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加藤一二三さんが62年10ヶ月のプロ棋士人生を振り返る  (2017/10/21 放送)

先週に引き続き、今週も“ひふみん”の愛称で親しまれる将棋棋士の加藤一二三さんをお迎えしました。

14才でプロ入りし、20才で名人に挑戦権を得て、42才で名人の位についた加藤さん。「3度目の挑戦でついに念願を達成したんですよね。で、昭和57年の7月の31日の夜の9時2分に勝って名人になったんですけど、実はこの時は99.9%負けてる将棋を私勝ったんですよね。大逆転。普通はありえない」と名人になった時のことを話してくれました。

「自分が完全に勝ったんだったらば自力だと言ってもおかしくはないんだけども、99.9%負けてる将棋を勝ったのですが、私、キリスト教徒なんですよ。ですから、これは神様のお恵みだというふうに考えています」


これまでに数々の記録を打ち立ててきた加藤さん。例えば、2505局という通算対局数は、ご本人も「これはたぶん今後この記録を抜く人はいないでしょう」というほどの大記録です。また、通算1324勝というのは歴代3位の記録ですが、一方で1180敗は歴代1位で、これも今後この記録を抜く人はでないでしょう、とおっしゃっていました。

昨年の12月には、今話題の藤井聡太さんのデビュー戦の相手に。あの時は将棋会館に過去最多となる50人の記者が取材に来たそうです。

「いまだに藤井さんの報道がされる度にですね、私が最初に負けた人間なので、私が対局しているシーンがよく出てきます。あれは名局です。話題性から言ってもそうですし、作戦が矢倉って言いまして、王道の作戦で二人戦ったんですよ。スリル満点で。私と藤井さんの第一局はいつまでも語り継がれていきますね」

30才の頃に、2日制の対局で日をまたいで7時間考えた末に素晴らしい手を見つけて勝ったことがあるという加藤さん。その時に自ら感動する経験をしたことで、“将棋は芸術”だと考えるにようになったとか。

「私が指した将棋を後輩の棋士とか将棋ファンに本に書いて残していくと感動してもらえると思っています。そして、感動を与えられるということは、私は芸術だというふうに確信しています。これから先、1000局ぐらい勝ったいい将棋を本に書くっていうのが私の義務と思っています」


そんな加藤さんは今年の6月20日、竜王戦の対局で高野智史四段に敗れて現役を引退。「制度によって引退しなくちゃいけない成績になったから引退しましたけども、やる気満々なんですよ」ということで、自ら望んでの引退ではないそうです。

「高野さんに負けた後、家に帰りまして。そしたら、妻がお疲れ様と言ってネクタイをプレゼントしてくれました。ある程度、妻も覚悟はしていましたからね。まぁ、そういうことだったんですよね」

「とにかく精一杯戦って負けたので引退というのは落ち着いて受け入れました。同時に現役を引退した後も私がするべき仕事がかなりあるという見通しがあったので、切り替えはすぐにできました」

「私の仕事といいますと、テレビの出演とか、もちろんラジオの出演もありますし、それから講演、将棋を教えること、などなどですね。いわゆる引退ということは公式戦を戦えないだけで、後は従来通り、私の棋士としての仕事はたくさんあるという見通しがたっていたので、健やかに引退したということですよね」


62年10ヶ月の棋士人生を振り返って、「長く、色褪せない、魅力のある将棋を指せたことが非常に嬉しかったということの一文に尽きます」「いつまでも魅力的な将棋を指せたということが誇りですね」と話してくれた加藤さん。「ご自身にとっての将棋とは?」という質問には「天職です」と答えてくれました。

そして、最近では「ひふみんアイ」(作曲は小坂大魔王さん)という歌をリリースするなど、いろいろなことに挑戦している加藤さん。最後に「ご自身にとっての挑戦とはなんですか?」と伺うと、「挑戦することがあれば希望が持てる。希望が大事だと思います。挑戦することがある限りは希望を持って生きていけるので」と話してくれました。

番組では、そんな加藤一二三さんの挑戦に関するメッセージを色紙に書いて頂きました!こちらの色紙を1名様にプレゼントします。このホームページ右のメッセージフォームから「加藤一二三さんの色紙希望」と書いてご応募ください!

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