ふたりの等身大の姿

大宮エリーさん(脚本家)×鈴木杏さん(女優)

2016

07.17


 
作家/演出家/画家の大宮エリーさんと女優の鈴木杏さん。8年前に大宮さんが脚本を手がけたドラマで出会ったおふたり。その後もお互いの舞台や展覧会を見にいくなどして交流を続けています。

生活の中に全てがある





大宮
どういう30代になろうと思っているの?

鈴木
何も決めていなくて。どういう30代になるんだろう?エリーさんがキャッチしてきた偶然の力を信じようと思っていて。若い時は「為せば成る」という言葉を座右の銘にしていたけど、今は、「なるようになる」という気がしていて、自分で視野や受け入れ口を狭めないでオープンにして、偶然をキャッチできるようになりたい。あとは、生活をちゃんとしていきたい。以前は、自由にどこにでも行けたし、毎日ルーティンがなかったけど、犬と暮らすようになると、意外とルーティンも気持ちいいものだなとわかった。生活をすることを教えられているので、趣味や違う世界に心を飛ばす時間が減ったかな。

大宮
生活の中に全てあるからね。私は、夢とかないけど、一番やりことは何ですか?と聞かれたら、ゴミの分別。大変で、下手するとペットボトルだらけになってしまうから、出せた時にイエス!ってなる。あとは、水やりで、じょうろを持って部屋をまわるのが大変。ミントだけでも20種類もあるの。

鈴木
それは、食すの?

大宮
ミントティーにするの。二日酔いにいいのよ。水あげるだけでいい香りがする。

鈴木
気持ち良さそう。空間が浄化されますよね。

大宮
朝の一時間はけっこうなこと。水をあげるの無理と思って、仕事に行って戻った時に誰かがぐったりしている。でも、最近、長いホースを買ってきて、それで各部屋に行けてしまう。他には、ごはんを作るのが好き。30代後半からそうなってきたかな。30代前半は無我夢中で、仕事中心になって生活がおざなりだったから38歳くらいから、これはいかんと思って、引っ越しをして生活メインの家に住んでいるの。

鈴木
住む場所によっても変わると思う。生活になるのか、仕事中心のモードになるのか違うような気がする。


仕事場で人と人との距離が近づくテクニック



鈴木杏さんは、現在、パルコ劇場で上演中の舞台「母と惑星について、および自転する女たちの記録」にご出演中。舞台中は、毎日、ルーティンで決まった生活を送っていらっしゃいます。



大宮
稽古は、毎日毎日、一ヵ月間もどうなの?

鈴木
初舞台の時に学校みたいと思った。

大宮
私も思った。

鈴木
決まった時間に起きて、電車乗って、コンビニでお水買って、決まった時間に稽古終わって、帰って。

大宮
私、初舞台の時、出演者が、みんなバラバラだったから仲良くなってもらいたいと思って、稽古場に置いて帰る持ち物を微妙に近づけていったの。次の日、登校した時に「おれの荷物、近づいてない?」みたいな。あとは、交換日記もして、あとで、わたしがそれを読むの。杏ちゃんは、共演者と仲良くするの?努力したりするの?

鈴木
あまり無理はしないかな。相手も自分のペースもあるし。ふっという時に目が合って笑うだけの些細なことの繰り返しだと思う。なるべくオープンマインドでいたいと思うから素直になるしかない。お芝居をするのも頑になっていると何も進まないと思う。




大宮エリーさんの個展
「シンシアリー・ユアーズ ー 親愛なるあなたの 大宮エリーより」
「公式ホームページ」
期間: 2016年5月28日(土)〜2016年9月25日(日)
会場:十和田市現代美術館.

鈴木杏さんご出演の舞台
「母と惑星について、および自転する女たちの記録」
「公式ホームページ」
公演日程: 2016年7月7日 (木) 〜 2016年7月31日 (日)
会場: パルコ劇場

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