今月ご乗船いただいているのは、芥川賞作家の羽田圭介さんです。

第4回目の旅先は、「タイのバンコク」についてお話を伺いました。


ー 人間がずっと何かに飽きてしまうから、違うものを見たくなるっていうのは、当たり前のことなのかなと思いますね ー



干場「バンコクは、初めて行かれた海外なんですか?」

羽田「そうですね。大学3年になる直前くらい…2006年の2月頃ですね」

干場「なぜ行かれたんですか?」

羽田「母型の祖母がいて、『おばあちゃんが、海外旅行できる最後の機会かもしれないから』っていう感じでタイに行きました」

干場「どんな旅でしたか?」

羽田「ツアーだったんですけど、海外に飛行機で着く瞬間が一番覚えてますね。着陸する前、高度を下げていって、夜の街並み、ネオンや車のライトが見えてきて。
海外を自分の目で見ることができるという…バーチャルだったものが具現化される感じがして」

干場「そうですね」

羽田「バスターミナルに降り立った時は、”本当に海外って存在するんだ”と、当たり前のことを思いました(笑)」

干場「日本との差を感じたということですか?」

羽田「たぶん日本と変わらない街があっても、ちょっと日本と違うということを見つけて、何にでも感動したと思います」

干場「羽田さんの人生において、旅とはどんなインスピレーションを与えてくれるものでしょうか?」

羽田「”ここではないどこかへ行きたい”という欲望は、最後まで残るものなんだろうと思います」

干場「最後まで?」

羽田「例えば、芥川賞をとって、僕の生活なり…いろんな欲望が満たされていって。
満たされていくと、飽きていくことも沢山あると思うんですね」

干場「ルーティーンになっていってしまうという事ですか?」

羽田「最初は興奮したことも何も感じなくなる、幻想がなくなっていったりして。
欲望がなくなるっていうのは、しんどいなと思うんですけど。”旅をしたい”っていう欲望は衰えることなくて、むしろ他の欲望が減っていくと”旅をしたい”っていう欲望が強まっていってるなって気がするんです。
だから、僕はいま本当に旅がしたいですね。人間がずっと何かに飽きてしまうから、何か違うものを見たくなるっていうのは、当たり前のことなのかなと思いますね」

干場「書くことも旅のように感じますけどね」

羽田「今まで感じたことのないような考えを自分で生んでいったり、それを読者の方々にも体験していただきたいっていう目的で読者の方々に旅をしてもらうようなつもりで書いてますね」


「保木久美子が気になる船旅情報!」

保木「自分がロサンゼルスが大好きということもあるんですけど、ロサンゼルス、サンフランシスコ、サンディエゴ、カリフォルニアの三大都市をめぐる船旅は、私の中でホットなんですね。
ゴールデンゲートブリッジの下をくぐってサンフランシスコの港に入港し、そのあとワイナリーの見学に行くとか。
いま皆さんがやっているFacebookとか、本社があるのがサンフランシスコの南のメンローパークという街なんですよ。
実は以前住んでいたことがあって、街は活気があるので、こういうところに刺激を求めて、男性にもいいんじゃないかと思うんです。
”将来を見つめるという船旅”もいいかなと思って、今年中に一回行きたいと思っています。
若い方にも行きやすく、ビジネス的にも刺激になるのかなと思いますよ」

今月ご乗船いただいているのは、芥川賞作家の羽田圭介さんです。

第3回目の旅先は、「中国の首都・北京」についてお話を伺いました。


ー ずっと飲んでニヤニヤしてました(笑) ー



干場「北京には若手作家のシンポジウムで行かれたそうですが、シンポジウムとは何ですか?」

羽田「日中青年作家シンポジウムというのが、4年に一回開かれていて。
シンポジウムというと議論とかをするのかと思いきや、一方通行な発表を全作家がし合うみたいな感じで、それに2010年の10月に行ったんですね」

干場「そうなんですね」

羽田「わりとガッツリ発表する日っていうのは1日か2日しかなくて、あとは圧倒的に会食と観光ばっかりでした(笑)。
ありがちですけど、海外に行って自分たち日本人作家の連帯が強まる感じっていうのはありましたね」

干場「なるほど」

羽田「それまで小説家と遊ぶ機会がなかったので、他の作家の顔をいっぺんに見るのも初めてだったりして。
そこで仲良くなって、2010年以降、作家同士の飲み会が頻繁に行われるようになりましたね」

干場「どんな話をするんですか?」

羽田「どうでもいい話しかしないですからね。小説の話とかはあまりしないです」

干場「お互いの作品については触れないんですか?」

羽田「真面目に語り出すと、方法論とか考えの違いで喧嘩になるというのが薄々感じていると思うんですけど(笑)。
普通に恋愛の話とか、どうでもいい話しかしないですね」

干場「滞在中は、現地の方と商談もされたんですか?」

羽田「北京の湖みたいなところに行ったんですけど、そこで小船に乗せられて。日本人作家数人と、中国の出版者の方と乗って、池の真ん中まで小船が行ったところで、『ぜひ、うちの出版社で!』みたいな(笑)」

干場「池の真ん中まで行く必要あるんですかね(笑)」

羽田「密談してる感がすごくて、断りずらいですね。”周り水だして…”みたいな(笑)」

干場「北京の街の様子はどうでしたか?」

羽田「北京は行政の街なので、中国の政府の要の機関の建物が多いところで…碁盤目状というんですかね、札幌に近いなと思ったんですよ。非常に機能的な街の作りをしているなというところで、視界も開けていて、街の細部にも合理性を追求している感じです。
バイクで、リアカーで物を運んだりとか。三輪車なのか五輪車なのか分からないものとか(笑)」

干場「三輪車は中国とかベトナムを走っているイメージありますけどね」

羽田「ああいう感じで、身軽で、且つ物がたくさん運べる。バイクから派生して変わった乗り物がたくさん走っているなっていうイメージですね」

干場「そんな北京の街で、美味しい物も食べたんじゃないですか?」

羽田「昼も夜も会食ばかりでしたね。ずっと中華で、日本の中華とは違うんだなと思いました」

干場「場所によって、四川だったり色々ありますもんね」

羽田「四川料理をけっこう食べたんですけど。やたらと、揚げた魚にあんをかける料理がたくさん出てきて。美味しかったんですけど、生野菜が全然ないなと思いましたね」

干場「そうなんですか?」

羽田「野菜は、とにかく何でも炒めてあって」

干場「中国酒も大丈夫ですか?」

羽田「飲まざるを得なかったですね(笑)」

干場「その心は何ですか?」

羽田「会食の現場で円卓があって、それぞれの円卓に5〜6人座っているところで、日本人作家1人が座っていくので。
周りで日本語話せる人がいなくて、通訳の人とか、日本語に詳しい向こうの大学教授とかがいれば日本語はちょっと使える状況で」

干場「それは飲まざるをえないですね(笑)」

羽田「50度以上の酒を飲んで、ニヤニヤしながら『ハハ!』と言うしかないんですよ。ずっと飲んでニヤニヤしてました(笑)。言語が通じなくても、ちょっと楽しいものがあったのでいいですけどね」

「ゴールデンウィークやお正月など、クルーズ旅にも繁忙期で値段が高い期間設定はあるのでしょうか?
また、価格が安い時期もあるのでしょうか?」


保木「日本船の場合はゴールデンウィーク、お盆、年末年始、クリスマス…イベントに合わせて、スペシャル感を出すためのお食事とか、餅つきをやっていたり。
特別なイベントがあるので料金的には少し高めな気がします。

外国船の場合は、日本のゴールデンウィークとかお盆とか関係ないんですよね。特にそこの時期が高いというのはないですね。
年末年始のクルーズに限っては、船内のイベントとか、お食事が華やかでちょっと高めかなと思いますね。

クルーズ人口がとっても多いアメリカ人は、サンクスギビングを自宅で家族と過ごす人がとても多いんですよ。
サンクスギビングのシーズン、日本で言う『勤労感謝の日』あたりは、お得で空いてたりするんですよ。クルーズは、特に外国船は世界中で売っていますから、早めに予約をされることをお勧めします。
早く予約をすることで、いいお部屋が選べる、そして料金も早割とか特割があるので利用出来ますね。
フライ&クルーズの場合は、飛行機も安めに抑えられるということなので、とにかく旅の計画は早く決めていただきたいなと思います」

今月ご乗船いただいているのは、芥川賞作家の羽田圭介さんです。

第2回目の旅先は、「ドイツ・ケルン」についてお話を伺いました。


ー ”日本とは違うんだ”と、ケルン大聖堂の階段を登っていく中で実感しました ー



干場「ドイツはいつ頃、どんなきっかけで行かれたんですか?」

羽田「3年前くらいなんですけど、母親が会社の懸賞か何かで”ドイツ・オーストリア券”をもらったんですよ。
家族の中で時間を自由に使えるのは僕しかいなかったので(笑)。しょうがないから、僕がついて行くという感じで行ったんですよ」

干場「そうだったんですか(笑)」

羽田「ツアー旅行に1週間近くいける人なんて、現役世代の人はほとんどいないわけですよ」

干場「わりと引退されている方が多いですよね」

羽田「お金持ちのご婦人がいらっしゃる感じで、そこで日本の格差社会を感じました(笑)」

干場「ドイツで何に心を奪われましたか?」

羽田「ケルン大聖堂に圧倒されましたね。あんなに大きな建物が昔に作られたのかと思って、”日本とは違うんだ”と、ケルン大聖堂の階段を登っていく中で実感しましたね」

干場「ドイツは肌には合ってましたか?」

羽田「ドイツ・オーストリア両方行ったんですけど、ドイツの方が好きで、ドイツ人っぽい真面目な雰囲気が街の中から感じられたんですよね。
観光バスで移動してる時に丘の起伏が続いていて、ブドウ畑がずっと続いていたりとか、あれが美しいなと思っていましたね」

干場「ドイツのH&Mで靴を買ったことが印象に残っているそうですね?」

羽田「ケルン大聖堂近くのH&Mにふらっと寄って、どうやら日本の店よりも大きいサイズが置いてあるらしいと」

干場「足のサイズは大きいんですか?」

羽田「僕、足のサイズが中3の時点で30センチなんですよ。
大きい靴を買えるのが、新宿と御徒町と五反田の3店しかなくて、靴が買えないんですよ。
”H&Mなんか僕の靴買えるわけない”と思っていたら、ぴったり足に合うスエードの靴があって、しかも安くて2000円くらいですかね、”ドイツのH&Mすごい!”と思って、もちろん買いました」

干場「なるほど(笑)」

羽田「外国に行って実用品を買うということが、海外に慣れている人みたいでかっこいいと思って、それ自体にも感動しました」

「クルーズお得情報」

保木「今月、2月28日の火曜日までに『シルバーシー・クルーズ』の対象コースを、
新規にご予約された方で、全額支払いでクルーズ代金が10%オフになるんです。
カジュアル船と違って、シルバーシーとなるとクルーズ代金もそれなりなんですね。それの10%って、けっこう大きいんですよ。

それに、キャンセルも可能なんですね。船会社の規定にのっとった期間内であればキャンセル料がかからず、もしかしたら手数料がかかるかもしれませんが、基本的にはキャンセルできるので早めに申し込まれるのがいいですね。
10%オフですし、希望のお部屋もとれますし、クルーズ料金の中にお食事も、お飲み物も、チップも含まれています。
バトラーも付いていて、お姫様気分ですね」

今月ご乗船いただくのは、芥川賞作家の羽田圭介さんです。

第1回目の旅先は、「北海道」についてお話を伺いました。


ー 旅での出会いはノイズみたいなものなんじゃないかなと思って ー



干場「北海道はよく行かれていたんですか?」

羽田「最初に行ったのは高校3年生の修学旅行で、そのあとは卒業間近にマウンテンバイクにキャンプ道具を積んで
埼玉の実家から(自転車で)走って行きましたね」

干場「それは1人ですか?」

羽田「秋田まで友人がいて、友人は秋田から飛行機に乗って帰ったんですけど…彼は飛行機マニアの側面もあったので。
空港から自転車で帰りたいっていうのがあったらしくて、彼とはそこで別れて。
そのあとは単独で宗谷岬まで行きましたね」

干場「自転車で行こうとする気持ちがすごいですね(笑)」

羽田「若い頃は記録にこだわるというか、”大学生で自転車で日本一周”とかは聞くけど、高校生時代にやる人ってあんまりいないなと思って。
自分が17歳で小説家デビューにこだわった部分と同じ感じですね」

干場「そうやってデビューも17歳にこだわったんですね」

羽田「どうせだったら早いうちがかっこいいかな、っていう自意識がありましたね」

干場「しんどい旅でしたか?」

羽田「あんまりしんどくないですよ。自転車で長距離を走るなんて大したことないですからね。
結果を聞くとすごい事をやり遂げた感じがありますけど。家から近所の肉屋に自転車で行く、その延長線上ですからね。
走ってる最中っていうのは、十数メートル先の路面を見ながら走っているっていう行為ですからね。
人間が走っている時は主観的に走ってるだけなので、やったことない人からすればすごいことに感じられても、やってる最中は全然大したことやってないですね」

干場「旅の間の印象的な風景はありますか?」

羽田「やはり、宗谷岬のあたりですかね。稚内から、ちょっと東に行くと宗谷岬があるんですね。
宗谷岬に行くまでの数十キロが海沿いの道で、あの光景は忘れられないですね」

干場「出会いとかもあったんですか?」

羽田「出会いはないですね。『走ル』っていう自転車小説にも書いたんですけど
リアルにやろうとしたら、日本での旅行って誰にも出会わない方が普通だなと思ったんですね」

干場「というと?」

羽田「”旅の純粋性って何だろうな?”と思ったら、自転車で走ることが純粋だとしたら、旅での出会いはノイズみたいなものなんじゃないかなと思って。
ちょっと走ったらどこにでもコンビニがあって、全員が日本語を話してて
むしろ、出会うっていうのはつまらないロードムービー的な感じで(笑)」

干場「なるほど」

羽田「出会いがないとドラマを生めないっていうのは、ちょっとレベルが低いんじゃないかなっていうか……あえて小説で表現するときも、”人との出会い”っていう、ある意味邪道なものには逃げないようにして。
純粋な旅として、人に語りやすいような旅にしなくてもいいんじゃないかっていう感じはしますね」


「クルーズに、お茶漬けみたいな日本食もあるのでしょうか?」

保木「船の旅というと洋食のイメージがありますよね。
いま、世界的に日本食はヘルシーというイメージで、お寿司屋さんとかアジアンフードをのせている船っていっぱいあるんですよ。
『お茶漬け』というメニューがあるかどうかは定かではありませんが、白いご飯はあります。あと、お醤油もありますね。

永谷園のお吸い物とか、大人のお茶漬けとか、あとは1つずつパックされている梅干し。
あれは荷物にもなりませんし、ちょっと日本の味が恋しいときは、メインダイニングでスープのカップにご飯をいただいて、お湯でお茶漬けのりを食べたこともありますよ。邪魔にならないし、周りの方も喜ぶんですよ。
そういうのを忍ばせていくのも楽しいかなと思いますし、和食が用意されている船をお選びになれば安心ですね」