今月ご乗船いただいているのは、演出家の宮本亜門さんです。

第4回目の旅先は、「ブータン」についてお話を伺いました。


ー 自分はこの一回の人生で終わるわけじゃないんですね、ずっと輪廻天性がある
自分はその中での一部でしかないんですよ ー



干場「南アジアのブータン、これはお仕事で行ったんですか?」

宮本「どうしても行きたかったので、仕事にさせてもらいました(笑)」

干場「どうしても行きたかった理由は何ですか?」

宮本「僕はアジアが大好きで、その国が持っている宗教以上に、信仰って何なんだろう?と思って。
この国は幸せの王国と知られていますけど、その幸せって何なんだろう?と、自分の目で見て感じたかったということが目的です」

干場「その国の幸せの物差しがあると仰っていましたけど、ブータンは違いましたか?」

宮本「チベット仏教の原点が見事に残っていたことに驚きました。
自分はこの一回の人生で終わるわけじゃないんですね、ずっと輪廻天性がある、自分はその中での一部でしかないんですよ。
今の一生が辛かったとしても、次にこれが必ず良い風に変わると言われていて。
そうなると、幸せの尺度がもっと大きな、絶対に自分が成長していける喜びになる、巨大な幸せのために今いるとなります」

干場「なるほど」

宮本「日々あること、感じることは自分のためになるんだから、生きていこうという発想なんですよ。
貧しい方も沢山いるんですけど、みんな幸せそうなんです。生きてることが幸せだから、辛いことも絶対にプラスになるからっていう発想でいるので」

干場「ものすごいポジティブシンキングですね」

宮本「ただ貧しいだけではなく、国の方針、政府関係の幹部の方たちがすごく未来を考えているんです。
『自分たちはタイのようにならない』と言っています。それは、ただただ観光化して、いろんな問題や事件が起きることは絶対にしない、新たな王国を築く、人間の本質を求めるんだと。夢の国ではないけど、お互いに争いなく認め合う国が、人間なら必ずできるはずだと思っているんです」

干場「崇高ですね」

宮本「すごく考えさせられて、それぞれのあり方を考えていこうとしているのは素敵な国だなと思ったんですね」

干場「宮本亜門さんは、クルーズのご経験があるんですよね?」

宮本「本当にちょっとだけです、神戸から九州くらいまでです(笑)。クルーズのお客様に講演会をさせてもらったりして」

干場「経験してみて、どうでしたか?」

宮本「初体験だったんですが、面白いなと思いました。乗船している方々とのコミュニケーションの感覚が陸とは違うなと思って。
いい意味で、そこから逃れられないじゃないですか(笑)。そこからスイッチが変わる、お互いが『こんにちは』と挨拶をする。陸ではなかなかないですよね」

干場「そうですよね」

宮本「そこで、自然とゆったりとした時間が流れ始める。サーファーには憧れているんですよね、それは、違う視点からものを見れるから」

干場「確かにそうですよね」

宮本「真木蔵人さんの弟さんに言われたのかな?ハワイに行った時に、僕に一生懸命教えてくれたんですよ。
『亜門さん、サーフィンはいいですよ、視点が変わりますよ。波にいると、自然のリズムと体内リズムが合わさった時に何とも落ち着きますよ』って言われた時に、”これを体験したい!”と思ったんですよ。
そこからものを見てる感覚が、ちょっとクルーズの時にあった(笑)、違う視点でものが見れるという、これはいいなと思いましたね」

「クルーズでの結婚式、チャペルはありますか?」

保木「船で結婚式ってピッタリだと思うんですよね。
チャペルのある船はいくつもありますね。
大型船だと、チャペルとして整っている場合もありますし、小さめの船だと船内や屋上のデッキに作っちゃったりしますね。
牧師さんがいつも乗っているわけではないので、キャプテンが結婚の証明書にサインするという形になります。
ディズニーのクルーズとかは、スケジュールさえ合えば、ミッキーマウスとかも参列してくれるという結婚式ですね。
新婚旅行を兼ねて、クルーズで結婚式はありだと思いますよ!」

今月ご乗船いただいているのは、演出家の宮本亜門さんです。

第3回目の旅先は、「イギリス・ロンドン」についてお話を伺いました。


ー 一本一本の舞台が”一生これで観れないんじゃないか”と思うと
一瞬一瞬を目に焼き付けるんです ー



干場「ロンドンは、演劇・ミュージカルを語る上で”最重要な街”と仰られていると思うのですがどういうことでしょうか?」

宮本「演劇で言うと、ニューヨーク、ロンドンは大切な街ですよね。
彼らの演劇だけがいいわけではないんですけど、同じ英語圏として、イギリスはシェイクスピアという人もいるし、ミュージカルの世界もアンドルー・ロイド・ウェバーという作曲家が出たりとか、すごく面白い作品が多いんですよ」

干場「アンドルー・ロイド・ウェバーですか?」

宮本「『ジーザス・クライスト・スーパースター』とか、『エビータ』とか、いろんな作品を作っているんですね。
演劇の歴史があるのでロンドンには20代の時から度々行ってますし、2年間住んでいたこともあります」

干場「何のためにですか?」

宮本「演劇とダンスの勉強をしたくて行ったんですね。2年間いて観た舞台が700本、当然1日1本はあって、マチネとか昼の公演とかも含めてですね」

干場「お金もかかりますよね?」

宮本「そうなんですよ、絶対に親には頼りたくなかったんですよね。
一番安い席ですから、天井桟敷の一番上みたいなところを何ヶ月前にチケットを並んで買ったりして。そのときは”いつか演出家になりたい!”という夢を抱きながら2年間いましたね」

干場「その時に700本観たことは、血となり肉となっているんですか?」

宮本「なってますね。僕みたいな、演出家になりたいけど現実的には何のコネもなく生きてた人間には、一本一本の舞台が”一生これで観れないんじゃないか”と思うと、一瞬一瞬を目に焼き付けるんです」

干場「なるほど」

宮本「観終わった後に、部屋に帰って何ページも感想を書くんですよ。
”何が良かった、自分だったらこうした”とか、ずっと書いてましたね。それを今見ると、”若かったけど、真剣に演出家になりたかったんだな”と、思い返せるので嬉しいですね」

干場「原点ですよね」

宮本「情報が足りない分、自分で体感して掴むということをロンドンで教わりましたね」

干場「教わったというか、自分で学びとっていったということですよね。
現在、新橋演舞場で宮本亜門さんが演出を手がけた、ミュージカル『コメディ・トゥナイト!〜ローマで起こったおかしな出来事《江戸版》』が上演中なんですけど、これはブロードウェイのミュージカルをリメイクされたんですか?

宮本「そうなんです。これはブロードウェイ史上ないことなんですけど、ローマを設定に作ったドタバタコメディの設定を江戸に変えたんです(笑)」

干場「ローマ時代のことを、江戸時代に?」

宮本「愛之助さんが主役をやっておられたり、ダイヤモンドユカイさん、ルー大柴さん、とにかくいろんな方が一緒にやっているんです。これでもか、というコメディですね。
江戸がこんなにおおらかで楽しかったかという作品になっていて、ご覧になった人は”日本のオリジナル作品じゃないの?”ってなっていると思います。お客さんも大笑いって感じですね」

干場「なぜ、”ローマを江戸に…”という感じだったんですか?」

宮本「実は僕が提案したのではなくて、作曲家本人が”こんなアイデアはいいんじゃないか?”という話になったんですね。
日本では、ミュージカルで日本人が外国人の名前で呼びあって演じたりしてますよね」

干場「普通、そうやっていますよね」

宮本「この作曲家は、全然それが好きじゃないと。自分がアメリカで作ったローマの設定なんだけど、『日本でやるなら江戸にぴったり合うと思う』と、また日本が大好きな方なんですよ。”その方が面白いし、それを我々が見たい”と言っているんですよ」

干場「面白いですね」

宮本「彼らは新たなオリジナル性に興味があるので、そういう意味ではすごく面白くなっているのでぜひ見に来てください」

「ディズニークルーズ情報」

保木「ディズニーは世界中で人気ですよね。バハマクルーズ4泊と、ウォルト・ディズニーワールド2泊の日本からを入れると9日間。ディズニードリーム号に乗るんですけど、すごくかわいい船なんですよ。
2011年にデビューした船なので、比較的新しくて、お子様から大人まで遊べるアクティビティーがいっぱい用意されているんですね。
途中で、ナッソーとディズニーのプライベートアイランドに寄ります。
ビーチでミッキーとか、ドナルドが待っててくれて。キャスタウェイ・ケイという島なんですけど、ここで1日半くらい遊べるんですよ。砂遊びするのもいいし、シュノーケリングするのもいいですね。船の中はディズニーのファンタジーの世界になっています。
大々的に扱っているのは、『郵船トラベル』という旅行代理店が扱っていますので、”郵船トラベル”で検索してみてください」

今月ご乗船いただいているのは、演出家の宮本亜門さんです。

第2回目の旅先は、「ブラジル・リオデジャネイロ」についてお話を伺いました。


ー このためにオリンピックは本来あるんだと思いましたね ー



干場「今回はブラジルのリオデジャネイロのお話を伺っていきたいんですけど、なぜブラジルだったんですか?」

宮本「このあいだのリオのオリンピックの開会式を見に行ったんです。
僕の人生の中でオリンピックの開会式を見た事がなかったので、行ってみようと思って。街中には戒厳令がひかれてるような雰囲気で、緊張感の中で行って…行ったら、楽しい素敵なところでした」

干場「そうでしたか」

宮本「何がすごいかと言ったらビーチが綺麗ですね。人々がおおらかで家族連れて泳いでたり、”なんて平和な場所なんだ”と思って、僕もビーチにいたんですけど」

干場「山と海と、綺麗なイメージがありますね」

宮本「豪華なホテルもあれば、全く反対のスラム街のようなものもありますし。同時に、リオの中で共存しているんです。
建物も素晴らしくて、教会とかいくつかあるんですけど、現代建築から古典のものまであって。あらゆるタイプの教会があって中に入ると感動しますね」

干場「何日くらい行かれたんですか?」

宮本「1週間くらいですね。この時期にチケットが取れない時期だったんですよ、
とても高い時期でギリギリまで悩んだんですけど、”これを逃しては…”と思って行きました」

干場「なるほど」

宮本「僕が乗った便がほとんどがアスリートなんですよ、いろんな国の人たちがいて。
ビジネスクラスをチラっと覗きに行ったら、オリンピック関係のお偉いさん達がいて、映画を観てお酒を飲んでおられました(笑)」

干場「のんびりされていたんですね」

宮本「僕はエコノミーだったんですけど、誰一人映像を観ていないんですよ。瞑想か寝てるんです、皆さん完全に試合のための準備なんです」

干場「そうなんですね」

宮本「驚いたのが、椅子を倒している人がいなかったんですよ。お互い気を使っていて、お互いの状況が分かるからなんでしょうね」

干場「すごいですね!」

宮本「とても感動しました。そのストイックなあり方と、といってもお互いがフレンドリーで声をかけあっていて。機内が神聖な感じさえ受けましたね、いい体験でした。
このためにオリンピックは本来あるんだと思いましたね」


「クルーズに行く場合、友達で行く場合が多い?夫婦旅で行く場合が多い?」

保木「船にもよると思うんですよね。
船には、ラグジュアリー、プレミアム、カジュアルと、3つのカテゴリがあります。
ラグジュアリーは、年齢層の高い50代後半から60代、70代の方、やはりご夫婦が多いと思います。
最近増えているのは、新婚旅行ですね。

プレミアム船になると、その中間なのでご家族連れが多いようにも思います。
7日〜10日間、10日間〜14日間がわりと多いと思います。やはり時間的に余裕のある方が多いですね。

カジュアル船はもっと簡単に、2泊3日とか、本当にいろんな方が乗っています。
お友達同士、女子同士、お母様とお嬢様とか、ご夫婦も乗ってらっしゃるし、ひとつの街が凝縮されている感じですね」

今月ご乗船いただくのは、演出家の宮本亜門さんです。

第1回目の旅先は、「カンボジア」についてお話を伺いました。


ー ”なんて美しいものがあるんだろう”と、子供の頃に身震いしたんです ー



干場「演出家という職業はどうしたらなれるんですか?」

宮本「僕はまだなっていない気がするんですけど(笑)。人が想像できることをやっても『新しくないよ』と言われちゃうので。
人の想像を超えるものとか、驚きとか、感動とか、こんな視点があるんだ、考え方があるんだ……という人たちが、演出家として生き残ることが多いですね」

干場「クリエイティブの最頂点ですよね」

宮本「皆さん子供のような心で、楽しそうにいろいろな発想を持っている方が多いですね」

干場「今日はカンボジアのシェムリアップを旅された時のお話を伺いたいんですけど、カンボジアにはなぜ行かれたんですか?」

宮本「実は5回くらい行ってるんですけど。
最初に行ったのはクメール彫刻が好きだからですね、もともと仏像に興味があって、中学の頃に日本の仏像の研究をしてまして」

干場「なんで好きになったんですか?」

宮本「美しいじゃないですか。芸術的以上に、人間がただの木をこんなに美しく彫って信仰の対象になって。
それに魂が入って、境内の中に安置されているのを見た時に”なんて美しいものがあるんだろう”と、子供の頃に身震いしたんです」

干場「そうだったんですね」

宮本「そういうところから始まって、完全にハマったのがクメール彫刻の仏像なんです。
どうしても実物が見たいと思って、見に行ったらノックアウトでした(笑)」

干場「どうでしたか?」

宮本「人間らしいというか、ふくよかな、そしていい意味でエロチズムがあるんです。生の人間の香りがあって、すごい魅力があるんですよ。
もともとカンボジアには巨大な国があったんですね。アジアで最も大きな王国と言ってもいいところが、前にあった時に作ったのがアンコール・ワットを含めたアンコール・トム、巨大なところなんですけど。
そこで生まれた彫刻の美しさなので、そこにいる人々も含めて見事に彫刻として描かれていて、美しいんですよ。
これは、世界遺産の中でもトップ中のトップ、オススメです!」

干場「ちょっと見たくなりますね。いつも行く時はどれくらい行かれるんですか?」

宮本「1週間なんですけど、足りないんですよ。何ヶ月かいないと見られないくらい壮大なんですよね」

干場「ホテルに泊まられて、歩いて回るんですか?」

宮本「歩いて一体一体を見て、仏様たちを見てると誰でも想像力が働くと思います。そこがどれほど素晴らしいところだったかというのを、きっと感じていただけると思います」


「アジア周遊クルーズの一番いい季節は?」

保木「春先が一番いいですね。
真夏になると暑くなってしまうし、湿気が多いので。できれば3月、4月、それから秋口ですね。そのあたりが一番船も多いと思います。
香港からを含めるのであれば、3、4、5月ですね。

季節によって行く場所が違うんですけど、船は基本的に季節の良い時期を周遊しています。
この時期に、例えば冬のアラスカの方は、行きたくても船はあまりないんですね。
夏はアラスカの方がオススメですし、カリブ海のように1年中楽しめるところもあります、地中海はこれからがシーズンですね」