取材日記

TOKYO FMが誇る報道スポーツチームが総力を挙げて取材します。
ラジオならではのハートフルなスポーツ報道をお送りします。

スポーツ界の秘密基地!「トレセン」・・・って!?

スポーツ取材をしていると、
決まって呼ばれる場所があります。
何度も足繁く通っている場所。
それが「味の素ナショナルトレーニングセンター」です。

トップレベルの選手たちをサポートし
育てていこうということで、
ナショナルレベルのトレーニングの活動拠点として
2008年にオープンした施設。

史上最多のメダルを獲得したロンドンオリンピック。
その躍進の大きな要因の1つが
この「ナショナルトレーニングセンター」であるとも
言われています。
この施設が誕生してからオリンピックまでの4年間を
フル活用して臨んだ初めての大会が
ロンドン大会だったからで、
つまり、この施設の存在が、
キチッと結果にも現れている訳なんです!

海外ではこういったトップアスリートをサポートする施設は
かなり前から存在する中で、
日本では、半世紀以上に及ぶ
スポーツ界の念願がかなった形で誕生しました!
略して「トレセン」と呼ばれているこの施設の存在を、
あなたは知ってましたか?

トレセンには競技別の専用練習場である
「屋内トレーニングセンター」、「陸上トレーニング場」、
「屋内テニスコート」、
そして宿泊施設の「アスリートヴィレッジ」があります。
屋内トレーニングセンターは、地上3階、地価1階からなり
柔道や体操、卓球など10競技の専用練習場を設けている他、
プールやウエイトトレーニング室、研修室、
コーチ室などの共有施設も設けられています。

また同じ敷地内には「国立スポーツ科学センター
も併設されていて、
ここではスポーツ科学・医学・情報などの
先端的な研究のもと、
充実した最新施設、器具・材料を活用しながら、
各分野の研究者、医師など専門家集団が連携しあって
選手たちをサポートしています。
つまり、スポーツを科学的に分析してサポートする施設
なんです。

例えば・・・筋力トレーニング=筋トレをする際には、
どんな環境で行うのがより効果的なのか。
それを科学的に分析して選手たちにアドバイス、
実行させています。
(ちなみに、筋肉の合成を高める成長ホルモンの分泌を
促すためには、低酸素環境で筋トレを行う方が良い、
という仮説を立てているそう)

基本的なトレーニング施設は、夏の競技のものばかりですが、
冬の競技の選手たちも、特にオフシーズンなどの体づくりや
トレーニング、怪我からのリハビリ、また生活面でのサポートなど、
この施設を活用している選手が多くいらっしゃいます。

取材に行くと、色んな競技の選手たちとすれ違います。
他競技間の選手たちのコミュニケーションの場にも
なっているそうですね。

そんなトレセンの施設内を、そして利用する選手の素顔を、
様々な方たちの証言から覗いてみましょう!
機密事項も多いということで、
普段はなかなか施設内に入ることも難しいのですが、
シンクロでは特別に取材させて頂きました!

まず、施設の入り口で選手たちを迎え入れる
受付の方にお話を伺ってみると・・・
「選手たちの肉体美は洋服の上からでも一目瞭然です!」とのこと。
アスリートを語る上で欠かせないのが「筋肉」ですが、
やはり凄いんですね!
毎日選手たちに接しているこの受付の方は、
遠くからでも、選手か関係者か・・・
その体格から一瞬で見分けがつくそうです。

そして広いトレセン内で清掃を担当している
ベテランの方にもお話を伺いました。
とにかく初めは、その広さ・大きさに愕然としたそうですが、
気さくに、そして元気よく挨拶して下さる選手たちに
感動したそうです。
施設内に残っている汗のシミを見るたびに、
その過酷な練習を想像してしまうそう。
そしてこのベテラン清掃員の方が教えてくれた
コート・トレーニング室の秘密・・・。

それは、清掃に入っても、
意外と練習場がキレイだということなんです!
ということは、選手たちが練習後、
自分たちで使った場所はちゃんと自分たちで掃除している
ということに他ならない!
「一流のアスリートはやはり違うなぁ!」そんな風に話していました。
以前、ある選手にインタビューした際、
自分たちの練習場には常に感謝の気持ちを持っているので、
その思いを込めてキレイに保てるように努力している、と
おっしゃっていましたっけ・・・。

そしてトレーニング施設の隣に位置するのが
「アスリートヴィレッジ」と呼ばれる宿泊棟!

先日、来日したIOC(国際オリンピック委員会)の統括部長が、
民間のホテルではなくこのアスリートヴィレッジに宿泊し、
「5つ星ホテルのようだ!」と感激したことでも、
この施設の充実度がお分かりいただけると思います。

トレーニング施設からは渡り廊下でつながっているため、
トレーニング場とヴィレッジの行き来だけで、
一歩も外に出ない日々が続く選手たちも多いのだとか。

食堂やインターネットルーム、図書学習室など
様々な施設が集まっている中で、
特に注目なのが、男湯・女湯がそろう「大浴場!」

ちなみに大浴場の隣には売店があるのですが・・・
この売店の売れ筋商品はお分かりですか?

正解は、「アイスクリーム」と「雑誌」。
一流アスリートも、お風呂の後には
アイスに手が伸びちゃうんですね!

そしてラストは、アスリートヴィレッジにある
食堂「さくらダイニング」。

やはり選手にとって非常に大切になってくるのが
「栄養面の管理」。
このさくらダイニングには常に栄養士の方がついていて
相談に乗るなど、キメ細やかな対応がされていますが、
食事の出し方にも秘密があります。
和洋折衷、バリエーションに富んだ
いくつもの種類の小鉢が用意され、
その小鉢ことにカロリーなどが表示されています。
つまり、自分でカロリー計算をしながら、選びながら、
食事をとることが出来るのです。
栄養士の方にお話を伺ったところ・・・
「トレセンにこもり、外の季節感を味わえない選手たちも
多いことから、せめてお料理だけでも
四季を感じられるものにしたい」と話していました。

ちなみに・・・ある選手が体調を崩し高熱を出してしまった時、
栄養士の方がおかゆなどの特別メニューを作って
対応したところ、その選手がいたく感動し、
のちのち、その選手からツイーツとお手紙が
送られてきたそうです!

正に、縁の下の力持ち的な存在のトレセンスタッフ!
様々な角度からサポートしてくれる方たちがいるからこそ、
選手たちも最大限の力を発揮できるんでしょうね!

■柴田幸子
  • 17:26