取材日記

TOKYO FMが誇る報道スポーツチームが総力を挙げて取材します。
ラジオならではのハートフルなスポーツ報道をお送りします。

錦織圭選手のラケットに注目!

今回は現在、全仏オープンを戦っていて、
リオ五輪での活躍も期待される錦織圭選手のラケットに注目します!
錦織選手、幼いころからずっと愛用してきた
ラケットのブランドがあります。
それは、テニスブランドの「ウイルソン」。
これまで錦織選手のラケットの開発を担当してきたのが、
ウイルソンブランドを展開する「アメアスポーツジャパン」の
ラケットスポーツプロダクトチーム・マネージャー、道場滋さんです。



道場さんが、錦織選手と出会ったのは、錦織選手が小学5年生の頃。
ウイルソン契約コーチから「才能のある子がいる!」と紹介を受け、
錦織選手の試合を見に行ったのがきっかけでした。
しかし、その試合で錦織選手、負けてしまいます。
負けた後で錦織選手は大泣きしていたそうなのですが、
お母さんから道場さんの紹介を受けた際に、
ぴたっと泣き止んだそうです。
そして道場さんと挨拶をして別れた後、再び泣き出した錦織選手に、
「なんて切り替えが早く、自分の芯が強い子だろう」と
道場さんは感動したそう。
この出会いがきっかけになり、
ウイルソンと錦織選手は用具提供契約を結びます。
当時、小学生とこの契約を結ぶのは、異例中の異例でした!

その出会いから現在に至るまで一貫して、
錦織選手のラケットを見守ってきた道場さん。
はじめは、ウイルソンの商品を提供する形でしたが、
プロに転向した後からは、彼の要望をラケット制作に落とし込んで、
オリジナルモデルをつくるようになりました。

錦織選手のラケットへのこだわりを
道場さんはこんな風に話しています。

『ラケットに対しては、
センシティブというか、細かいところによく気が付く。
そうでなければ、あのランキングにはいないと思います。
だからこそモノ作りの僕らも、
一本づつ、一ミリ・一グラムの差がないように気を配る。
大変である反面、大きな遣り甲斐です。
そして錦織選手は、
何か新しいことは取り入れる考えを持ってるように感じます。
あそこまでの選手だと「自分はこうだ」と決めて、
新しいテクノロジーが出ても
トライすることさえしない人の方が多いと思うんですけど、
彼は、とにかく一回やってみる。
良ければそれを吸収してしまう、という事があるので、
多分あのポジションにいるんだろうなという気がしますね。』

ちなみにリオで使うラケットは、
昨年1月から使用しているモデルで、
ボールのスピードアップをコンセプトに開発されたもの。
ストリングス(網目)の部分の素材を調整するなどして、
錦織選手も、徐々に馴染んできたと話しているそう!



そんな錦織選手、昨年にはウィルソンと生涯契約を結びました!
生涯契約は、錦織選手が引退まで
ウィルソンのラケットと添い遂げるという意思表示なので
いわば結婚!のようなもの。

道場さんも、錦織選手から生涯契約の話を聞いた時には
「涙ものでした!」と話していました。

リオ五輪での活躍も大いに期待される錦織選手、
試合中は是非ラケットにも注目してみてくださいね。

■中村
  • 17:00