今月、ワールド・クルーズに乗船していただいているのは
国内外を問わず、旅の経験が豊富な作家の島田雅彦さんです。

4週目となる今日は「食と旅」をテーマにお話を伺います。



ー もう一度食料生産、エネルギー生産を大掛かりなスキームではなく、小口で考えていべきだと思いますよね ー


干場「農耕民族としては「自給自足」は避けては通れないというのが島田さんの持論ですが、ご自宅でも家庭菜園をやられているそうで、いつごろから始められたんですか?」

島田「元々は沖縄で強い陽射しを避ける為に、ゴーヤの葉っぱで覆いを作ったところから始まって、台風で野菜の供給が無い時に、それを食べたという事ありましたね。例えば、プチトマトはプランターでもなりますから、ちゃんとした土だと、苗を三つくらい植えておけば家族4人、夏場のプチトマトは供給可能ですね」

干場「なるほど、それだけ穫れれば買わなくても済むようになりますよね」

島田「震災を経験した後に、もう一度食料生産、エネルギー生産を大掛かりなスキームではなく、小口で考えていべきだと思いますよね。畳6畳分の農園があったら、けっこう穫れますよ。プチトマトは八百屋で買うと高いのでコスパがいいんですよ(笑)」

干場「けっこう、甘みはあるんですか?」

島田「ばっちりあります、水をやり過ぎない事が大事なんですよ。美味しいトマトがどうかっていうのは、うぶ毛なんですよ。苗の茎の所にうぶ毛が沢山生えてたら、美味いトマトですよ」

干場「それは何でですか?」

島田「水が地面から、充分にすくい上げられないと、空気中の水分をうぶ毛から取るためなんですよね」

干場「その点は気付かなかったですね〜」

島田「美味しいトマトを作る農家は、そういうノウハウに基づいて、けっこう厳しい環境にトマトを慣れさせて作っているようですね」

干場「島田さんは料理とかもされるんですか?」

島田「よく作ります、フュージョンって言ってますけどね(笑)」

干場「なるほど、今まで旅をされていますからね」

島田「各地の調味料も必ず買って来るし。スーパーとか市場にも行きますね」

干場「元々好奇心が旺盛なんですね。実際に作る手料理は何ですか?」

島田「肉の中で一番好きなのがイノシシなんです。これは冬眠に入る前の皮下脂肪をたっぷり蓄えたものがいいんですよね。解猟になると、猟師の人が穫って来たものが流通しますし、養殖しているところもありますからね、比較的インターネットなどで、イノシシの肉は手に入りやすいんですね」

干場「そうなんですね」

島田「これは味噌仕立てで、ぼたん鍋にします。こんにゃくやごぼう、比較的、土の匂いをつぐような野菜とかを一緒に煮て食べるんですけど、真っ白な脂と、真っ赤な肉のコントラストが牡丹の花びらのようなので、ぼたん鍋というんですよ。豚と違って煮過ぎても硬くならないんですよ」

干場「豚だと硬くなったりしますけどね。臭みとかはないんですか?」

島田「全くないですね、この脂が味噌のスープに溶け出して、終わる頃には濃厚な味噌ラーメンのようなスープになるんですよ。だから最後の締めはラーメンにするんですよ」

干場「お酒はどんなものを合わせるんですか?」

島田「わりと甘口の日本酒も合いますし、新潟のお酒とか、冬場良く飲まれる室岡の原酒、ちょっとアルコール度数の高いヤツですね」

干場「お酒にもけっこうお詳しいですよね。自宅にバーがあるんですよね?」

島田「誰の家にでもあるでしょ(笑)。色々旅先で買ったものとか、自慢では無いですけど泡盛は甕であるくらいな感じですよ」

干場「ちなみに、毎晩飲むんですか?」

島田「この歳になると、ある程度数値が悪くなってきて、多少避けようかなという努力をしていますね(笑)。あとは、美味しく飲む為、1週間のうち48時間飲まない時間を設けたり、そうしていると48時間明けた1杯がとても美味しいですね(笑)」


日本船と海外船の違いは?

干場「日本船と海外船について知りたいというお話をいただきまして、日本の船と海外の船、両方あるという事なんでしょうか?」

保木「そうですね、世界中に客船は400隻、500隻と言われているんですけれども、日本船籍は4隻だけなんですよ」

干場「日本船籍が4隻、意外ですね」

保木「飛鳥II、にっぽん丸、ふじ丸等の4隻ほどあるんですね」

干場「この船の違いと、特色は何なんですか?」

保木「横浜とか神戸の港発着の船で、日本の方には便利ですよね。ワンナイトクルーズといって、短期間でクルーズを楽しめる。日本ならではの寄港地、花火だとかお祭りに合わせたクルーズを楽しんでいただけると思います」

干場「なるほど〜」

保木「もちろん船内は日本語ですし、和食の用意もありますね。日本船のワールドクルーズは英語の心配なく、世界中を日本のまま回る感じですね」

干場「日本人のスタッフが多いんですよね」

保木「日本人のドクターも乗っているので、日本船のいいところですね」

干場「ちなみに海外の船で有名なところはどんなものですか?」

保木「ラグジュアリー船ですと、リージェントセブンシーズ、シルバーシー、クリスタルクルーズ、これは日本の方もたくさん乗ってますね。大きな船会社になりますと、一つの会社で20隻くらい持っていますからね」

干場「そうなんですね、色々な船を楽しんでみるのも良いですね」

保木「そうですね。また、一つの船に決めて、自分の別荘みたいな感じで楽しむのも一つですよ」