梅雨入りした日本列島、台風などの影響もあって
まずます豪雨や河川の氾濫、土砂災害などの被害が想定されます。
そんな中、およそ1か月前の5月1日に気象庁が
とても心強いチームを発足していたことをご存知でしょうか?
その名も、「特命チーム JETT(ジェット)」。
ちょっとカッコイイ名前ですね!

正式名称は『気象庁防災対応支援チーム』。
簡単に解説すると、災害が発生した、
または発生すると予想される時に
専門知識を持つ気象予報官や専門家を
自治体に素早く派遣するシステムなんです。

勘違いしている方も多いのですが、
例えば、災害が起きそうなときや起きた時の
『避難勧告』や『避難指示』。
これ、気象庁が出しているものではなく、
それぞれの自治体が自分たちの判断で出しているんです。
気象庁などから届く専門的な気象や地震、
火山などのデータを元に23区であれば区長、
市町村であればそれぞれのトップの権限で出します。

23区や政令指定都市のように
人も予算もある程度確保され、
災害や防災を専門にする部署があれば
その専門的なデータをすばやく分析して、
適切なタイミングで避難指示や
避難勧告を出すことが出来ます。
一方で、小さな村や町では、
ひとりの職員が色々な業務を掛け持ちで行なっているため、
データを正しく読み解くこと自体が難しく、
結果、避難に関する情報を出し遅れてしまうことにつながります。
そこで重要なのが、専門知識を持ったJETTのメンバー!

雨や雪、地震、津波、火山など、
その災害に対する特別な知識を持つ専門官が
自治体の災害対策本部に素早く加わり、
データを読み解いたり、
避難指示などの出すタイミングなどのアドバイスをしたりします。
私達の命に直結する判断だけに、
専門家が正しく分析してくれると言うのは本当に心強いですね。

このほかにも、大雨で土砂崩れが発生して
救助活動が続いているような時には現場に出向き、
今後の雨の見通しを分析しながら
救助隊の活動をサポートしたりもします。

JETTのメンバーは現在、1443人。
全国の気象台や測候所から、駆け付けることになっています。

8人がなくなった2015年の関東・東北豪雨、
高齢者施設で9人が亡くなった2016年の台風10号。
いずれも、市や町の避難情報が追いつきませんでした。
悲しい被害を少しでも減らすための新たな取り組み、JETT。
是非、あなたも知っておいてください。

そして、あなたの生活する場所に
避難指示や避難勧告が出た時には
大丈夫だろうと思わず、すぐに対応して下さいね!


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