半田「ごんぎつね」が生まれた街
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ON AIR REPORT

半田「ごんぎつね」が生まれた街

かおり風景100選

昼時、そろそろ食事にしようと思ったが、どこも混んでいる。
逆境を打破すべく、商店街の惣菜店に立ち寄った。

会計中、店主に尋ねてみる。

「すみません、近くに公園ってありますか?」
「お客さん、それだったら…、」

用意していたように地図を取り出し、案内してくれる。
同じ魂胆の客が、よくいるのだろうか。
なんだか先を越されたようで、少し悔しい。

店主に勧められた公園に着くと、木陰に腰を下ろす。
なるほど。これは確かに勧めたくなる。

楽しみにしていた弁当を開けてみると、
控えめに盛られた惣菜の隣に、大ぶりないなり寿司が3つ。
その中でも特に大きい1つを手に取り、かぶりつく。

爽やかな甘酢の風味に、ひじきにれんこん、ごぼうの食感が楽しい。
「サクッ」「コリッ」「ポクッ」
噛むごとに違った音色が口の中で響く。

そういえば、いなり寿司は我が家の定番だった。
お祝いの度に…、いや、何でもない日曜日でも、度々食卓に並んでいた。

酢飯を作っている時のあの懐かしい香りが、
なんだかこの街にも漂っている気がした。

INFORMATION

江戸中期から明治にかけて、日本で大きく発展した醸造業。現在の愛知県半田市でも、当時から大変盛んで、半田港から江戸へ向けて大量の酒が積み出されていました。
その後、半田運河沿いや市内には、八丁味噌やたまり醤油を醸す蔵も軒を連ねるようになり、「醸造のまち 半田」へと発展しました。
市内には、今も黒塗りの蔵が数多く残り、こだわりの製品を造り続けています。また、お酢の工場の近くでは酢の匂い、酒造工場の近くではお酒の匂い、醤油工場の近くでは醪(もろみ)の匂いと、それぞれの匂いが交わりながら漂っており、環境省の「かおり風景100選」にも選ばれています。
日本有数のお酢の製造メーカー・ミツカンが本社を構えるのも、ここ半田市。本来、米から作られるお酢ですが、創業者・中野又左衛門が1804年に作ったお酢は、米ではなく、酒粕を原料にしたものでした。
熟成した酒粕だけを原料にした創業当時のお酢は、飴色の深い色合いと、口当たりのなめらかさが特徴だったそうです。
ミツカングループが経営する、日本唯一のお酢の総合博物館「MIM(MIZKAN MUSEUM)」では、江戸時代から現在までのお酢づくりの歴史や製造工程などが見学でき、醸造酢の歴史と文化を学ぶことができます。
文化の匂いが交わりながら漂うこの街も、ジェイアールバス関東のバスは走る。

誰もが知っている物語

窓際の席で壁にもたれながら、
しおりを頼りに読みかけの小説のページを開く。

時間があればいつでもどこでも本を読んでいる、
私がこんなふうになったのは、いったいいつからだろう。
どんなに一所懸命、そのきっかけを思い出そうとしても、
記憶の中の幼い私は、そのときすでに本を読んでいた。

春に新しい教科書を渡されると、
載っている物語をすべてその日のうちに読んでしまう、
そんな子どもだった。

何度も繰り返し読んだのは、子ぎつねと村人の物語。
すれ違いに気づかない村人は、きつねの命を殺めてしまう、少し悲しい結末だった。
それでも、ラストシーンには愛が溢れていた。

いま、私のてのひらの上では、
すれ違いを繰り返す若い男女が、まさに口論を始めたところだ。

ベタだけど、最後はやっぱりハッピーエンドがいいな。
そんなことを期待しながら、またページをめくった。

INFORMATION

国民的な童話として知られる「ごんぎつね」
物語の登場人物は、村人の「兵十」と、イタズラばかりして村人を困らせる子ぎつねの「ごん」。
ある日、ごんは自分のイタズラで悲しんでいる兵十を目にします。それまでの行いを深く反省し、その償いにと、栗や松茸などを届けるように。しかし、毎日届けられる食料の送り主が分からない兵十は、家に忍び込んだごんを鉄砲で撃ってしまいます。
そのときに、ごんが持っていた栗を目にした兵十は、初めて贈り物の主に気づきます。「ごん、おまえだったのか。いつも、栗をくれたのは。」問いかける兵十に、ごんは目を閉じたままうなずきました。
この物語の舞台である愛知県半田市は、作者・新美南吉の出生地。南吉が、この物語を執筆したのは、わずか17歳の時でした。
「ごんぎつね」は1956年に、小学4年生の教科書に初めて登場。その後も掲載は続けられ、1980年以降は4年生のすべての教科書に載っています。昨年には、教科書掲載60周年を記念して、半田市の新美南吉記念館で、南吉の作品が載った歴代の教科書を展示する特別展が開かれました。
誰もが知っている物語が生まれたこの街も、ジェイアールバス関東のバスは走る。

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