今月ご乗船いただいているのは、カー・デザイナーの和田 智さんです。

日産自動車やアウディで、数多くの美しいクルマのデザインを手がけ、
独立された現在は、幅広い分野でプロダクト・デザインも手がけていらっしゃいます。

世界的なカー・デザイナー 和田 智さんに旅のお話をうかがっていきます。


ー 旅は時空を超えているんですよ ー



干場「これまではヨーロッパのお話をうかがってきましたが、今日はアメリカのロサンゼルスのお話をうかがっていきたいと思います。和田さんは、ロスにもいらしゃったんですか?」

和田「そうですね、アウディの最後の時代ですね。1年くらいいました。ミュンヘンの生活も含めて、ヨーロッパの生活もかなり嗜んだので気分転換にLAにでも行きたいなと上司にお願いをしたんです。私はサーファーなもんですから、天国でしたね(笑)」

干場「ヨーロッパでの仕事の仕方と、ロスでの仕事の仕方は変わるんですか?」

和田「やっぱり、環境がヨーロッパであれば、緊張感とある統制された組織の中で仕事をやってるという感覚は一緒なんです。それに対して、サテライトスタジオとしての役割がLAにあるので、もっと自由で、会社には何時に行ってもいいんです。でも、課題は出されるわけですよ。アウトプットを重視される。一人に与えられる机、空間がだだっ広いんですよね」

干場「仕事の環境も最高にいいんですね」

和田「いいんだか悪いんだかですね。それだけある程度自由になると、逆に自分自身をコントロールしないとイマジネーションが湧かなくなってきちゃうこともあるんですよ。LAで仕事してて、友達に言われたのが『LAで3年以上いると終わるよ』と言われたんですよ。
何とも言えない開放感とけだるさの中から、自分自身が逃れられなくなってきて、ちょっと怠惰になってくるんですよね。そうなっちゃうと、どこへも戻れなくなっちゃうんですよ」

干場「ある意味、自分自身がストイックじゃないと駄目ということですね」

和田「それでも、環境的には素晴らしいものがあると思います。マリブの話で、ハリウッド関係のお仕事をされているエグゼクティブの方がいっぱいいて、ほとんどの決定事項はマリブで波乗りをして、朝の6時にしているんですよ」

干場「最高ですね(笑)」

和田「この話を聞いた時に、これはありだなと思ったの。仕事はどういう風にスピリットや心の持ちようを、コミュニケーション出来るかは、会社の中の会議室では絶対に出ないんですよ。一つ分かち合った、一つのコミュニケーションの中で起こる事であって…、例えばマリブで、海の上で朝6時に決定事項が起こっているというのは、クリエイティビティも高いと思う。いい仕事ができるんですよ」

干場「なるほど。では、和田さんにとって『旅』とは、人生においてどんなインスピレーションを与えてくれるものでしょうか?」

和田「家内も含めて僕らにとっては、人生そのものなんですよ。今も東京にいますけど旅なんです。振り返ってみると、旅ってほとんどが苦しさだけなんですよね。案外、良い思いをあまりしなくて、同じようにサーフィンするにしても、色々厳しくて。寒かったり、巻かれて苦しんだり、色々あるんですよ。
どっちかっていうと、遊びに行っても仕事で行っても、一人で旅をしても、ほぼ同じ事は旅の最中は苦しみもがいてる感覚があって、楽しいことなんて一切ない。だけど旅に行ってしまう。それは自分の本能として何かを得たい気持ち、好奇心が大きいんだと思います。でも、旅の素晴らしさは、ある程度年をとって振り返ったときの心の中で養われて出てきた、美化した美しさですね。
旅は時空を超えているんですよ。そのあるシーンを見た時の美しさは、その時見たものよりも、また時間が経って感じて思い出した美しさの方が全然大きいんです」

「大学生のグループが参加してもおかしくないクルーズはあるのでしょうか?」

保木「皆さん、大学生が終わる時に卒業旅行に行くじゃないですか。
お仕事始めると、なかなか旅行に行けないですよね。

当てはまるかは別として、私のおすすめとしてアメリカには「University at Sea®」とか「Semester at Sea」という、大学生を対象にしたクルーズ船があるんですよ。
だいたい10日間のクルーズから、世界一周100日まで、色々なスケジュールがあるんです。

教授やプロフェッサーが乗って、一学期分を船の上で受けます。
その単位を持って、自分の大学に戻る事が出来るプログラムがあるんですよ。

それが、日本の大学生がうまく当てはまる事は無いかもしれないけど、プログラムを利用して世界中の学生達と交流しながら、土地毎の文化、習慣に触れながら旅をするって、その経験は一生ものですよね。知らない世界を見るって、すごいいいと思うんですよね」

今月ご乗船いただいているのは、カー・デザイナーの和田 智さんです。

日産自動車やアウディで、数多くの美しいクルマのデザインを手がけ、
独立された現在は、幅広い分野でプロダクト・デザインも手がけていらっしゃいます。

世界的なカー・デザイナー 和田 智さんに旅のお話をうかがっていきます。


ー その厳しさの中に得られるものがすごく多いから、これはお金にかえられない ー



干場「和田さんは、ヨーロッパに長く暮らしていたと思うのですが、今日はバカンスについて伺っていきたいと思います。日本人って、バカンスの楽しみ方って難しいと思うんですけど、どんな風に過ごされていたんですか?

和田「私はアウディに行って、わりと時間的にも仕事をしてましたから。バカンスのアイデアを練るのは、実は家内の役割なんですよ。当時はナビが無かったので、彼女が地図を持って、”本当に行けるのか?”みたいな山奥だったり、秘境の地に行くんですけど。
そういったナビも彼女の役割で、バカンスは家内が担当してやっていただいたなという感じですね(笑)。ヨーロッパにいたときは、暮らすと言っても、ドイツのメーカーに勤めているので、暮らし自体がドイツの暮らしそのものなんですよね」

干場「ドイツの暮らしとは、どういうものですか?」

和田「バカンスで4週間休むのは当たり前で、ホテルに行って、そこからは観光もしないんですよ。本もいっぱい読んで、美味しい料理をいただき、プールがあったり。出ても散歩に行く程度で、一日をのんびり過ごします。ヨーロッパの夏は23時くらいまで日が暮れませんから、ゆっくり散歩したりします」

干場「日本人って、どうしても、どこかに行くと急いじゃうじゃないですか」

和田「これから、特に日本の若者に世界に出てもらいたいと思うんですよ。別に日本の企業に勤める必要はなくて。世界の人達が日本の文化や感性を求めているから、どんどん出るべき。そうしたら、日本とは違う暮らしをする。旅行ではなくて、暮らさないと駄目なんですよ。
そうする事によって、暮らしの色んな見方、考え方、人の接し方、社会の接し方、社会の構成。自然に勉強しなければならないですから。そうすると、今度は日本との比較が出来るの。日本の良い所と悪い所がダイレクトに伝わってくるんです」

干場「そうする事で、さらに日本を良く出来るという事ですよね」

和田「その通りですよ。日本だけを見てても、成長出来ないですよ。世界に出て、どこでもいいんですよ。厳しい生活ですけど、その厳しさの中に得られるものがすごく多いから、これはお金にかえられない」

干場「プロヴァンスでのバカンスのお話をうかがいたいのですが、プロヴァンスはどのへんになるんですか?」

和田「僕らがいつも行っていたのはアヴィニョンにあるホテルで、少し内陸に入ったところですね」

干場「なぜ、そこに行かれたんですか?」

和田「家内が、色々調査していて、プロヴァンスに行くというのでぶ厚いホテルガイドを見ていたんですよ。そしたら、とてもいい感じのヴィラで、ちっちゃめで、プールの横にとっても可愛い犬がいたんです。彼女が『この犬に会いにいきたい』って(笑)」

干場「また、発想がすごいですね(笑)。それ、写っていても、いるかどうか分からないですよね?」

和田「でもね、いたんですよ(笑)。名前がジャスパーと言って、僕らは『ジャス』と呼んでいたんです。部屋の中にちょこちょこと入ってきて、昼寝をしていると横で寝たりしてるんですよ」

干場「名物犬ですね(笑)」

和田「彼女が素晴らしいと思ったのは、あの犬に目をつけて、実際に行ったら、これだけ僕らになついて。もう、ラブリーという言葉以外にはない状況ですね(笑)」


「クルーズのデッキから観る絶景や、クルーズでの食事は?」

保木「連休を利用して、イタリア地中海に行ってきたんですよ。
今回初めてポルトヴェーネレに行って、港が可愛かったですね。

小さな港町なんですけど、建物の壁の色がピンク、オレンジ、イエロー、薄いブルー、全部集まっているんですよ。
あれって、日本で行ったら東北の小さな港町の様な感じですね。

「チンクエ・テッレ 」って、イタリアの世界遺産なんですよね。

「チンクエ」はイタリア語で「5」という意味。
「テッレ」が、土地なんですよね。
「5つの土地」と書いて、「チンクエ・テッレ」

5つの小さい港があるんです。3つ回ったんですけど、海から観る景色は絶景だと思います。
陸の旅とはちょっと違う景色を船のデッキから眺められる、すごく良い街ですよ。

お食事についても、その土地の食事を楽しむというのは良いですね。
「チンクエ・テッレ 」であれば、魚介類のフリット、フライなどが新鮮です。旅ならではの楽しみですね」

今月ご乗船いただいているのは、カー・デザイナーの和田 智さんです。

日産自動車やアウディで、数多くの美しいクルマのデザインを手がけ、
独立された現在は、幅広い分野でプロダクト・デザインも手がけていらっしゃいます。

世界的なカー・デザイナー 和田 智さんに旅のお話をうかがっていきます。


ー ヨーロッパは海岸に行っても何か考えちゃう、哲学者になった気分になるんです ー



干場「今日はカナリア諸島のお話から伺っていきたいと思います。和田さんは、サーファーなんですか?」

和田「私が武蔵野美術大学から始めたので、18歳から53歳、25年以上ですね」

干場「ショートですか?ロングですか?」

和田「今、ファンボードといって、中間みたいな割と短い感じですね」

干場「それは持っていくんですか?」

和田「2本くらい持っていきますね。カナリア諸島はヨーロッパの人からしたら、日本人のハワイみたいなもので気軽に行く所なんですよ。ロンドンにいた頃も、初めてカナリア諸島に行ったんです。友人が、『こっちにもハワイがあるんだぞ』と言っていて、旅行代理店で話を聞くと良い感じの島でね」

干場「位置的にはどのあたりになるんですか?」

和田「アフリカのモロッコがあって、そのモロッコの西側のエリアですね。ミュンヘンから行くと4時間半くらいでした。実はアウディの中でサーフチームを作ったんですよ」

干場「皆さん、ある意味乗り物好きなんですね(笑)。波乗りからインスパイアされる事ってあるんですか?」

和田「ヨーロッパでサーフィンする感覚って良いんですよ。クールなの。ハワイ、バリでやるサーフィンと全く違う感覚、これもセンス・オブ・サーフなんですよ」

干場「ヨーロッパでサーフィンをするのは、何故クールなんですか?」

和田「レストランとか、何も無いような所でも、何か風景的な事かもしれないし、冷たさと気候的な見え方でいうと、何かちょっと淋しいんですよ。ハワイ、ロスの風景を見て淋しいってないでしょ?ヨーロッパは海岸に行っても何か考えちゃう、哲学者になった気分になるんです。その感覚でサーフィンをすると全身が清められるというのかな。ある意味、厳しさを伴っているのかもしれないなと思いますね」

干場「ヨーロッパはそういう雰囲気ありますよね」

和田「それはやっぱり、街でも言ったみたいにビーティフル!美しいんですよ。この感覚が、エレガンスとサーフィンの繋ぎ合わせた感じで言う、クールさが出てきてるのかなと感じますね」




「豪華客船のクルーの食事や寝室など、裏側はどうなっているのでしょうか?」

保木「私も何度も船旅を経験しているので、確かに気になっちゃいますよね。
ラグジュアリー船でも、およそ900人のお客さんに対して600人の従業員がいるわけですよ。

お客様に見えない所で働いてる方が多いんですよね。
下の機関室とか洗濯屋さん、キッチンなどで働いている方はたくさんいて、その人達の住まいとか、食事がどうなっているかは私も興味がありますね。

世界50ヶ国くらいの方が乗っていて、ご夫婦で働いてらっしゃる方もいるんですよ。
お部屋が2人部屋だったり、4人部屋だったりするんですけど、そこで暮らしているんですよね。

従業員達のカフェテリアがあったり、バーもあればディスコ、床屋さんもありますね。
一つの街になっているんですよ。
船って、見えてる所に街があって、見えてない所にもう一つ街がある。
面白いですよね。

そこではお水も作っているし、みんな暮らしているわけだから電気も作っている。
そう考えると面白い。海の上に浮かぶ都市ですね」

今月ご乗船いただいているのは、カー・デザイナーの和田 智さんです。

日産自動車やアウディで、数多くの美しいクルマのデザインを手がけ、
独立された現在は、幅広い分野でプロダクト・デザインも手がけていらっしゃいます。

世界的なカー・デザイナー 和田 智さんに旅のお話をうかがっていきます。


ー いつかは逆転させてやる、ひっくり返そうという精神がクリエイションなんですよね ー



干場「今日はドイツミュンヘンのお話を伺っていきたいのですが、何故ミュンヘンに行かれたんですか?」

和田「ドイツのミュンヘンから80キロ北にあるインゴルシュタットという街があるんです。ドイツでは古い城下町で、今でも壁が街を巡らしているような中世の街ですね。そこにアウディの本拠地があるんですよ」

干場「城壁に囲まれた街ですか、なるほど」

和田「栄えたといっても中世の話なんですよね。アウディのデザインスタジオからは、地平線のずーっと綺麗な景色があって、直線ではなく弧を描いているんですよ。地球を感じるくらいのカーブです。アウディはね、私のスピリットの問題もあるのでクリアに言っておくと、やっぱりメルセデス、BMWじゃ駄目なんですよ。何故かと言うと、ある程度完成されたブランドであって、これから世界を変えていこうという様な感覚のブランドであるとアウディ。かつて、私の父がわりとアウディに乗っていたんですよ。メルセデス、BMWには乗らなかった」

干場「なるほど!」

和田「人に乗る物は乗らないという、父譲りというか、そのスピリットを私が持っていたのかもしれない。アウディの人達も、そういう精神を持っていましたね。当時で言うメルセデス、BMWが上だけど、いつかは逆転させてやる、ひっくり返そうという精神がクリエイションなんですよね」

干場「熱い思いがあるわけですね」

和田「出来上がったとこは、クリエイティブな部分は少なくなっちゃうので。だからといって、2つの大きなメーカーがクリエイティブないと言ってるわけではなく、私はドイツのメーカー全てにおいて、ドイツ車は好きですから。ただ、そういう形でね、お互いが成長するような構成になっているのかなというのは、行くとすごく分かったかなと思います」

干場「ミュンヘンのあたりはドライブはされたんですか?」

和田「2006年あたりだったと思うんですけど、「A5」という車を担当させていただいて、試乗会をイタリアのヴェローナでやるということで、ミュンヘンですと、バイエルンでも、皆さんイタリアによく行くんですよ。その一番近い街がヴェローナで、そこで、ワールドプレミアムとして試乗会をやって、日本のジャーナリストにも来ていただきました。
試乗会という仕事が終わった後に、ちょっと休みをもらったんですよ。「ある人に会いにいかなければならない」という感じでね(笑)」

干場「それは誰なんですか?」

和田「カーデザイナーであれば誰もがリスペクトをする、イタリアの「ジウジアーロ」という方がいるんですよ。ジウジアーロの右腕として、「イタルデザイン」という会社を一緒に設立された方がいるんですよ。私自身、ジウジアーロに魅せられてカーデザイナーになってるような人間なので。その方に会いにいって、ワインを飲みながら語りたいと」

干場「聞きたい話は、たくさんあったんですか?」

和田「そういう意味では、旅というのは人に会いにいく為にあるんだよねっていうね。もちろん、一人で旅して色々なものを見るというのはあるんだけど、人が行き着く所は人かなと。その方から受け継ぐ何かを得たいなという本能というのかな。コレがやっぱり人間でしょ。車をやっていると、そういう感じがしてきちゃう。
車が好きな方、すごい情熱を持って作られている。そういう人間がこの地球上に、この時代に生まれて、ドイツであれば、ドイツに魅せられて色んな国から集まってくるんですよね。そこで、あーでもない、こーでもないと、ちょっとした小学生みたいなもんですよ。言語も、宗教も、全てが違うんですよ。一つだけ、「I love car」「I love design」と、その為だけに人が集まるんですよ」

「日本には、世界一周出来る船は何隻あるのでしょうか?」

保木「日本で世界一周に出てるのは、飛鳥II、ぱしふぃっくびいなすの2隻ですね。皆さん料金が気になるんじゃないかと思うんですよ。
けっして、安くはないんですよ。
ぱしふぃっくびいなすの97日間で、だいたい一人300万ですね。
お食事はついていますけど、アルコールは別です。

飛鳥IIは日本で一番の豪華客船と言われてますけど、104日間で約450万ですね。
移動と食事と色々なものがついているので、お時間のある人には一度は行ってみたいクルーズですね。

世界一周だと、やはり大きい金額になりますからね。
夏の間の地中海クルーズですと1週間で20万くらいからあります。
お食事の事を考えると、1週間で20万円くらいからの船を試されるといいんじゃないかと思います」

5月にご乗船いただくのは、カー・デザイナーの和田 智さんです。

日産自動車やアウディで、数多くの美しいクルマのデザインを手がけ、
独立された現在は、幅広い分野でプロダクト・デザインも手がけていらっしゃいます。

世界的なカー・デザイナー 和田 智さんに旅のお話をうかがっていきます。

ー 生きているうちに、天国を見ちゃった感じですね ー



干場「海外含めて、引っ越しを11回くらいされているんですか?」

和田「旅のお話の中でも「旅=住む」というか、国を変えて色んな環境を自分に体得していく。自分がデザイナーという事もあるのかもしれませんが、好奇心旺盛というか、色んなカルチャー、センスを吸収していきたいというのが本能的にあるのかもしれないですね」

干場「ちなみに11回はどこに?」

和田「ロンドンに留学を約2年間していました。その後に日本に戻って、次が日産自動車にお世話になりまして、アウディのドイツ・ミュンヘン、今度はミュンヘンが本拠地になります。そこから色んな所に行きました」

干場「ちなみに、ロンドンはどんな印象ですか?」

和田「1989年から1991年の頃、サッチャー政権の時で後々映画になっていますよね。こう言うと失礼かもしれないけど、イギリスが厳しい時代で、今のロンドンのバブルな感じはなく、すこし貧しさを漂わせる感じでした。それがセンシティブで、最後のロンドンを見た気がすると、よく言うんです。ハートの奥底から「俺たちは変わりたいんだ!」という、スピリットみたいなものが吹き出していて。当時、セックスピストルズやアンダーワールドが出た頃で、イギリスが変わるというのが音楽から漂っていました」

干場「音楽シーンから言うと、そうかもしれないですね」

和田「ロンドンは音楽シーンの影響力が世界的にもありますよね。ビートルズ、ローリングストーンズの国ですから。初めてロンドンに行った時、ある友人の家に行くとビートルズの「ペニー・レーン」が流れていて、日本で聴くのと、まったく違う聴こえ方がしました」

干場「どういう風に違うんですか?」

和田「雰囲気ですよね。窓から見える風景、ちょっと寂しくて、どこかどんよりした印象。それがすごい綺麗なの」

干場「ロンドンから、小旅行にお出かけにはなったんですか?」

和田「家内と2人で、色々な所に行かせてもらいました。覚えているのは、車で北ウェールズの方へ行きました。ポートメイリオンという所がありまして、かつて、イタリアの町に憧れたイギリスの建築家が、古い時代に小さいイタリア風の村を作ったんですね。そこにホテルポートメイリオンという村があって、家内が「エル・デコ」を買って見ていて、あるページに、ホテルポートメイリオンの「ROOM 40」の写真、解説があったんですよ。その写真が非常に良くて、彼女のハートを掴んでしまって、一緒に行こうとなりました」

干場「そういう事もあるんですね」

和田「ちょうど「ROOM 40」がコーナーの部屋で、そこから見える風景が天国のようだったんですよ。運河に霧がたっていて、じとーっとした、ある種の暗さがあって。庭には彫刻があって、そこにうっすらと光が当たって、海の水が満ちてくる音がするんです」

干場「絵画みたいですね」

和田「絵画というより、ヘブン(笑)。生きているうちに、天国を見ちゃった感じですね」

「日本から海外に行きたい場合、どのようなコースを選べばいいのでしょうか?」

保木「日本には港がたくさんあるんですけど、海に囲まれているので外国まで行くのに時間がかかっちゃうんですよね。
船の1日は、飛行機の約1時間と言われています。
例えば、香港まで行くのに飛行機で4〜5時間、船だと5日間かかっちゃうんですよ。

外国船の場合、お客様を日本の国内だけ移動させる事が出来ないんです。
カボタージュ規制という法律があって、アメリカ、ヨーロッパの飛行機会社が、東京、大阪間を飛ばないのと同じ様に、船も同じなんです。

日本の港、例えば横浜、神戸から出て外国に行くとすると、どうしても3、4日間は船の上で、
なかなか1週間のお休みで行くのは難しいんです。

プリンセスクルーズが、この連休に5泊6日で、韓国あたりに7日間で行けるクルーズを始めるんですよ。
その他にも色んな外国の船が日本に入ってきて、日本から発着クルーズを始めています。
日本から香港まで行く船だと、横浜を出て、清水、長崎、神戸、韓国。そのあたりを回って7日間くらいのクルーズをお選びいただけると思います。
今、日本に大型客船が入ってきていますので、調べると楽しいと思います」