函館輝く夜景とイカの街
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ON AIR REPORT

函館輝く夜景とイカの街

イカ漁発祥の地

はるばる来たぜ 函館へ。
自然と歌を口ずさんでしまうほど、私の気分は上々だった。
出張で、こんなに遠くまで来たのだから、旨いものを食べて帰るくらい、いいだろう。
むしろ、その土地の味を知らずに帰るほうが、かえってバチが当たるというものだ。

活気のある朝市を練り歩いていると、薄茶けた一枚の短冊が目に留まった。
その二文字は至る所に書かれているが、そこだけやけに目立っていた。

イカ…か…。

そういえば、釣り好きの父が、よくイカを釣ってきた。
得意げに捌(さば)いてくれたその刺し身は、いつも家族のごちそうだった。

注文したイカ刺しは、ものの数分で運ばれてきた。
白く透き通ったその姿は、思わず恋してしまいそうなほど美しい。
このひとくち目は、さながらファーストキスの味か。

…ん?思わず、皿を見返した。
この何とも言えない甘みも、食感も、
私の知っているイカとは、全くと言っていいほど別ものだ。

なんだか父に申し訳なく感じながらも、気づけばあっという間に平らげていた。

せっかくだ。どこかもう一軒、入ってみるか。

INFORMATION

北海道・函館市は、古くから海産物の宝庫として栄えた港町です。
その象徴とも言えるのが、JR函館駅からほど近くにある函館市場。戦後の闇市から始まったこの市場は、およそ1万坪の敷地に400軒もの店舗がひしめきあう、函館三大市場の1つです。
その品揃えは魚介類を中心に、野菜や果物、乾物、駄菓子、さらには衣料品まで。年間およそ200万人が訪れ、早朝から熱気に包まれる、一大観光地となっています。
そんな函館は、別名「イカの街」。イカの回遊ルートが函館沖にぶつかることから毎年大量に水揚げされ、市場を埋め尽くしています。
函館近海でのイカ釣り漁が本格的に始まったのは、明治初期。イカ漁発祥の地とされる、佐渡の漁師が、道具やノウハウを持ち込み伝えたのが始まりと言われています。
平成元年には、函館市の魚に制定され、函館市民のソウルフードとして愛されています。
漁師の技と知恵を受け継いだこの街を、北海道バスのバスは走る。

愛が生まれる瞬間を見守る街

赤いマフラー。ブルーのジャケット。
降り積もる雪のキャンバスに描かれた色とりどりの登場人物たちは、
みな足早に家路についている。

心地よい振動と、暖房のぬくもりに包まれ、だんだんとまぶたが重くなる。
頭を白く覆われた小高い山が、ぼやけて見える。

あの山のてっぺんで、この町を見下ろしながら。
私は彼に、想いを告げた。
目の前に広がる夜景は、今までの中で一番キラキラと輝いて見えた。

灯り始めた街灯は、キャンバスを白からクリーム色へと変えていく。
窓に映る私の頬は、ほのかに赤く染まっていた。

今この瞬間も、あの場所から、誰かがこの町を見下ろしているのだろうか。
見えない「君」にエールを送りながら、マフラーを首にかけた。

バスは間もなく、目的地に到着する。

INFORMATION

函館という地名の由来は諸説ありますが、中でも有名なのは、最初に移り住んだ津軽の豪族・河野政通が、そこに築いた館の形が「箱」に似ていたことから、「箱の館」と書いて「箱館」と呼ばれるようになった、というものです。
そんな函館市の西側に位置する函館山は、標高334メートル。東京タワーとほとんど同じ高さという、小さな山です。
明治期には蝦夷地を守る要所として軍事要塞が建てられ、入山が厳しく規制されていた函館山。
しかし、現在では、レストランや土産物店を備えた山頂展望台も建てられ、連日、多くの観光客で賑わっています。
展望台からは市内を一望することができ、その夜景は『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』に三ツ星で掲載されました。世界三大夜景の一つにも挙げられる絶景です。
夜景の中には「ハ」「ー」「ト」の3文字が隠れていて、それを見つけることができたら「恋が叶う」「愛が深まる」という都市伝説も…。
愛が生まれる瞬間を見守り続けるこの街を、北海道バスのバスは走る。

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