震の発生から丸2年ですね。
そこで今回は、熊本地震での
「これが困った!」という声を元に
熊本大学の准教授が開発した、
これまでなかった防災セットをご紹介します。

その名も「避難所初動運営キット」。
避難所の開設と初期の運営にまず必要な道具25点が
ワンセットになっています。
大地震直後、行政頼みではなく
町内会など自分たちで避難所を運営する準備をするのに
とても役立ちます!
では実際に避難所初動キットの中身、見てみましょう。

例えば、案内標識。
熊本地震の避難所では
「女性更衣室」や「授乳室」など
配慮が必要なスペースを確保するのに
時間がかかったケースも多くありました。
これを受けて、運営キットには
「男性更衣室」や「女性更衣室」「授乳室」など
20枚の標識がセットされていて、
これを掲示するだけで、
避難所に求められる最低限の間取りを
整えることができます。

つづいて、電源タップ。
これは避難所で
「コンセントの奪いあいになった」という声を受けたものです。
この他、支援物資の段ボールを開けるための
「カッターナイフ」や、
避難所運営者を示すための「腕章」など、
避難所の運営に欠かすことのできないアイテムが
ひとつにまとめられています。

この「避難所初動運営キット」を開発した
防災教育が専門の熊本大学
竹内裕希子(たけうち・ゆきこ)准教授は
被災者同士が助け合う「共助」の意識を持つことについて
こう語っています。

 「共助」というのは
 積極的に運営者になるだけが「共助」ではなく、
 秩序を守るということが
 「共助」に参加していくことになります。
 みんなが被災者であって、
 その中で避難所の運営もされていますので、
 お互いを思いやる気持ち、
 そして自分が出来ることを見つけて
 運営に参加されていくのが、
 避難所生活をする中で非常に重要なことになります。

災害への備えというと、備蓄品など
まずは自分たちの身のまわりの備えが思いつきますが、
「共助=共に助け合うため」に何が出来るのか
この機会に考えたいですね。

「避難所初動運営キット」の価格は
税別で2万7千円です。
詳しくは、熊本大学の
くまもと水循環・減災研究教育センターのサイト
http://cwmd.kumamoto-u.ac.jp/
をチェックして下さい。

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