取材日記

TOKYO FMが誇る報道スポーツチームが総力を挙げて取材します。
ラジオならではのハートフルなスポーツ報道をお送りします。

氷上のF1!ボブスレーに注目!

8年間、トリノ五輪の取材をしていた時に、
どうしてもカメラのフレームに収められなかった競技が
あります。

それは・・・時速およそ150キロで滑走し、
そのスピード感から「氷上のF1」とも呼ばれる
ボブスレーの滑走姿。
いやぁ・・・速かった!!(笑)



ボブスレー競技は、男子は2人乗りと4人乗り、
女子は2人乗りのみで競います。
選手たちは呼吸を合わせながらソリを押して走り、
加速をつけながら素早く乗り込んで
そのゴールタイムを競うという競技です。

「パイロット」と呼ばれる操縦士と、
ソリを押す、車で言えばエンジン的な役割の
「ブレーカー」と呼ばれる2つの役割の選手たちがいるのですが
キーマンとなるとのは、やはり「パイロット」の選手。

現在、日本代表に唯一内定しているのが
「パイロット」の鈴木寛選手、40歳!(写真左)





これまでに4度のオリンピックに出場し、
常に日本のボブスレー界をリードし続けてきた立役者です。
実はバンクーバー後に一度引退をしているのですが、
日本のボブスレー競技は札幌大会からオリンピックに
出場し続けているため、
ここでその記録をとぎらせる訳にはいかない!と、昨年復帰。
世代交代に苦戦している中で、
後継者を育てながらソチを目指しています。

その鈴木選手に、ボブスレーの見所を聴いてみると・・・
「スタート局面が一番の魅力。
迫力もあるし選手もかなりエキサイティングな感じには見える。
スピードが出るスポーツなので、そのスピード感も見て欲しい!」
とのことでした。
先日の全日本選手権に取材に行き、
スタート時点で正にその迫力を体感してきたばかりですが、
目の前を通り抜けていくとのスピードと選手たちの気迫に
圧倒されました!

ボブスレーの場合、目線が低いので、
鈴木選手の体感速度でいうと200キロ以上にもなるそうですよ!
鈴木選手は車のレースが好きだった訳でもなく
大学までは野球一筋。
ジェットコースターも苦手なんだそうです(笑)

現在、代表に内定している鈴木選手の他に、
ソチを目指す日本代表候補に残っているのは、
ブレーカー候補の宮崎選手、小林選手、佐藤選手、
黒岩選手の4名。
ボブスレー界はなかなか後継者が育っていないために、
色々な競技の世界から広くボブスレー選手を発掘しようと、
今シーズンはトライアウトが実施されました。
そこで、陸上の短距離や円盤投げ、またアメフトなどの他競技から
この世界に入ってきた選手が多くいるんです。

「ソリをいかに速く押せるか」が仕事のボブスレーのブレーカーは、
足の速さと瞬発力が必要になりますが、
実は、半年でオリンピック選手になれるかもしれない!という
唯一の競技でもあるんですね。

ブレーカー候補の主力である宮崎久選手は(写真右)、
今シーズンの6月に陸上の短距離から転向してきたばかりの選手!





なんと2003年のパリ世界陸上の日本代表選手で
7位入賞も果たしている実力者なんです。

そんな宮崎選手に、「ボブスレー」の難しさについて、
またチームのリーダー・鈴木選手について聴いてみました。

「いやぁ、難しい!陸上の足を生かせるのは加速すれば生かせるが
ゼロからのスタートなので。勢いをつけるのが難しい。
陸上は腕が使える!腕がものすごく大きかったというのを
今、実感している・・・。
鈴木選手はやさしい顔をしてはいるが怖い存在。
凄くやさしいけどボブスレーに関しては、自分自身では言わないけど
「命を預かっている」という気持ちはヒシヒシと感じる。
だからお前らが(スピードを)出さなければしょうがないんだよ!
というのも言われるので。
鈴木選手が味わったことないような操作をさせてあげたい、
してほしいとうのはある。」

陸上界の実力者ですが、「腕」を使えないことが凄く大きい!
やはりボブスレーにはボブスレーの難しさがあって
足が速いだけではダメなんですね。
また、普段は温和なイメージの鈴木選手ですが、
その裏では大きなプレッシャー・責任を背負った中で戦っている!
だからこそブレーカーの選手たちもその思いに答えなければならない!
その結束力がチームの一体感を強めているのですね。

ボブスレー日本代表はソチオリンピックの出場権獲得のために
国際大会でのポイントをためている所。
今月19日までのポイントの集計で、オリンピック出場が決まります。
是非、「氷上のF1」に注目してみて下さい!

■柴田幸子
  • 17:06

フィギュア男子代表が決定!!

フィギュアスケート・男子の日本代表が決まりました!
埼玉で行われた、全日本選手権の場で発表されました。



男子代表は3名。
発表前の予想では、全日本選手権で優勝した羽生結弦選手、
そして2位の町田樹選手が代表入りするとみられていました。
実際に発表になった瞬間、この2人まで予想通り選出。
そして、残る1人の枠に入ったのは、
小塚崇彦選手(全日本3位)ではなく、高橋大輔選手(5位)でした。
過去の大きな舞台での実績、ほかの代表メンバーの
精神的な支えになるという理由で、代表入りとなりました。


全日本の会場にいた1万8千人から
絶叫に近い大歓声で迎えられた高橋大輔選手は、
涙とともにこう話しました。

「いろんな言葉を、あの、考えてはいたんですけど・・・
 決まってからは・・・
 なかなか思う言葉が、見つからないです・・・
 日本代表として恥ずかしくない演技が出来るように、
 これからオリンピックまで
 一生懸命頑張っていきたいと思いますので
 また応援よろしくお願いします」

代表入りはもうないと思う、悔し涙を流していた高橋選手の
嬉し涙が見れた瞬間でした。

そして、代表発表の興奮もさめない中、
会見では、メダルに向けた決意を語りました。

「上へ上へという気持ちを常に持ち続けて、
オリンピックまでの日々を過ごしていきたいと思います。
メダルっていうのは、みんなが言っている通り、
そこを目指してやっていかなければな、と思います」

これで高橋選手は、オリンピック3大会連続代表!
日本のフィギュア界で初めてのことです!
ソチでメダルをめざす、という力強い言葉に期待が高まります!



ほかの2人の代表も、
喜びとソチに向けての想いをそれぞれ話してくれました。

初めて代表に選ばれた、羽生結弦選手です。

「まだまだ信じられないなと思っているのと同時に、
 またこれから、ここをスタートラインとして、
 一歩一歩踏み出していかなきゃいけないなとも思っています。
 気はすごく引き締まってるし、油断もしてないし、
 身体のコンディションもいい感じで、
 このシーズンはもっていけてると思うので、
 いいコンディションで
 ホントに自分ができること、やるべきことを精一杯やる、
 一生懸命やるというのが、
 今回の目標かなというふうに思ってます」

このいいコンディションのもと、
課題となっている冒頭の4回転サルコーを
ソチ本番で成功させてほしいですね。
ちなみに、練習では決めています!


そして、こちらも初代表の町田樹選手。

「実感がないんですけど、
 ボクが思っている以上に、オリンピックって
 すごいスポーツの祭典なんだなということを認識し始めて、
 ちょっと嬉しいというよりも、
 ちょっとだけ恐怖心のほうが強いんですけど、
 悔いなく、しっかり全力で取り組みたいです。
 いろいろな責任もあるので、しっかり果たしていきたいと思います。
 やっぱりメダルを狙うことが義務だし、
 それをするためには進化できるだけ進化して、
 また最高の演技をめざしたいです」

ジャンプの高い安定感が特長の町田選手。
安定している演技をオリンピックの舞台でもみせて、
メダル獲得といきたいですね!!!

ソチでの競技は、チーム男子SPから始まります!


■鈴木晶久
  • 23:55

フィギュアスケート女子代表が決定!

23日(月)、ついにフィギュアスケートの
ソチオリンピック・日本代表が決定しましたね!!
今回は、オリンピック代表選手の最終選考会を兼ねた
全日本選手権の結果とともに、
女子の代表選手3人についてご紹介していきます!



大混戦のなか代表一番乗りを決めたのが、
今回の全日本選手権で
逆転初優勝を果たした鈴木明子手です!!

ショートプログラム2位で
フリープログラムを迎えた鈴木選手は、
冒頭からジャンプを次々に成功。
感情を込めた滑りで
「オペラ座の怪人」のクリスティーヌを演じきり、
自身最後の全日本を悲願の初優勝で飾りました。
鈴木選手は、試合後、こんな風に語っています。

「ここまで簡単な道ではなかった中で、
 支えてきてくれた皆さんの笑顔が思い浮かんで、
 この全日本で、この演技が出来て
 本当によかったなという気持ちが、達成感がありました。
 2度目のオリンピックとなるソチでは、
 自分のスケート人生の集大成として
 精一杯のスケートをしたいと思います。」

鈴木選手のフリープログラムを終えた時の
達成感に満ち溢れた表情は、
何度見ても感動してしまいます。
ソチでも、情感たっぷりの鈴木選手の演技に期待したいですね!!

続いて2人目の代表は、
ショート、フリーともにノーミスの演技を見せ
見事総合2位となった村上佳奈子選手!!
村上選手は今シーズンのショートプログラムをものにできず
不調が続いていていました。
そんななか3週間前にショートプログラムの曲を
2シーズン前のものに変更し、今回の全日本に挑みました。
賭けともいえる、直前でのプログラム変更が成功し、
初のオリンピック代表入りを決めました。
村上選手は、こんな風に話しています。

「今までやってきたこと全てを出せたと思います。
 プレッシャーとか期待の中で怯えていたんですけど、
 この状況の中でショートもフリーも、(満足いく)演技が出来たのは、
 本当に自信がついたので、
 これからは怖がらずにがんばりたいと思います。」

村上選手、試合前は緊張から足の震えがとまらなかったそうですが
滑り終わったとは、顔をくしゃくしゃにして喜びを爆発させていました。
今回の結果を自信にして、
力強い滑りを見せてくれるといいですね。

そして3人目が、エース・浅田真央選手です!!
浅田選手は3年連続7度目の優勝を目指し、
ショートプログラムでは首位発進。
ですがフリープログラムで
トリプルアクセルを2回失敗するなど精彩を欠いて、
結局3位に終わりました。

ただ浅田選手はファイナルを含め
グランプリシリーズで3度優勝していますので、
順当に代表入りを決めました。
大技・トリプルアクセルに不安を残した浅田選手、
試合後、次のように語っています。

「自分の演技が出来なかったので残念ですね。
 この悔しい気持ちを次に繋げられるように、
 今自分が感じているものを忘れないで、
 次の試合に臨みたいと思っています。」

「失敗したのが、今でよかった」とも話していた浅田選手。
本番ではトリプルアクセルを成功させ
一番いい色のメダルを持ち帰ってきてくれることに
期待したいです。

一方、母としてオリンピック出場を目指しながらも
残念ながら代表入りを逃した安藤美姫選手。
試合を終えて、現役引退を表明しました。
今後は指導者を目指すということです。

たくさんのドラマがある中で、
ようやく決まった3人の代表選手。
これからソチオリンピックに向けて、
コンディションを万全に整えていってほしいですね。

■中村亜裕美
  • 16:43

冬のアスリートの「食」にせまる!

今日でソチオリンピックまであと50日となりましたっ!!
「あと50日!」というキリのいい数字を聞くと、
開幕が少しずつ近づいてきてるなーと感じますね。
それぞれの競技で日本代表もだんだん決まってきて、
いまは、日本国内向けのチケットの販売も
最終販売の段階になりました。

先着順での販売になっているので、
競技によっては、既にSOLD OUTのゲームもあります。
フィギュアスケートやカーリングは、特に人気!

現地・ソチでも、準備が着々と進んでいます。
アルペンスキーの会場となっているゲレンデがオープン。
地元の人たちが初滑りを楽しんでいるようです。
今年のソチでは、例年より冷え込みが厳しくて、
雪も多いそうです。
選手村がある標高およそ1100メートル付近では、
すでに雪が80センチ以上も積もっているとのこと!

そして、それぞれの選手は、
オリンピックの舞台やその前の最終選考会めざして、
調整も最終段階に入っています。
世界トップレベルのパフォーマンスをするためには、
「食生活」をしっかりコントロールすることも大事!

そこで、以前紹介した、
フィギュアスケートの高橋大輔選手をはじめ、
これまで多くのアスリートの栄養面をサポートしている
栄養アドバイザーの石川三知さんに
冬を過ごすアスリートにとって、
一番大切なことについて聞いてみました。


「冬を過ごすアスリートにとって一番大切なのは、
 風邪をひかないことだと思っています。
 免疫力を高めるというようなことが
 大切になってくると思います。
 そのために、粘膜を強くしたいので、
 オレンジ色の食べ物はよく(選手に)出します。
 にんじんや、柿や、みかんなど。
 それは、カロテンという成分が粘膜を強くするからです。
 あとは、水分って意外ととらなくなりますよね。
 でも、とても乾燥しますので、汁物を多くとったりとか、
 鍋でも、シチューでも、お味噌汁でも、
 なんでもいいんですけど、
 そういったものを多くとるといいと思います。
 そして、たんぱく質は、毎食、いろんな種類のものを、
 たぶんシーズン(春夏秋冬)中で
 一番グラム数でいったらとる時季ではないかと。
 これは経験からの憶測ですけれども、そう思います」



そして、せっかくなので、石川さんに、
高橋選手の試合前の食事について教えてもらいました!
高橋選手、試合前に必ず食べる物があるそうです。
それは…


「いつも、とても小さなおにぎりを作ります。
 『小(こ)にぎり』と名前をつけています。
 具は、必ず梅を入れています。
 おにぎりを、合宿のときだったり、
 試合期間でも、他の期間に作ることも、
 ごくまれにあるんですけど、
 そのときも絶対、梅干は使わないようにして、
 試合のときだけという感じで、梅にしています」


選手にはそれぞれ、ここ一番というタイミングで
何か決まったことをして自分のリズムをつくる。
こういった話をよく耳にしますが、
高橋選手にとっては、
それが「小にぎり」なのでしょうね!

さて、高橋大輔選手も出場する
フィギュアスケートの代表最終選考会、全日本選手権が、
いよいよ21日に埼玉で開幕します!
フィギュアの代表争いからも目が離せませんねー


■鈴木晶久
  • 23:10

男気溢れるアルペン界のエース!

日本人が冬季オリンピックで始めてメダルを獲得した競技,
ご存知ですか?

正解は「アルペンスキー」!
元IOC副会長の猪谷千春さんが
1956年のコルティナダンペッツォオリンピックの
男子回転競技で銀メダルを獲得したのは有名な話で、
映画にもなっていますよね。

今日は、アルペンスキーの湯浅直樹選手をピックアップします!

まず「アルペンスキー」とは、「山を滑り降りる速さを競う」競技。
コースには「旗門」と呼ばれる2本1組の旗、
またはポールが並べられていて、
その旗門を順番に通過しながら滑り降ります。
旗門を通過できなかった場合は失格となり、
滑降、回転、大回転など様々な種目によって、
旗門の数、旗門のインターバル、コースの長さ、標高差が
大きく変わってきます。

そんな中、佐々木明選手、皆川賢太郎選手の影に隠れ、
バンクーバーの切符を惜しくも逃したあの第3の男が、
この4年間で大きな成長を見せ、エースの座に君臨しました。
湯浅直樹選手です!

中学生の時には陸上部に所属。
走り高跳びで全国3位に入るなど、
ずば抜けた身体能力を持つ湯浅選手。

2003年にはイタリア「マテオ・バウムガルテン賞」を受賞。
この賞は、世界各国から推薦された「レースの成績」と
「学問」に秀でたアルペン選手の中から毎年1人が選ばれるもので、
この時、100人を超えるイタリアの貴族の前で、
イタリア語と英語でスピーチを行ったそうです。
文武両道!!

2006年のトリノオリンピックで日本人として50年ぶりの7位入賞、
また2011年にはドイツで行われた世界選手権の回転競技で
日本人としては53年ぶりに6位入賞を果たしました。
オリンピックと世界選手権の両方で入賞を果たした日本人は、
猪谷さんと湯浅選手の2人だけなんですよね!

そんな湯浅選手が競技生活の中で常に抱えているのが
「腰のヘルニア」。
今年の3月までは全く歩けなかった、
1人でお風呂にも入れなかった腰の状態から
現在はスキーが滑れて練習も出来ている、というのは
奇跡的だとご本人も話しています。
そしてその状況の中で、ここ3シーズンは「自己ベストを更新」
し続けてきているのです!
身上は「死んでも攻める!」という湯浅選手に
オリンピックに向けての意気込みを伺いました。

「僕はしつこいタイプで諦めの悪い人間。
分が悪くなればなるほど、非常に燃える。
絶対に今の状況を打破してやる!覆してやる!
という気持ちになる。
「死んでも攻める!」という気持ちは
ずっと変わらずに持ち続けている。
この1本で自分が朽ち果てても悔いはないと思えるくらい
最高の1本を搾り出して、それが金メダルに繋がれば良い。
アルペンの歴史の中で金メダルはとっていない、
それは僕にとって良いことだった。
きっとその席は僕のために空いている、
その席は必ず僕が埋めると信じてやっている。
ぽっかり空いている世界一という席に僕が必ず座りたい!」

なんとも強気な姿勢が湯浅選手っぽい!

そんな湯浅選手は、多くの選手が海外のスキーを使用する中で
「国産のスキーを使用した日本人が世界一になる!」
というこだわりを明確な目標に掲げています。
そして、昨シーズンはワールドカップで、自身初となる表彰台に上がり
「国産のスキーで日本人がワールドカップの表彰台に上がる」という
日本のアルペン史上初となる快挙を成し遂げました!

その「国産のこだわり」については、こんな風に話しています。

「15年前に「ハート」というスキーに出会って、
始めの頃は何だそのスキー、そんなの履いているから
成績でないんだ、と凄くたたかれたが、
それが自分の努力やスキーの開発者の努力で
どんどん覆っているというのを実感する。
国産のスキー、日本人が日本人のために作ったスキーを
履くというのは自分の中でも凄く大きなこと。
きっと日本人が外国産のスキーを履いて優勝するよりも、
日本人が日本人のために作ったスキーを履いて
世界で一番になった方が。どのシチュエーションよりもカッコよい。
その仕事が出来るのはきっとこの世で僕しかいない。」

腰のヘルニアと上手く付き合いながらも
自己ベストを更新し続けている湯浅選手、
ソチでは、MADE IN JAPANのスキーで
さらなる記録の更新を期待したいですよね!

■柴田幸子
  • 19:09

日本女子ジャンプ界の若きホープ・伊藤有希選手

今日は、女子ジャンプ競技で
高梨沙羅選手とともに活躍が期待される、
19歳ジャンパー伊藤有希選手に注目します!
女子のジャンプ選手というと高梨選手に注目があつまりますが、
伊藤選手も日本女子ジャンプ界の若きホープなんです!!

今月6日、ノルウェーのリレハンメルで、
ワールドカップ・ジャンプ女子の個人開幕戦が行われました。
高梨選手が2位以下に大差をつけて優勝したこの一戦、
伊藤選手は日本人2位となる17位に入りました。
また、これに先立つ混合団体のワールドカップで、
伊藤選手は、高梨選手や男子の伊東大貴選手らとともに出場し、
見事優勝を果たしています。

伊藤選手は、41歳のベテラン・葛西紀明選手をはじめ、
多くのジャンパーを輩出している北海道の下川町出身。
しかも伊藤選手は、両親ともにスキー選手という
スキー・一家に生まれました。
スキーが身近にある環境のなか、
4歳の時に、お父さんがコーチを勤めていた
下川スキージャンプ少年団でジャンプを始めたそうです。

そして小学6年生の時に出場した国際大会で3位となって注目を集め、
それ以降世界選手権やワールドカップに出場し
上位入賞を果たしています。

そんな伊藤選手ですが、この夏に目覚しい成長をみせ、
今年8月に札幌で行われたサマージャンプ大会では、
高梨選手を抑え優勝!!
自身でも、これまでのシーズンに比べて
ジャンプの調子が安定してきたと語っています。

飛躍の背景にあるのが、
この春から、葛西選手が監督を務めている、
名門実業団チーム「土屋ホームスキー部」に
女子選手として初めて所属したこと。
葛西監督から助走の際の動きや着地の時の姿勢などについて
熱心な指導を受け、
滑りに自信を持てるようになったそうです。

伊藤選手は、所属チームと葛西監督について
こんな風にお話しています。

「土屋ホームスキー部の先輩方は、葛西監督をはじめとして
 全員がオリンピックを経験している選手たちばかりなので、
 選手たちから沢山のオリンピックのことを聞いて
 オリンピックを目指せるということを
 すごく大きな自信にしています。
 葛西監督は、下川町の先輩たちの一人として、
 とても憧れの存在です。
 まさか同じチームでトレーニング出来るなんて、
 本当に夢のように思っています。」

ジャンプを始めたころから、
「下川町の先輩たちのようにオリンピックで活躍したい」
と考えていたという伊藤選手。
ソチオリンピックへの意気込みについて、
こんな風に語ってくれました。

「小さい頃はオリンピックというのが夢の舞台でしたが、
 女子の正式種目が決まり
 夢の舞台が目標の舞台へと変わったので、
 その目標の舞台で活躍できるように、
 その切符をとれるようにトレーニングに励みたいです。」

憧れの舞台への切符を手にするためには、
ワールドカップでの上位入賞がポイントになってきます!
伊藤選手は、21日から
ドイツで開催されるワールドカップ第2戦に出場します!
より一層の活躍に期待したいですね。

■中村亜裕美
  • 19:46

カーリング女子代表 カーママ頑張れ!!

今回は、オリンピック出場が決定した、
女子カーリングを紹介します!!

12月16日、オリンピック出場権の最後のひと枠を賭けたプレーオフ最終戦。
序盤はリードされたものの、1点を追う第8エンドに大量6点を奪って逆転。
更に1点を加えた第9エンドのあとにノルウェーがギブアップして、
日本が10対4で勝利したんです!!

カーリング女子の日本勢としては、5大会連続のオリンピック出場を決めました!
おめでとう!カーリング女子!!

さて、氷の上をゴシゴシゴシ・・・とブラシで擦っている姿が印象的ですが、
「氷上のチェス」あるいは「氷上のビリヤード」とも呼ばれています。
発祥の地は、16世紀スコットランドとされ、
フェアプレーの精神を大切にする、知的で奥の深いスポーツなんです。
ちょっと競技のルールを紹介して置きますと・・・。

カーリングの競技は、「スキップ(主将)」「リード」「セカンド」「サード」の
4人1チームで行います
滑っていくストーンの前を4人のうちの2人がブラシ(またはブルーム)で掃きます。
(これをスウィープするといいます。)
ゴシゴシゴシ・・・と、見る方にはユーモラスな光景ですが、

掃くほうにとってはとてもハードなスポーツなんですね。
微妙な力加減で「ストーン」の位置が変わってきますので、
ものすごーくチームワークが必要とされる競技なんです。

なので、まず日本代表を決めるときも、強い人を4人全国から集める、のではなく、
日本代表になるチームをまず決め、そのチームがオリンピック世界最終予選で戦い、
オリンピックに出る、世界の10枠を競う、という形になっているんですね。

だから、このカーリング女子の代表選手たちは、全員「北海道銀行」所属なんです。

いわば、北海道銀行のカーリング部がオリンピックに出場するという・・・
サラリーマンだったら、会社中が喜んじゃう感覚、わかりますよね?!

そして、代表になったこの北海道銀行「チームフォルティウス」。
中心メンバーの小笠原歩(おがさわらあゆみ)さん、船山弓枝(ふなやまふみえ)さんは、
オリンピック出場選手では珍しい、一児の母なんです!

実は小笠原さん、船山さん共に2002年のソルトレイク、2006年のトリノオリンピックに出場したチームメイト。
トリノの後に一旦は結婚して引退し、出産するも、2011年に結成された北海道銀行の
「チームフォルティウス」の一員として現役に復帰することを決意したんです。

小笠原選手は4歳の男の子のお母さん。
世界最終予選に出発するお母さんに対し、その4歳の息子さんは、
ウルトラマンに出てくる「ガッツ星人」の人形をプレゼントしてくれたそう。

ガッツ星人は、ウルトラマンセブンに出てくる怪獣で、
「いかなる戦いにも負けたことのない無敵のガッツ星人」と自称し、また実際に数多くの戦いにことごとく勝利してきた宇宙の実力者という設定の怪獣なんですが、
お母さん、負けないで、という4歳の息子さんの愛情に応えた小笠原選手。
会見の笑顔がとてもまぶしかったですね。

そして、小笠原選手と同じく1児の母の船山選手。
北海道銀行の「チームフォルティウス」を紹介するページには、
子供が保育園でもらってくる風邪に自分もかかってしまったり、
健康面のコントロールが難しいと語りつつも、
「背負うものがあるのが自分にとっていい状態です」と語っています。

さあ、ソチオリンピックで活躍するカーリング女子代表、
女子北海道銀行の「チームフォルティウス」の姿が今から楽しみですね!

ちなみに、カーリング男子はオリンピック出場枠に入ることが出来なかったので、
女子だけの出場になるソチオリンピックです。
男子の分もがんばってほしいですね!
  • 11:32

スマイルジャパン!近藤選手の笑顔の裏にある想いとは・・・。

「スマイルジャパン」という愛称がピッタリ!
その名の通り、笑顔溢れる女子チームなのですが、
その裏には16年間もの戦いがあったという・・・
今回取材をして、心から応援したい!と思いました。
長野オリンピック以来4大会ぶりの大舞台に挑む
女子アイスホッケーチーム!

昨日の久保選手に続き、今日は・・・
チームで唯一のオリンピック経験者である
ベテランのディフェンダー・近藤陽子選手をご紹介しました。
(写真一番左が近藤選手↓)



平均年齢24歳のスマイルジャパンの中で
最年長となる近藤選手は現在34歳!
わたくし、同学年です!笑
チーム最年少のフォワード・浮田選手とは
17歳の年齢差になります。
昼間はOLとして会社に勤め、
夜は学生たちとともに汗を流す生活。

近藤選手が長野オリンピックに臨んだのは18歳の時。
出場国の特別枠で、日本は争うことなくオリンピック出場権を獲得し
予選リーグ5試合中、3試合で2桁失点をするなどして全敗。
とんとん拍子で代表に入った近藤選手は
「オリンピックに出る重みも分かっていなかった」と語ります。
また「自分のミスで負けた」という強い後悔が
ずっと自分の中に残っていて、
その時の失点、失敗を克服するために、
ココまでの16年間はあった・・・とも話しているんです。

「オリンピックでの悔しさを晴らすのは
オリンピックでしかない!」
その思いから、バンクーバー後に多くの選手が
リンクを去る中で、それでも現役にこだわり続けてきた、
ということなんですね。

また、今から2年前に大けがをし、右ひざを手術した影響で、
2月のオリンピック最終予選を欠場。
そこから再度立ち上がり、16年越しのオリンピック出場権を
手にした近藤選手に今の心境を聴いてみました。

「まさか自分がここまでやるとは思っていなかった。
ただ「やり残したことがある」というのがまずあったし、
諦めるということはしなかった。やはりアイスホッケーが
大好きだったし、常に新しい自分を見出してくれるのも
アイスホッケーだったから、自然にソチまで頑張れた。
大事件といえば膝をケガしたこと。年齢的にも31歳で、
辞めようと思えば辞められたと思うけど、
やっぱりホッケーが好きで、
このケガは自分を成長させてくれるとも思った。
ソチの予選のメンバーに落ちたときも、
それでも諦め切れなかったのは、
五輪に出たかったというのがあったから。
メンバーに入れたのは、変な言い方だけど・・・
自分へのご褒美!
今もプレーさせてくれているのは
神様が仕組んだこと(ケガも含めて)かも。
アイスホッケーの神様に凄く感謝している!」

取材中、近藤選手の口からは、
「アイスホッケーが大好きで・・・」というコトバが、
何度も、何度も聴かれました!
本当に心からアイスホッケーを愛しているのが
伝わってきました。

また、この16年間で思い出されることは・・・
という質問に答えているうちに、
思いがあふれ出し、声を詰まられせる場面も。
16年間の思いですもんね・・・。
私たちには想像し得ないような色んな思いを抱えて
ソチに挑戦するんだと思います。

ちなみに、飯塚監督からは「他の大会とは違う「オリンピック」、
そこで戦う難しさを若手にアドバイスしてほしい」と
オリンピック経験者としての期待も寄せられています。
そんな若手に対しては、近藤選手曰く、
「皆が知っている有名人を知らない」と
ジェネレーションギャップを感じることもあるそうです(笑)。

18歳の冬、長野で止まった時計の針を再び動かすために、
雪辱の舞台に上がる近藤選手・・・応援したいですよね!

■柴田幸子
  • 17:25

スマイルジャパンの絶対エース!久保英恵選手

今回は、長野オリンピック以来4大会ぶりの大舞台に挑む、
アイスホッケー女子代表「スマイルジャパン」に注目します!



アイスホッケーといえば、
「氷上の格闘技」と呼ばれるほどの激しいスポーツ。
まずは、ルールをおさらいしましょう!

簡単に言えば、アイスホッケーとは、
『スティック』と呼ばれる長い棒を使って、
『パック』と呼ばれる黒い円盤を
相手のゴールに入れた回数を競う競技です。
1回のゴールで1点になるのは、
サッカーなど他の球技と変わりません。
20分のピリオドを、15分の休憩を挟みながら3回行い、
合計60分間での得点を競います。

面白いのは、選手の交代がスピーディーなこと!!
通常、氷上にいる選手は、
GK1人と、DF2人、FW3人のあわせて6人なんですが、
ほとんどの大会では、
22人までベンチ入りすることができるんです。
選手交代は何回でも出来ますし、
1分も滑るとヘトヘトになるということで、
選手はみんな1分以内で次々に交代していくんです。

またポジション編成に関してはチーム戦略に任されていて、
ゲームの終盤、逆転が必要になってくる時には、
ゴールキーパーを入れずに6人全員をフォワードで揃えて
「全員攻撃」をすることもできるんです!!

さらに選手同士が激しくぶつかり合い、
危険なスポーツでもあるアイスホッケーは
ルールが厳しく設定されていて、反則も多くの種類があります。
反則を取られた場合は一時的に退場になるんですが、
反則の重さによって退場時間の長さが設定されているんです。
代わりの選手が出場することが認められない場合もあって、
その時には人数差がある状態で試合が続いていくんですよ。

そんなスピーディーでハードなアイスホッケー競技を戦っている
「スマイルジャパン」ですが、今月4日、他の競技に先駆けて
ソチオリンピックの代表選手21人を発表しました。

17歳から34歳までの代表メンバーの中で、
エースとしてチームを引っ張るのが、久保英恵選手です。

31歳の久保選手は、
2010年春に一度引退したあと
1年9ヶ月のブランクを乗り越えて現役復帰し、
今回オリンピック代表に選出されました。
3度目の挑戦で、ようやく手に入れたオリンピックへの切符。
久保選手は、今の心境をこんな風に話されています。

「オリンピック出場を諦めきれず、ここまできたので
 メンバーに入れてほっとしていますし、
 良いパフォーマンスができるように
 レベルアップしたいと思います。
 オリンピックに出場するだけではなくて、
 チームとしての目標であるメダルを獲得できるように
 チーム一丸となって頑張っていきたいと思います。」

前回引退を決意したときには
アイスホッケーを好きだという気持ちも
失いかけていたという久保選手。

そんな久保選手が復帰を決意するきっかけの一つとなったのが、
おととし7月ワールドカップで、
サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」が初優勝したこと。

なかでも、チームの絶対的エース澤穂希選手の活躍に
大きく励まされたそうです。
久保選手は、澤選手についてこんな風に話しています。

「大きな舞台で入れなきゃいけない選手が入れたということに、
 すごく感動しました。
 私もベテランで点数を求められているので、共感しましたし、
 自分もあんな大きな舞台に立ってみたいと思いました。」

ワールドカップでの澤選手の活躍は記憶に新しいですが、
久保選手も、ソチオリンピックの最終予選では
3試合で2得点、3アシストをマークしてMVPを受賞しています。

ソチオリンピックでは是非、澤選手にも勝る活躍で、
スマイルジャパンのメダル獲得を実現させてほしいですね!!

■中村亜裕美
  • 15:20

世界新記録をマーク!!−羽生結弦選手

先日、福岡で行われた、フィギュアスケート・グランプリファイナル。
実にレベルの高い滑りをみることができ、
ソチオリンピックでのメダル獲得が、
よりはっきりしてきた気がします。

フィギュアスケートは、このグランプリシリーズと、
全日本選手権などを経てオリンピック代表が決まります。
今回のグランプリファイナルで、初優勝したのが羽生結弦選手。
中性的な顔立ちで情熱的な演技をする、
次世代のプリンスとして注目されている19歳です。

羽生選手は、世界歴代2位の得点で優勝し、
ソチ代表にむけて大きく前進しました!
ショートプログラムでは、4回転ジャンプをすべて成功させ、
スピード、高さ、キレもあるほぼ完璧な滑りをみせ、
出たスコアは世界新記録!!!
本人は「驚きしか出てこない」と話し、
オーサー・コーチも「WOW!」を連発するほどのハイスコアでした!

そして、迎えたフリーでは、自己ベストのスコアで1位に!
「ロミオとジュリエット」の旋律で4分強の演技を見事にやりきりました。

今回のグランプリファイナルで、
羽生選手は、「自分に集中する!」というテーマのもと、
自分と向き合いました。
そして、意識し続けているという、
「世界王者」と呼ばれるカナダのパトリック・チャン選手を破って、
グランプリ・ファイナル初優勝を達成したのです。

その羽生選手は、グランプリファイナルでの得点について、
「期待点として受け取る」と厳しい自己評価をしていて、
決して優勝に満足した様子がないのが頼もしいところです。

ところで、
ファイナルを制し、オリンピック代表をぐっと引き寄せた羽生選手は、
12月7日が誕生日でした。
グランプリファイナルの期間中に、
羽生選手は、18歳最後の日を迎えたそうで、
いいかたちで、このトシをしめくくったと言えますね。
そして、19歳になった羽生選手にも注目です!

フィギュアスケートの
男女のソチオリンピック代表の最終選考会は、
12月21日に埼玉で開幕する全日本選手権です。
この大会に向け、主な代表候補は調整を続けます。
いったい誰がオリンピック選手となるのか、追い続けますっ!!


■鈴木晶久
  • 23:15

華麗なるフィギュア衣装の世界☆

今回は、「フィギュアスケート」の
華麗なる衣装の世界をピックアップします!

お話を伺ったのは、
ダンス用品の総合メーカーである、チャコット株式会社で
デザイナーを務めていらっしゃる佐桐 結鼓さんです。


佐桐さんは、男子フィギュアの織田信成選手の衣装を
今季を含めて4シーズン担当されているんです!
そこで、今回は織田選手のエピソードを交えながら
フィギュア衣装の世界について学んでいきましょう!!

まず気になるのは、
フィギュア選手のあの煌びやかな衣装は
いったい誰がデザインして、
どんな工程で作られているの??ということですよね。

佐桐さんによると、衣装のデザイン担当者は選手によって様々で
1)コーチや振付師がデザインする場合、
2)本人がデザインする場合、
3)デザイナーが担当する場合の、
大きく3つのパターンがあるそうです。

ちなみに織田選手は3番目のパターン。
毎年夏ごろに次のシーズンで使用する曲について
織田選手から連絡があり
そこからデザイン画と素材を、数パターン提案するそうです。

デザインが決まったあとも、
プログラムの振り付けが仕上がってくる段階で
振り付けの変更などに合わせて手直ししていきます。
選手から、実際に滑ったみての感想や要望をうけて
修正していくこともあります。



大抵は、大きな大会の前に
一度試してみるパターンが多いのですが
大きい大会で一度着て、その感触をみて、
シーズン途中にもう1着つくるというパターンもあるそうですよ。

こんな風に、最後の最後まで修正を重ねながら
ベストな衣装を目指していくんですが
さまざまな部分に選手のこだわりがあらわれるそう!

そのひとつが、個性の出し方。

フィギュアに大切なのは、トレンドよりも個性なんです!
フィギュア衣装は、
基本的に曲のプログラムのイメージを持って仕上げるので
大きな流行はありません。
それよりも「個性」をアピールする選手のほうが多いんです。

たとえば、女子選手のスカートの裾は
ジャンプなどの演技でひらひら舞うので、
なるべく軽い素材で仕上げるのが原則なんですが、
「これだけ裾についていても私は滑ることが出来るのよ」
というアピールの気持ちから、
スカートにも、フリンジやストーンをつける選手もいるそうです。

また時には「ライバル選手と衣装が似通っている」という理由で、
シーズン中に衣装を変更したりすることもあるそう。

そして選手たちは、
最高の演技を実現するために素材にもこだわります!

フィギュアの衣装は、
体をねじったり回転したりする選手の動きに対応するため
主に「2ウェイ」と呼ばれる、
縦にも横にも伸びる伸縮性のある素材を使います。

ただ時には、「2ウェイ」の素材にはない
風合いや色味を表現するために、
「1ウェイ」とよばれる
一方向だけに伸びる素材などを使うこともあるとのこと。

実は、今シーズンの織田選手の
ショートプログラムの衣装の素材選びをめぐって、
こんなエピソードがあったそうです。

今シーズンの織田選手のショートプログラムは、
映画「コットンクラブ」からの選曲。
そこで佐桐さんは、当初かっちりしたイメージの
「ワンウェイ」素材のパンツをつくったそうなんですが、
仮縫いが終わって完成したときに、
織田さんが「これでドーナツスピン、大丈夫かな。。」と一言。
そこで、急遽2ウェイ素材で作り直したそうなんです。

「美しさ」と「機能性」という、
相反する二つをどこまで融合させられるか、という所が
衣装制作のポイントになってくるんですね!!

そうして完成したのが、先日のNHK杯でも着ていたこちらの衣装。



佐桐さんは衣装制作にあたってのこだわりを、こんな風に話されています。

「織田選手からは、
 映画の『スーツを脱いで踊る』楽しい雰囲気を出したいので
 あまり堅苦しくなく、でも多少カチっとした部分も欲しいと
 リクエストいただいたので
 シンプルに織田選手のボディラインが見えるように
 タイトめに作らせて頂きました。」

さて、これだけ選手とデザイナーのこだわりが詰まった衣装ですが、
やっぱり『お値段』も気になりますよね。

佐桐さんによりますと、
メーカーでつくる衣装は10万円台から、
スワロフスキーがたくさん付いた、
煌びやかな衣装になると60〜70万円するそうです!

やっぱりお高いですけれど
繊細なフィギュア衣装に間近に触れると、
そのお値段にも納得してしまいます。





選手たちが身につけているのは
美しさと機能性のバランスをこだわりぬいた究極の衣装。

これからフィギュア観戦する際には、
是非衣装にも注目してくださいね!

■中村亜裕美
  • 17:26

「五輪公式ウエアのデザイナーになるには」

オリンピックといえば、競技の結果や、
日本人選手の活躍を見るのも楽しみですが、
開会式、閉会式などで各国選手団がどのような衣装を着ているのを見るのも
楽しみですよね?!
どんな人がデザインしているのだろう・・・って思ったことはありませんか?

そこで、今回は、「オリンピック公式ウエアのデザイナーになるには」をテーマにお送りします。

オリンピックに出場するのは難しくとも、
公式ウエアのデザインをすることはできるかもしれない・・・
そんな気持ちでデザインの仕事に入ったというのは、
デサント株式会社のデザインディレクターの山田満さん。
山田さんは、
どんな気持ちでこの「公式ウエア」のデザインをしているのかきいてみました!


「僕も学生時代スポーツはやっていたけれど、
オリンピックは目指せすほどの実力はありませんでした。
でも、オリンピックの素晴らしさというのはわかっていたつもりです。

どうにか、自分がこれに関りたいと思ったときに、
元々デサントに入社した動機も日の丸をつけたウエアを、
オリンピックの舞台に立つ洋服を自分で作りたいと思いました。
僕たちも立場は違えど、同じような思いで作っています。」


この山田さん、本当にスポーツがお好きで、
オリンピック選手として出場するのは無理だけど、
どうにかして自分もオリンピックに関りたいと思ったとき、
たまたま読んでいた雑誌「ナンバー」に、
各国選手の公式ユニフォームの写真が載っていたそう。
そうだ!公式ウエアをデザインする仕事もあるんだ!
とひらめいて、就職活動にのぞんだそうです。

そして、入社以来、2004年のアテネから、トリノ、北京、バンクーバー、ロンドンと、
ずっとデサントで公式ウエアのデザインに関っているとのことなんです。
ちなみに、デザイナーとして一番嬉しい瞬間って、どんなときなのかも聞いてみました。

「一番は、このウエアを着てモチベーションが上がったよといってもらえるときが一番嬉しいですね。」

とのこと!

やっぱり、ウエアでモチベーション上がっちゃう時ってありますもんね。
そして、選手のモチベーションを上げる為に、細かなところに工夫を凝らしているという山田さん。選手しか見えない場所にも工夫があるそうですよ。

「選手用の商品には襟元のところにSOCHI2014と入れています。
これは着用する選手にしか見えない場所なのですけど、
これを見たときにモチベーションアップしてくれればと・・・

僕らデザイナーができることは、
こういうデザインを通して選手のモチベーションを高めることなので、
こういうところに意図的に入れています。」



ちなみに、公式ウエアというのは、
開会式や閉会式、表彰台に乗るときに着ていたりするものなのですが、
例えば、今回のソチオリンピックの場合は、
日本代表公式ウエアは、ミズノ、デサント、アシックスの国内3社が分担して提供しています。
また、各競技の日本代表ウエアのこの3社の提供が多いのですが、
この3社、すべて、オフィシャルパートナーなんですね〜。

ちなみに、スタジオにお借りしてきたのは、デサントの提供した
ウォームコート、サロペットパンツ、トレーニングジャケット・パンツです。
このほかにも、ハーフパンツ、キャップ、グローブ、ソックスも提供しているということ。

ミズノの提供アイテムは、ジップネックシャツとバックパック、キャリーバッグの3アイテム。

そして、アシックスジャパンの提供アイテムは、2種類のTシャツとシューズだそうです。

そういえば、2010年のバンクーバー冬季五輪の公式ウエアもデサント、ミズノ、アシックスの3社なんですね〜。

公式ウエアのデザイナーになりたい!と思った方。
この3社に就職活動をする・・・というのが、近道かもしれません。

2010年バンクーバーの時の公式ウエア
ちなみに、ソチオリンピックで
スウェーデンチームが着用するウェアをデザインするのは、「H&M」。
閉会式用をはじめ、オリンピック選手村で着用されるトレーニング用やレジャー用のウェアも「H&M」が手がけるそうです。
ファッションブランドもスポーツウエアを強化しているんですね。

(日本でも一時期ユニクロが手がけましたよね、2002年のソルトレークシティー大会、2004年のアテネ大会2大会だけでその後は公式ウエアは担当していないようですが。)

各国選手団の公式ウエアを見るのも、オリンピックの楽しみのひとつですね。
  • 16:22

メダルラッシュはココから呼び込む!

2月7日の開会式の翌日に決勝を迎える競技といえば・・・
そう!スキーのフリースタイル・モーグル!
ソチでメダル第1号の期待がかかる種目であり、
これから始まる大会において日本選手団のメダルラッシュを
呼び込めるかは、この競技にかかっています!

モーグルといえば、ハードな競技という印象をお持ちの方も
多いと思いますが、
急でデコボコなこぶのある斜面を滑り降りながら、
ターン技術、エアの演技、そしてスピードを競う競技。
およそ30秒という短い時間の中で、
息つく間もなくアクロバティックな技が繰り広げられます。

この競技の女子チームを牽引してきた存在として
里谷多英さんや、上村愛子選手が有名ですが、
今、新エースとして楽しみな存在に成長してきているのが
伊藤みき選手!
(↓前列・向かって右から2番目)



昨シーズンのワールドカップで初優勝、
世界選手権でも準優勝し、今最も勢いに乗る選手です。
ソチオリンピックへの出場が決まれば、26歳にして、
トリノ、バンクーバーに続く3度目のオリンピック出場となります。

得意のターンに更に磨きをかけ、
スピードを殺さないターン技術を取得するために
上半身や体幹を鍛えるトレーニングを取り入れてきたそう。
またエアーに関しては、女子では使用する選手が少ない大技
「Dスピン」(軸を斜めにして回転する)を練習中。

とにかく負けず嫌いという伊藤選手。
小学校3年生の時に父親が持ってきた
全日本選手権のビデオを見て、
3位の選手より自分の滑りの方が上手い!と思っていたそう。
中学時代は陸上部に所属。
基礎体力が養われたことでグンと体力や筋力も上がって
滑りが変わったとか。
家の庭には両親がトレーニングマシンを用意してくれていて
帰ってきてからもトレーニングに励む日々だったそうです。

そんな伊藤選手の強みの1つが、
何本滑っても殆ど失敗をせず、同じ滑りが出来る!ということ。
今回のソチ大会から新たに導入される
「スーパーファイナル方式」!
今までの大会では予選と決勝、合わせて2本だった滑りが、
この新しい方式の場合、最大で5本、少なくても4本、
滑ることになります。
つまり、伊藤選手により合った形で、
大会に臨むことが出来るのです!

益々メダルの期待が高まりますが、
その伊藤選手にお話を伺いました。

「攻めの姿勢でいこうって思っているので、
不安というよりも自分がどう戦いぬけるのか、
というのが楽しみ。
全部成長したけど、体も技も成長するために
「心」が一番伴ってきた。
とにかく勝ちたい気持ちで4年間ずっとやっていく中で、
怪我が少なくない4年間でしたが、それに怯むことなく、
しなやかな心で今取り組めているので、
そういう点では一番良い形で「心技体」が
うまく組み合わさってくれていると感じている。
その成長した自分を両親に見せたいという気持ちが
すごく強いので、今までの五輪では言ったことなかったけど
母親には「お願いだから見に来てほしい」
というのは伝えました」

この4年間の1番の成長は「心!」
心技体が上手く組み合わさってきているというのは
頼もしいですね!
海外の強豪チームのコーチからも、今、日本の女子チームが
一番安定して強いのではないか、と言われているそう!

モーグルチームは、今月14日にフィンランドで行われる
今シーズンのワールドカップ開幕戦に向け、
すでに現地入りし、合宿を行っています。
どんな結果を届けてくれるのかこちらも楽しみですね!

■柴田幸子
  • 17:21

長野以来の金メダルなるか!−スピードスケート

「冬のオリンピックがあるときは
 やっぱりお越しになる方が増えますねぇ」

東京都内のあるスケートリンクのスタッフは、
そう教えてくれました。

14年2月、ソチでオリンピックが始まると、
スケート選手の滑りに刺激されて
「自分もちょっと滑りに行ってみようかなぁ」と思う人が
多くなりそうです。

そういえば、自分も、オリンピックシーズンに
スケートリンクで「ロケットスタート」ポーズをとってみたい、
ただそれだけの理由で、近くのスケート場へ
出かけました、アハハ。

さて、今回は、ソチオリンピックでのスケート競技のうち、
メダル獲得に期待が高まる種目の一つ、
スピードスケートをピックアップ!
ソチでは、500メートルから1万メートルまで、
それぞれの距離別でタイムを競うほか、
チームパシュート=団体追い抜き戦が行われます。

このうち、男子500メートルでは、
長野オリンピックの清水宏保選手以来の
金メダル獲得がなるかが注目されています。
その金メダルに近い選手の一人が、加藤条治選手!

加藤選手は、今シーズンを迎えるまでの間、
トレーニングを重ね、
体重を68キロから63キロに減らすことに成功。
そして、先月のアメリカでのワールドカップ第2戦では
この種目で今シーズン初優勝!
今シーズン通算14勝目を挙げて、
ソチへの切符獲得をオリンピック出場を確実にしました!!
また、カザフスタンでのワールドカップ第3戦では、
最高4位の成績。
この大会から加藤選手は、
スケート靴の刀の位置などを大きくずらしたそうです。
ソチに向けて、実戦を通して調整しているんですね。

W杯では、あるトラブルにあってしまった加藤選手。
大会のためカザフスタン入りしたものの、
予定通りに荷物が届かなかったそうなんです。
しかも、なんとW杯第1戦から第3戦まで3戦続けて届かず!
本人は「もう慣れた」とコメントしていてます…
こうした中でも、しっかりゲームに臨み、
好成績を出しているのはさすがです。

その加藤選手が、滑りで最も大事にしているのは
「第1コーナー」とのこと。
本人は、
「第1コーナーでスピードが出ていれば、
 バックストレートも最高速が出るし、
 ミスをしてもある程度のタイムで帰ってこられる」
と語っています。
500メートルの序盤に、勝負のポイントがあるわけですね。
加藤選手の滑りを見るときは、「第1コーナー」に注目です!!

スピードスケート男子では、
加藤選手のほか、長島圭一郎選手が、
これまでの成績で、
オリンピック代表の座を確実にしています。
こうした中、ソチに向けた代表最終選考会は
12月27日より長野で開催。
出場争いから最後まで目が離せません!

■鈴木晶久
  • 23:55