記念すべき放送第一回目の今日、一緒に乗船していただくのは世界的に名高いレストラン、「NOBU」そして「MATSUHISA」のオーナーである松久信幸さん。

松久さんは、東京のお鮨屋さんで修行をされた後、24歳という若さで南米のペルーに渡られています。
その後、ブエノスアイレス、アラスカを経て、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、ギリシャなど、海外で次々とレストランをオープンされました。まさに人生が旅そのもの。


干場「当時は、お手本になるロールモデルもなく、レシピの研究や経営方法などもご自身で一から開拓されたと思うんですけど、一番苦労された点はありますか?」

松久「僕は元々職人というか、この世界から入っているので、料理を作る事に関しての苦労というのは感じないですね。生きている中で一つのものに前に進んでいった時に、必ず壁にぶつかりますよね、そういう時は、学んで前に進んでいるというケースが多いんですよ。計算をして来てこういう風になってきているわけではなく、過去の中から学んで来ている部分が多く、やり方を作り上げて来たのが僕ですから、そんなに、大きく苦労した事は無いですね」

干場「その毎回の壁が、ある種教材ということですよね。それを乗り越えて、次に進んで行くということですもんね」

松久「失敗から学んでいった事は多いかもしれないですね」

干場「例えば、具体的にどんな失敗がありましたか?」

松久「自分がいいと思って作った料理でも、その人に合わない部分がありますので、料理は自己満足で作っていてはいけないんだと思いましたね」

干場「日本人として、こういう料理を作っていて、海外で受け入れられるとは限らないという事ですね」

松久「そこで諦めるのではなくて、壁にぶつかった時、違った形の方に進んでいった時に、これで良かったんだと、気付いた部分がありますね」

干場「工夫をされるって事ですね、例えばノブさんの中で、この料理に関しては、ものすごくひねりを加えたんだよねみたいなものはありますか?」

松久「茶碗蒸しという料理がありますよね、出汁に卵で、非常にあっさりした味です。あれは日本の方には食べやすい料理ですよね。そういう中で、僕が今まで教わったものを出しても、必ずお醤油をかけてしまうお客さんがいるんですよ。自分達が正しいと思っていたものに、お醤油をかけられると、作品を汚されたような気持ちになるんですよね。じゃあ、お醤油をかけないためにはどうしたらいいのかという事を考えますよね。そして、トマトをペーストにしたソースをかけるんですよ。それをする事によって、見た目が綺麗になるのと、お醤油をかけなくてそのまま食べてみようと、彼らがそういう気になる。お醤油をかけられてしまったというところから、かけられないようにするには、それをまた美味しく食べてもらうにはどうしたらいいかという事を考えていきました」

干場「なるほど、逆転の発想みたいな感じですね」

松久「それも、やっぱり、そういう場に出くわした時に、お客さんから学んでいく事なんですよ」

干場「NOBUさんは、まさに海外を飛び回る、お忙しい毎日だと思うんですけれど、NOBUさんにとって時間って何ですか?」

松久「僕は几帳面な方で、時間は守る方なんですよ」

干場「そうですよね、そうでないと31店舗なんて経営出来ないですよね」

松久「仕事では時間を守る、ですけど、仕事以外の自由な時間というのは、僕にとっては日にちもわからないし、曜日もわからない、そういう時間が僕の一番好きな時間ですね」

干場「そんな時あるんですか?」

松久「ありますよ、曜日なんてのは今もわからないです(笑)」

干場「これはびっくりですね(笑) クリスタル・セレニティやクリスタル・シンフォニーという二つの船に、レストランをオープンされていますけど、船旅でしか感じる事が出来ない、楽しさとか感動的な事ってありますか?」

松久「船の旅の素晴らしさというのは船の中から陸を見るという、当たり前のような事なんですけど、船の中から陸の景色を見るのは全然違うんですよ。船我々都会の中で忙しく動いている人間には、船の中でゆっくりと海の中に沈んで行く太陽とか、朝水面ぎりぎりのところから、浮かび上がってくる朝日を見るのは素敵な事ですね」



クルーズ初心者に向けた、Q&Aコーナー。
保木久美子さんに「クルーズ・コンシェルジュ」として毎回ご登場いただき、
毎週一つずつの質問にお答えしていただきます。

第一回目の本日は保木久美子さんとクルーズの魅力についてお話していきたいと思います。


干場「久美子さん、クルーズで各国まわられていると思いますが、クルーズでどのぐらいの国をまわられているんですか?」

保木「おそらく30ヶ国くらいですね。港の数は数えた事はないんですけど、10日間で10ヶ所の港もあれば、20回クルーズに行けば100ヶ所になりますね」

干場「すごいですね」

保木「楽しいですよ、毎日朝起きて、カーテンを開けると昨日とは景色が違うんですよ。お荷物を持たずに、気軽にカメラと小さなバッグを持って下船して観光に出れるし。私、一番最初は2003年にベニスから船に乗りましたけれども、あの時の出航の感動は忘れられないですね、何度訪れても最初のベニスの景色が焼き付いていて、それ以来魅せられてしまいました」

干場「この間、僕もクルーズご一緒させていただいて、出航がベニスからだったんですけど、本当にロマンチックですね」

保木「あの時、夜の出航だったんですけど、また雰囲気が違いますね。船旅は何度行っても、その度に街の表情が違って、干場さんも最近、クルーズに魅せられてませんか?」

干場「おかげさまで、はまりましたね(笑)去年二回行ったんですけど、本当に素晴らしい旅でしたね」

保木「日本ではまだ敷居が高いとか、お値段が高いという事で、中々みなさん楽しんでいらっしゃらないような気がするんですけど、例えば女性同士の旅も安全ですよ。それでホテルは全てオーシャンビューですよね」

干場「移動型五つ星ホテルみたいな感じですね」

保木「荷物はクローゼットの中にしまってしまえば、下船するまで何もしなくてすみます。陸のホテルにチェックインするのと同じ様に船にチェックインしていただければ、あとはホテルがそのまま動いて行く感じですよね。お客様はお洋服をクローゼットにかけてしまえば、下船されるまではおうちのようにして過ごしていただけるんじゃないでしょうかね」

干場「すごい優雅ですよね。聞くと行きたくなっちゃいますよね(笑)」

保木「クルーズって、絶対はまっちゃうんですよね(笑)」