成田旅人で賑わう日本の玄関口
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成田旅人で賑わう日本の玄関口

人々が集い暮らした街

雨の日も、風の日も、
何年も通勤をともにした定期入れは、サラリーマンの戦友だ。

就職祝いにもらったあの時のように、もうピカピカではないけれど、
使うほどに馴染み、じんわりとつやが出て、ぐっと風合いが増したように…
少なくとも私の目にはそう映る。

そんな戦友にも、ここらでようやく一息ついてもらえそうだ。
通い慣れたこの道とも、しばしお別れ。
まだ右も左も分からない異国の地で、新たな生活がスタートする。

何年後かわからない、次にまたここへ戻ってきた時、
毎日眺めてきたこの窓からの景色は、どのくらい変わっているだろうか。
私の、男としての風合いは、どのくらい増しているだろうか。

空に浮かんだ飛行機雲を見上げ、
定期入れを、今度はお守りとして、そっと内ポケットにしまった。

INFORMATION

千葉県北部に位置する成田市は、ご存知、成田空港を有する日本の玄関口。しかし、成田が初めに交通の要衝となったのは、それより遥か昔、江戸時代のことでした。
成田山新勝寺の門前町として栄えたこの地には、江戸と結ぶ成田街道や、東西に伸びる利根川、九十九里の海岸と結ぶ道などが集中し、全国各地からやってくる旅人で、当時から賑わいを見せていました。
そんな成田付近は、考古学の観点から見ても重要な土地。
空港建設の際に行われた発掘調査では、縄文時代最後の土器とされる「荒海式土器」や、関東地方最後の貝塚とされる「荒海貝塚」などが相次いで出土。いずれも、日本人の成り立ちを知る上で欠かせない、貴重な遺産となっています。
人々が集い暮らしたこの街も、ジェイアールバス関東のバスは走る。

交通安全祈願の成田山

このバスに乗るようになったのは、10年前。
高校生の私は、彼と一緒に通いたくて、自転車通学をやめた。

春先の雨の日にバスで見かけた彼は、
一度だけ話したことがあった、中学の同級生だった。

「明日から、バスで行くから。」
突然言い出した私に、母は何も聞かずに、定期券を買ってくれた。

次の日から、毎日同じ時間のバスに乗った。
窓に顔を映して髪型を整えた頃、一つ先の停留所から、彼は息を切らして乗ってくる。
席が二つ空いていない日は、吊革を握って彼を待った。
あの頃、この定期券が二人を繋いでいた。

彼は今、どこにいるのかな。
受験の前、このバスに乗って神社にお参りに行ったこと、覚えてくれているかな。

私は今日も、あの停留所を越えて、
通学路より少し伸びた道のりを、このバスで行く。

INFORMATION

成田山新勝寺は、弘法大師空海を始祖とする「真言宗智山派」の大本山のひとつ。関東有数の参拝客を集める寺として知られ、正月の初詣の人出は、明治神宮に次ぐ、全国2位となっています。
中心に祀られた仏像は、その前では鬼さえ改心するほど恐ろしい、と言われる「不動明王」。すぐに改心するため、そもそも鬼は存在しない、という考え方から、毎年新勝寺で行なわれる節分行事では、「鬼は外」を言わず、「福は内」のみを言うのが習わしとなっています。
成田駅から伸びた参道は、新勝寺のメインストリート。江戸時代にはその周辺に、参拝客を迎える飲食店や商店が建ち並ぶようになりました。
当時の農村としては珍しく、刀の研磨や散髪などのサービスから、提灯、蝋燭、傘や下駄といった生活雑貨、さらには煙草などの嗜好品まで揃っており、参拝客以外の旅人でも賑わったとされています。
「交通安全祈願の成田山」でも知られるこの街も、ジェイアールバス関東のバスは走る。

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