今月ご乗船いただいているのは、世界的に活躍する、能楽囃子大鼓奏者の大倉正之助さんです。

大鼓という伝統打楽器を通じて、国内外のアーティストとも次々にコラボレートを実現。
ローマ法王に招かれ、バチカン宮殿でも演奏の経験があります。

海外での演奏経験も豊富な大倉さんですが、本日はクルーズの旅のお話を中心におうかがいしました。

ー 生きる知恵は、旅から授かるものと言えると思います ー


干場「本日はクルーズの旅についてお話をうかがっていきたいと思うのですが、大倉さんは船旅もけっこうされるのですか?」

大倉「舞台というのは、現地に行って舞台が終わったらとんぼ帰りという事が多いので、中々ゆっくり見物する機会がないんです。以前、ノルウェーとフィンランド、スウェーデンを公演で回ったとき、部分部分を大きな豪華客船に乗って移動した事がありました。ものすごく高くて、海を眼下に見下ろしながら移動をしていくんです」

干場「マンションが動いてるような感じですよね」

大倉「両側がフィヨルドになっていて、波もなく静かな、何とも不思議な感覚を味わいました。それがすごく印象に残っています」

干場「現地では、どのように楽しまれたんですか?」

大倉「ビルの様な船の中では、それこそ異次元な世界でした。時間が止まってしまったような感覚で、すべてから解き放たれて一人きりになる、「個」というものを感じました」

干場「船旅は自分を見つめ直す時間にもなりますよね」

大倉「周りの美しい景色と、波と光と太陽、宇宙みたいなものをそこから感じました。宇宙というものの大きさと、自分というものが繋がっている様な懐かしい雰囲気なんですね。その印象があって、食事したのも何も忘れてるんです」

干場「大倉さんはすごいスマートですけど、普段は何を召し上がっているんですか?」

大倉「実は私は精進で、肉、魚を一切とっていないんです。肉を食べるということは、それだけ穀物や野菜を牛や豚に当てないといけないわけでしょ?それだけの労力をかけるんだったら、我々が肉食にとらわれなければ、貧困や飢えの人達に分配出来るシステムがあるんじゃないかと、そんな気がしているんです。そういう思いが一人でも増えてくれれば、みんな
毎日お肉を食べなくてもいいんですよ」

干場「昨日、焼肉を食べてしまったばかりです(笑)」

大倉「いいんですよ、私もかつては食べてましたから(笑)。そういうのを週に一回にするとかね、少しずつ皆でシェアしていくという発想になっていかないと。「肉がないとパワーが出ない」とか、そういう事になりすぎてるんじゃないかと思うんですよ」

干場「最後に「旅」とは、大倉さんの人生において、どんなインスピレーションを与えてくれるものでしょうか?」

大倉「生きる知恵でしょうね。生きる知恵は、旅から授かるものと言えると思います。旅によって出会う人達、出会う文化、そういうものによって自分が成長していく。一つのイニシエーションの様なものですね。人生、最後まで旅だと思います」

「3世代など幅広い年齢層でクルーズに行く場合、どのような点に気をつければいいですか?」

保木「3世代ということは、おじいちゃんたちとお父さんお母さん、お子さんという感じですよね。
こういう場合は、ラグジュアリー船、年齢層の高い船をお選びになるよりも、
少しカジュアルな感じがお子さん達も楽しめると思います。

お食事の時に、お子さんに長くじっとしていなさいというのは大変じゃないですか。
そういう事を考えると大人は大人で食事が出来て、お子さんの年齢によりますけど
子供の為のベビーシッターのサービスがついていたりします。

お子さんたちが遊べる部屋が別であったりとか、お子様用のプログラムは色々あって、
レストランのキッチンで作る、キッズのお料理のプログラムがあったりするんですよ。

他にも絵を描くプログラムがあったり、子供のテニス教室があったり、
大きな船になると波乗りプールや、ウォータースライダーなんかもあって、
とにかく色々なアクティビティが用意されています。
家族水入らずで、クルーズが出来るのはものすごい楽しい、思い出に残りますよね」

今月ご乗船いただいているのは、世界的に活躍する、能楽囃子大鼓奏者の大倉正之助さんです。

大鼓という伝統打楽器を通じて、国内外のアーティストとも次々にコラボレートを実現。
ローマ法王に招かれ、バチカン宮殿でも演奏の経験があります。

海外での演奏経験も豊富な大倉さんですが、本日はロシアを旅された時のお話をおうかがいしました。

ー それを大事に、ずっと守り続けていたんです ー


干場「今日は、大倉さんがロシアを旅された時のお話をうかがっていきたいと思います」

大倉「私が最初にロシアに行ったのは、1989年くらいだったと思います。ちょうどゴルバチョフが、大統領か最高議長に就任した頃で、世界中からメディアが来ていました。その時にチャイコフスキー音楽院のお招きで、コンサートホールや、いくつかの場所で演奏をしたんです。当時、我々が泊まる事になっていた、ホテル・モスクワという大きなホテルがあるんですよ。そこを予約していたのに、キャンセルをされていたんです」

干場「え!着いて、泊まる場所が無くなってしまったんですか」

大倉「当時のロシアではとんでもないことが起こるんだなという感じでした(笑)。コーディネーターが必死で部屋を探し回ってくれたんですけど、そこに泊まっていたモンゴルから来ていたグループが早くに帰る事になったんです。我々もモンゴロイドだから(笑)、彼らの部屋にそのまま入って滞在する事が出来たんです。そんな事もありながら、チャイコフスキー音楽院で能公演をしたりしました」

干場「その時はどんな演奏をされたんですか?」

大倉「伝統的な、能の囃子の音楽を演奏しました」

干場「普段、演奏される長さはどのくらいなんですか?」

大倉「舞も入って、完全な能という演目でしたら短いもので30分前後ですね。長いもので2時間を超えます。舞台上に出続けて、最大3時間以上いる時もありますよ」

干場「それはすごい!体力とかは半端じゃないですね」

大倉「一日朝から晩まで舞台に出て、食べる間が無くて、ウェイトが最大で5〜6キロ落ちた事があります」

干場「その旅の中で、忘れられない光景とかあるんですか?」

大倉「チャイコフスキー音楽院は建物をそのまま残しているんです。年代的には200年以内くらいの建物でしょうけど、それを大事に、ずっと守り続けていたんです。当時の日本は、消費経済みたいところがありましたからね。そういうものとは違う、堅実に地道にコツコツとやっているというのが印象に残っていますね」

干場「その当時の日本とは対照的ですね」

大倉「今はだいぶ変わって来ているんでしょうけどね。私が世界にいて感じるのは、何に対しても日本は突き詰めるじゃないですか。探究心というか、ブラッシュアップしていく能力は世界一だと思います。例えばコンビニエンスストア一つとっても、あれはアメリカから入って来たものだけど、完全にアメリカを凌駕して、日本ナイズにして、よりすごいものにしています。両方の良さがあると思っていて、ヨーロッパはそういうものを受け付けない、イタリアなんかは入る余地がないという感じですよね。守っている感じがするんですよ。その中で、便利さとか、痒いところに手が届く日本の対応というのは世界を驚愕させる、特筆すべきことだと思いますね」



「クルーズ旅行において、最低限持ちましょうセットは何ですか?」

・「最低限持ちましょうセット」


保木「ホテルと一緒なので、アメニティにシャンプー、コンディショナー、ボディソープは置いてあります。
しかし、日本のホテルの様に、歯ブラシ、歯磨き粉などは置いていないんです。
あと、普段常用されているお薬は持っていかれた方がいいですね。

私は、クルクルドライヤーを必ず2個持って行くんです。
他の物は旅先で調達する事は可能ですが、あれだけは調達出来ないですからね。
もし、クルクルドライヤーをお使いの女性の方がいらっしゃったら、2個持っていかれた方がいいですね。
船旅で、せっかくお洒落をして出かけようと思っても、髪の毛って女性はすごく気になりますから」

・男性が旅先で必要なものは?

干場「僕はパソコンや仕事のものもあるので、電圧機は持っていきます。
あとは日差しが強いのでサングラス、キャップです。
寄港地観光では歩く事が多いので、スニーカーも持っていきますね。

あとはネイビーのジャケットです。
男性の場合、船によってはジャケットを着用しないといけないんです。
ジーンズは良い時もあるけど、グレーのパンツとか白いパンツがあると良いですね」

今月ご乗船いただいているのは、世界的に活躍する、能楽囃子大鼓奏者の大倉正之助さんです。

大鼓という伝統打楽器を通じて、国内外のアーティストとも次々にコラボレートを実現。
ローマ法王に招かれ、バチカン宮殿でも演奏の経験があります。

海外での演奏経験も豊富な大倉さんですが、実はオートバイにも深い思い入れをお持ちです。
「能とオートバイは、人生の両輪」とおっしゃる大倉さんに、『バイクと旅』のお話を中心におうかがいしました。


ー 船やバイクというのは、非日常をより強く浮かび上がらせてくれる ー


干場「大倉さんは、大鼓を持ってオートバイで旅をする機会も多いと伺っていますが"大鼓とオートバイ"って、あまり結びつかないですね」

大倉「オートバイは、自分にとって趣味ではなく生きる上での大切な道具として捉えている、もしくは馬であるとかね。江戸時代にかけては、武士の共通言語として、能や鼓をたしなみました。地方の人と話し合う時は、方言が強くお互いに理解が出来ないこともあったでしょう。今みたいに、標準語が無いわけですからね。「謡詞(コトバ)」で話せば、お互い通じるんです」

干場「そういう事なんですね」

大倉「だから、各大名は謡の心得があり、それがコミュニケーションツールでもあったようです。能は戦国時代の武士達のたしなみだったんです。当時の生きるか死ぬかという日々の中で、鼓を打ったり、舞台を催したり、そういう事に集中することによって、不動心を養ったり、文武両道をある意味で極めていった、当時の武士達の生き様が見えて来ると思います。現代においては、我々はこの現代生活で、そういうリアリティを味わう事も中々ないですね」

干場「そういったものを培うのは、中々難しいですよね」

大倉「私にとっては、バイクに乗る事が当時の戦国時代の武将達の胸中というか、そういうものを彷彿させてくれる様な気がします」

干場「当時の馬みたいなものなんですね。バイクに乗り始めたのはいくつくらいですか?」

大倉「バイクで旅を始めたのが18歳くらいからで、自分にとって馬の様な感覚ですね。船やバイクというのは、非日常をより強く浮かび上がらせてくれる。そういう、旅をする道具の一つとしては、バイクは欠かせないものだなというところはあります」

干場「大倉さんの言葉の中に、「芸能の原点は命がけの旅にある」と仰られていますね」

大倉「みんな命懸けで、切磋琢磨して、それぞれの分野で仕事をされていると思うんですよ。鼓というものに向き合っている時、自分はこれで命絶えるんじゃないかという様な状況まで追い込まれたりします。それを乗り越えて、人はスケールアップしていくと思います。自分は何度も声が出なくなったりとか、鼓を打つとき奥歯を噛み締めますから、奥歯を砕いてしまったりとか、そういう事がありました。私は素手で打っているのですが、今は素手で打つ人はいなくなってしまったんですよ」

干場「素手以外だと、何で打つんですか?」

大倉「硬い和紙で作った指サックを手に着けて打つんですよ。私は古式を守って素手打ちにこだわっているんです」

干場「素手だと音が出にくいという事なんですか?」

大倉「音の概念が「調べ」になるんですよ。指サックを着けることで、こだわりの音、職人技としての音を出すという意味では、これはこれで、僕はすごい技だと思っています。決めた音がいつでも出る、プロフェッショナルとしてはすごい事だと思います。私の場合は、季節や空気によって変化していく調べを楽しんでもらいたい。そういう表現もあるだろうと思うんです」

「生き物と出会える、オススメのクルーズはありますか?」

保木「船は世界中の海を巡りますけど、夏の間にオススメなのはアラスカです。
クジラを見る、野生動物のウォッチングクルーズというのも出てたりするんですよ。
陸の旅から、気軽にそういうクルーズに出かけるのもいいですね。

デッキの上を歩いていると、エンジンの音に誘われてイルカが船の横を泳いでたりするんですよ。
私もすごいイルカの群れにあったことがあります。
そういう時は、船のキャプテンが教えてくれたりします。

アラスカだと、クジラの他には熊に出会った事もあるんです。
シャケを獲りに、熊がノッソノッソと出て来てシャケを獲ってましたね(笑)。

アザラシやラッコも見れたりするので、季節と動物、寄港地をお選びになると面白い体験が出来ると思います」

今月ご乗船いただいているのは、世界的に活躍する、能楽囃子大鼓奏者の大倉正之助さんです。

大鼓という伝統打楽器を通じて、国内外のアーティストとも次々にコラボレートを実現。
ローマ法王に招かれ、バチカン宮殿でも演奏の経験があります。

海外での演奏経験も豊富な大倉さんですが、本日は、パチカンでのミレニアムクリスマスコンサートのお話を中心におうかがいしました。


ー 理屈じゃない事、言語を超えたものを感じてもらえました ー


干場「今日はですね、バチカンで演奏をされた時のお話をうかがっていきたいと思います」

大倉「2000年にクリスマスのナザレコンサートというものがあって、(それは)バチカンの(サンピエトロ)広場でクリスマスツリーの点灯式の時なんです」

干場「僕もあの広場に行った事はありますが、すごい広さだし、荘厳ですよね」

大倉「ミレニアムという事で、色んな国が招聘をされて、アーティストも呼ばれたんです。私は日本から選ばれたわけですね(笑)。みんな演奏をするのは、クリスマスソングなんだけど、私はクリスマスソングというわけにもいかないですから。日本の伝統の中にある「五穀豊穣」とか、「天下泰平」。平和、人々の幸せを祈願する曲として「三番叟(さんばそう)」というのがあるんですよ。これは天地人だったり、自然界との調和、そういったものを端的に表してるんじゃないかと思うんです」

干場「そういった事を表している曲があるんですね」

大倉「「能の(三番三の中に)「翁」という曲があって、「翁」は能の中でも、、650年とか700年の歴史がある中で、それ以上先の太古から伝わって来た、芸能のルーツとなるような曲なんです。それはシャーマニックなもので、神懸かりの芸能と言われてるんです」

干場「それを、イタリアのバチカンで演奏されたんですね」

大倉「観客が7000人以上いる中で、無音になる。会場には全世界から来てるわけですよ。それが水を打った様に静かになりました」

干場「ちょっとゾクっとしますね」

大倉「演奏が終わって、しばらく留まっていたんです。外した途端に、割れんばかりの拍手になってね。楽屋に入って行くと、ブライアンアダムスとかが飛んで来て、みんなハグですよ(笑)」

干場「それは、すごいですね(笑)」

大倉「向こうの人達は何かを感じてくれたみたいで、反響がすごかったですね。理屈じゃない事、言語を超えたものを感じてもらえました。そういう根源的なものを舞台でやっているエッセンスとして、私の声と鼓だけで表現したわけですから、非常に原始的ですよね」

干場「そこで、声も使われたんですね」

大倉「掛け声と、打つ鼓の"調べ"。それだけでそういうものを感じて、私の人生の中でも印象深い舞台でした」

「クルーズ中に郵便を出す事は出来ますか?」
保木「今はほとんどEメールの時代になっちゃってるじゃないですか。
絵はがきとかは思い出に残るので、私は昔、自分に自分で絵はがきを送っていました。

船は動いているので郵便屋さんは来てくれないんですけど、港から郵便は出してくれるんですよ。
リージェント・セブンシーズという船は、船の絵はがきに手紙を書いて投函すると、送ってくれるんですよ。

オールインクルーシブなので、はがき代もとらないんですよね。
自分で寄港地で買った絵はがきは別ですけど、船のはがきに関しては世界中どこから出しても、切手代をとらないんです」

「旅先から送る手紙はロマンティック」

保木「旅先から送る絵はがき、手紙はちょっとロマンティックですね。
私も、寄港地から家族や友達に絵はがきを送るのは好きですね。届いた方も嬉しいと思いますしね。

けっこう時間がかかって、帰ってから届く、なんていうこともあるんですよ(笑)。
日本の郵便事情と海外の郵便事情は違うので、届かないということも頭に入れておいていただくといいですね。
海外から手紙を出す時は、国によって違うから、切手が楽しいんですよ」

今月ご乗船いただくのは、世界的に活躍する、能楽囃子大鼓奏者の大倉正之助さんです。

大鼓という伝統打楽器を通じて、国内外のアーティストとも次々にコラボレートを実現。
ローマ法王に招かれ、バチカン宮殿でも演奏の経験があります。

伝承文化である、能の奏者にして国際人である大倉さんに、色々な旅のお話をおうかがいしていきます。

ー 「調べ」というのは、その時にあるものを受け入れる事なんです ー


干場「室町時代から、能楽囃子を伝承してきた家にお生まれだそうですが、室町時代はどれくらい前になるのでしょうか?」

大倉「600年ほど前ですかね。うちの家は室町時代からと言われていますが、それ以前からの流れがあるという事は言われていますね」

干場「鼓というのは何種類くらいあるんですか?」

大倉「鼓には大小ありまして、「大鼓」「小鼓」という言い方で分けたり、もしくは小鼓を皆さん「鼓」と思ってらっしゃる方が多いので、呼び分けとして、大きい方を「大革」という言い方もしています。楽器の括り分けと考えたら、鼓は大きい鼓と小さい鼓、アプローチが違うんですね」

干場「材質はどんな材質になるんですか?」

大倉「胴が桜の樹をくり抜いていて、両面に馬の革をはっています」

干場「梅雨の時期などは、手入れも大変じゃないですか?」

大倉「楽屋では炭火を用意して、焙じるという言い方をするのですが、かなり乾燥をさせるんです。私の主張としては、音ではなく「調べ」なんです。「調べ」という概念は調和だから、空気と季節、旬の調べがあるわけです。「妙なる調べ」と言われるでしょ?これはヨーロッパにおいても、同じなんですね。向こうの古楽器には「調べ」の概念的なものがあったと思うんですよね。それが、近代化の中で、規格というものが出て来た。それは誰が選ぶのかというと、人間が選ぶわけです。それ以前は、自然から環境を与えられ、その中に人間が加わって戯れた。自然界からの賜り物とか調和というのは、一線を超えないという不文律があったんですよ。ところが、現代は人間が主になってますから、そんな人間が音も選んじゃうわけです。だから「調べ」という概念から、ある意味では外れてきてしまっているんですね」

干場「鼓の考え方だったり、そういった概念のお話を聞いて、びっくりしましたね」

大倉「現代文明が抱えている様々なエネルギー問題や環境問題、衣食にあたるすべて、様々な文明における諸問題の根底は、通底しているんです。人間の探究心とか向上心、それは良い部分でもあるんだけど、反作用する要素としてありますよね。様々なものを決めていく基準を、人間は自分に置いてるわけでしょ?音も、この音じゃないと納得しない。そうすると、梅雨時の湿度の高い時に、革をカリカリに乾燥させて、カチカチに締め上げて力任せに打つ。それは高い音が出るわけです。だけど、革にものすごい負担がかかるんですよね。そうすると、革の寿命を縮める事になっちゃうんです」

干場「なるほど、確かに負担が大きくなりますよね」

大倉「そこを人間が謙虚になって一歩引く。「調べ」という、素晴らしい言葉が残されてるわけですからね。「調べ」というのは、その時にあるものを受け入れる事なんです」



「世界で一番クルーズ人口が多い国はどこですか?また、日本は何番目でしょうか?」

保木「最近、クルーズは日本でも取り上げられてる事が多いのですが、日本のクルーズ人口は中々伸びていなくて、2011年くらいの資料によると、一番クルーズを楽しんでいるのはアメリカなんですよ。

何故アメリカなのかというと、アメリカはドルで、当時のヨーロッパは通貨が全部違ったじゃないですか。アメリカ人がドルで世界をまわる為にはどうしたらいいのか?という事から発生したのが船旅なんですね。アメリカならではの、合理的な考え方ですね」

「クルーズを楽しむ国は?」

「2番目がカナダ、3番目には意外にもプエルトリコ、日本は15番目なんですよ。どうして伸びないかというのは、日本は島国じゃないですか。海外は遠いイメージがあるし、日本船は料金が高いですよね。船旅というと、それなりの年齢になってから行くというイメージもありますね。

日本の方って勤勉で、お休みがとれないというのも、クルーズ人口が増えない一つの理由ですね。やっぱり海外って、マリンスポーツやビーチリゾートが一般的で、海が明るいイメージですよね。それに比べて日本の周りは海流がとてもきつくて、そういうイメージに結びつかないですよね。

どうしてもクルーズ人口は増えなかったけど、これからは増えて来ますね。去年はクルーズ元年と言われて、ついに私は来た様な気がします。日本船、外国船、色々チョイスが出来ますので、皆様に楽しんでいただきたいと思いますね」