福山活気あふれる港町に白く輝く天守閣
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福山活気あふれる港町に白く輝く天守閣

ON AIR REPORT

福山活気あふれる港町に白く輝く天守閣

人々が行き交い歴史を作る

海につくと、太陽は、1日の終わりを告げようとしていた。
風は少し冷たいが、心はどこか温かい。
ゆるやかな波にシンクロするように、鼓動が落ち着いていく。

取引先から帰ろうとしたとき、相手方の社長に初めて言われた「ありがとう」。
些細な言葉だけれど、それがとても嬉しくて。
駅に向かうのとは反対のバスに乗って、海を見に来てしまった。
こんな日に、まっすぐ帰るのはもったいない。

目の前に広がる大海原が、疲れを一気に洗い流す。
こんなに清々しい気分になったのは、いつ以来だろうか。
夏とはひと味違う、空気の透き通った冬の海もいいものだ。

腕時計に目をやると、もうすぐ帰りのバスが来る時間だった。
今日が終わってしまうのは、なんだかまだ惜しい。
ギリギリまで、この景色を見ていよう。

INFORMATION

広島県の南東に位置する福山市。市の南部は、瀬戸内海に面した港町として、古くから栄えてきました。
中でも近年、注目を集めているのは、映画『崖の上のポニョ』のモデルにもなった、鞆の浦。古くは万葉集に詠まれた、歴史ある交易の場で、江戸時代からの町並みや史跡が、数多く残されています。
この地が長年に渡って栄えたのは、満潮時と干潮時で潮の流れが逆転する、珍しい現象が発生するため。流れが変わるのを待つ「潮待ち」のために、多くの船が寄港したことが発展のきっかけになりました。
また、湾岸部や沖の島々一帯が、「鞆公園」として、国立公園に指定されるなど、昔から変わらない、雄大な自然が感じられる地でもあります。
人々が行き交い歴史を作ってきた、活気あふれるこの街も、バスは走る。

移ろい行く歴史を見守る天守閣

バスを降り少し歩くと、白い天守閣が見えてきた。
この景色を見ると、「帰ってきた」という実感がわいてくる。
長い時の流れの中でも変わることのない、凛としたその姿は、
どれだけの間、移ろい行くこの街を見てきたのだろう。

高校を卒業して以来の、この街での生活。
10年以上も経っているのに、
あの頃の記憶が、昨日のことのように蘇る。
希望を胸に旅立つ私を、みんなは笑顔で送り出してくれた。

過去に想いを馳せるこの時間も、
未来に夢を描くこれからの時間も、
いつかは全て、懐かしい想い出に変わっていく。

あの天守閣は、この先どんな景色を見るのだろう。
そしてそこには、どんな私がいるのだろう。
未来で待つ私に早く逢いたくなって、
大きなリュックを背負い直し、走り出した。

INFORMATION

かつて、備後地方最大の都市であった、福山市。福山駅前のりばは、その中心部に位置しています。
市の象徴的存在は、1622年、備後福山藩の領主、水野勝成が築いた「福山城」。現在、城とその周辺は、「福山城公園」として保存され、伏見城の一部を移築した櫓「伏見櫓」や、本丸の正面に位置する門「筋鉄御門」は、国の重要文化財に指定されています。
他にも、博物館や美術館、文学館などが数多く集まる福山城公園。中でも、福山城と同じく人気を博しているのが県立歴史博物館です。鎌倉から室町時代にかけ繁栄した、大規模集落跡、「草戸千軒町遺跡」の出土品が展示されるなど、福山の歴史と文化が感じられるスポットとなっています。
移ろい行く歴史を、白く輝く天守閣が見守るこの街を、バスは走る。

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