松任谷由実さんが45周年を記念したベストアルバムを語る(2018/04/14 放送)
今週は、松任谷由実さんをお迎えしました。
去年はたくさんのコンサートを行ったユーミン。ツアーを終えて得たものについてこんなふうに話してくれました。
「完結できないかな?って思ったけれど、粛々とやっていたらフェーズが変わったんです。なんかね、もっとパワーアップした自分に生まれ変われたんですよ!マジ。だから、去年の私ともちょっと違うかもしれない」「この歳、キャリアになっても伸びしろはあるんだなと思いました」。
去年はたくさんのコンサートを行ったユーミン。ツアーを終えて得たものについてこんなふうに話してくれました。
「完結できないかな?って思ったけれど、粛々とやっていたらフェーズが変わったんです。なんかね、もっとパワーアップした自分に生まれ変われたんですよ!マジ。だから、去年の私ともちょっと違うかもしれない」「この歳、キャリアになっても伸びしろはあるんだなと思いました」。
そして、今月4月11日には、デビュー45周年を記念した45曲入りのベストアルバム『ユーミンからの、恋のうた。』をリリース。一般的な有名曲が中心だった5年前のベストアルバム『日本の恋と、ユーミンと。』に入らなかった曲の中から、ユーミン自身が“いま聴いてほしい曲”を選んだそうですが、それでも45曲に絞るのは大変だったとか。
「嬉しい悲鳴で。多作なもんですからね。で、そのつど真剣に作ってきたし、当然。だから、これも入れたい、あれも入れたいで、45曲には収まりきれなかったんだけど…」。
そんな今回のベストアルバム『ユーミンからの、恋のうた。』は3枚組で、それぞれにテーマを決めて当てはまる曲を振り分けていったそう。Disc 1のテーマは『Pure Eyes 純粋さを、捨てない。』、Disc 2は『Urban Cowgirl “私”で、生きてゆく。』、そしてDisc 3は『Mystic Journey 旅を、やめない。』というもので、3つのテーマはすべて繋がっているようです。
「私が私であるために旅を続けるし。旅をすると純粋さが戻ってきたり、純粋な気持ちで見るもの、聴くもの…自分の中にビビッドに入ってくるとか。全部連動してますね」
まず、Disc 1のテーマ『Pure Eyes 純粋さを、捨てない。』について、ユーミンはこう話してくれました。
「ま、自分で純粋かどうかはわかんないんだけど(笑)。けっこう純粋な歌を作ると、本体が出涸らしみたいになっちゃって。本体は汚濁にまみれてるかもしれないんだけど(笑)。なんか純粋じゃないと切なくないですよね」
「私の場合は音楽をずっとやってきた。で、アルバムを作り続けると、どうしても自分と対峙するじゃないですか。そこでいろいろ自分のその時の足りないこと、とか、ここをもっとテコ入れすれば伸びるのにな、とか…ま、なにしろ自分に対して研ぎ澄まされるんですよ、創作の場がね。それは昔から変わらないと思う」。
また、Disc 2のテーマ『Urban Cowgirl “私”で、生きてゆく。』については、こんなことをおっしゃっていました。
「人の人生を生きてもしょうがないから自分らしく。その“自分らしさ”って何だろう?って見つけるのがまた難しいんですけれど…そうすると、その次(Disc 3)の“旅をする”」。
13才の頃にプロコル・ハルムの名曲「青い影」(A Whiter Shade of Pale)に衝撃を受けたというユーミン。それまでのロックはギターが中心でしたが、プロコル・ハルムはキーボード(ピアノとオルガン)が中心のサウンドで、それを聴いて「自分でも音楽を作れるかもしれない」と思ったそうです。
そして、早くも14才の時にまずは作曲家としてデビュー。元タイガースの加橋かつみさんのソロシングルに曲が採用されて、音楽の権利を管理する音楽出版社と作家契約を結んだそうですが、当時は自分で歌うことは考えていなかったとか。
「もう歌なんて全然歌えなかったんですよ。自分で歌おうなんてさらさら思ってなかったんだけど、親に隠れて曲を見せに行ったりしてて。受験勉強と平行してそういうことをしているうちに大学に入って、アルバムをリリースするっていう話になったんですよ」
「で、自分で歌いなさい、って言われて。変わった曲だから自分で歌うしかこの世界観は表せないよって。今回のアルバムにも入ってますけれど、2小節ごとに転調しちゃう曲とかがあって」
「それで、自分でアルバムを作ることになって、ボイトレとかも行って。『ひこうき雲』ってアルバムでシンガーソングライターとしてデビューしたんですね。それが72年」。
ユーミンは自分の歌に自信がなかったようで、当初は「イヤイヤ歌ってた」んだとか。
「こんな私の歌でいいのかな?と思いつつ、曲には、作品には絶大な自信を持ってた。だから、ステージが派手になったのかも。そっちで目くらましさせようとして(笑)。ショーアップを目指した。怪我の功名で」。
来週も引き続き、松任谷由実さんをお迎えします。お楽しみに!