取材日記

TOKYO FMが誇る報道スポーツチームが総力を挙げて取材します。
ラジオならではのハートフルなスポーツ報道をお送りします。

「あきらめない!」−織田信成選手

フィギュアスケートのグランプリシリーズ第4戦・NHK杯の
男子2位となったのが織田信成選手。
ソチオリンピック出場に向け、少しずつ階段をのぼっています。
第2戦、スケートカナダの3位から今回順位をあげ、
3シーズンぶりのファイナル進出に望みをつなぎました。

このシーズンの織田選手のキーワードは、「あきらめないこと」!!

この気持ちで臨んだショートプログラム。
冒頭のジャンプで少し回転不足がありましたが、
その後の3回転半ジャンプはしっかりと成功させました。
笑顔もこぼれ、最後まで楽しそうに滑ると、会場全体から大きな拍手。
ただ、得点は、思うほどのびませんでした。
本人の表情がしばらく固まるくらい、
手ごたえと点数のギャップが大きかったようです。
結果は、3位スタート。
それでも、フリーに向けて、
「練習でやってきたことを信じるしかない」と切り換えます。

そして、会場から「織田!!」のコールが響く中、フリーが始まります。
すると、4回転3回転の連続ジャンプが、3回転1回転になるミス。
会場に緊張が走ります。
しかし、そのあとでした。
織田選手は、課題としていた2本目の4回転をバシっと決めました!
できばえ点が加算されたほど見事なジャンプ!!
本人が、
「失敗してもあきらめずに続けて飛ぶ練習をしてきた。 成果が出た」と
振り返ったこのジャンプで弾みをつけると、会場も手拍子で応援します。
そこから次々とジャンプを決め、きれいなステップやスピンもみせて、
残りはノーミスでフィニッシュ。
今度は、織田選手が驚いたような表情をみせるほど高い得点が出ました。
ミスをしてもあきらめず、逆転2位で、2戦連続の表彰台にたって笑顔を見せました。


表彰式後の会見で、織田選手は、早くも次の大会をみすえて話をしてくれました。

 「ショートプログラムで、すごくあのお客さんの拍手であったり
  歓声がすごく自信になったので、それを忘れずにいい演技ができれば
  いいなと思って試合に臨みました。
  最初の4回転は失敗してしまったんですけど、
  そのあとの試合はこびというか、演技はこびにはすごく満足していますし、
  まだまだ点数も伸ばせると思う。
  次の大会に向けてはそういうところを練習していきたい。
  持久力的な面では、すごく先シーズンより良くなったなという実感があるので、
  最初の2つのジャンプをしっかり集中して跳べるように
  練習していきたいなと思います」





そして、「ソチで終わりたい」と引退する考えを、今年はじめに表明している織田選手。
ソチオリンピックへの想いについては、こう語ってくれました。

 「自分の立場としては、やっぱりまだまだオリンピックに向けて、
  もっともっと自分をアピールしていかないといけないと思いますし、
  他の選手を追いかける立場だと思っている。
  今は本当に健康にケガもなく練習できているので、
   しっかりまた練習を積んでレベルアップできるように、
  がんばりたいと思います」


ソチオリンピック出場となれば、2大会連続の出場となる織田選手。
今回のNHK杯2位の成績が、
代表選考の第一関門ともいえる、グランプリ・ファイナル進出を
ぐっと引きよせたといえますね。

ちなみに、グランプリ・ファイナルは12月5日から福岡で行われます。
そして、最終的な戦いの場となる全日本選手権は
12月21日から埼玉でスタート。
ここで優勝すると、オリンピック代表入りが確定します。

フィギュア男子のオリンピック代表枠は3つ。
代表をかけての争いが熱くなっています!!!

■鈴木晶久
  • 23:20