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トウキョウハナコマチ

アスファルトを剥がし時代を遡る
東京の過去を旅するタイムリープ・コーナー。

※こちらに掲載されている記事の内容については諸説あります。

江戸の人気ブランドにはゴーストライターがいた?!


2017.5.18 (thu)

様々な名のある絵や芸術品を見て「なるほど、さすが本物はすごい!」と思った経験、誰にでもありますよね。大昔の作品で、これはあの有名な誰々が描いた……と言われると「確かにすごい!」となってしまうもの。でも、本当にその作品、本人が描いたものなのでしょうか。

江戸時代には実はたくさんの「ゴーストライター」のような存在がいたのではと言われています。例えば、蒔絵師(まきえし)であった原 羊遊斎(はら ようゆうさい)。彼の蒔絵は酒井 抱一(さかい ほういつ)という絵師の下絵をもとに作るのですがこの2人のコラボレーションが大ヒット。羊遊斎と抱一の名前が書かれたものが人気ブランドとして大流行するのです。

ビジネスに大成功した二人ですが、実はとんでもないやりとりを後世にまで残してしまっています。羊遊斎の「下絵がなかなか送られてこない」という催促に対し、抱一が「今まで描いたものの中から適当に選んでください。」と返信。「あなたと私の名前が書いてあれば問題ない」とまで書かれた手紙が最近になって発見されたのです。

しかも抱一は弟子に送った「この間代筆を頼んだ絵、まだなの?」という手紙まで出てくる始末。完全に代筆者、ゴーストライターの存在を明かしてしまっています。あまりの人気に制作が間に合わなかったためでしょうか。最終的に入れる羊遊斎と抱一のサインさえ本物であれば、誰も気づかないと考えてしまったようです。そして本当に誰にも気ずかれずに、現代まで来たのかもしれませんね。

おそらくはこの二人だけではなく、多くの作家が弟子に作らせ、最後にサインだけを本人が入れるというパターンはあったはず。もしかしたら私たちが見た歴史的な作品は、名もなき誰かが作ったものなのかもしれません。