赤い口紅は女であることを確認できる

野宮真貴さん(シンガー)×ジェーン・スーさん(作詞家、コラムニスト)

2017

01.15



女性たちから支持を集めるおふたりに大人の女性にとってのマストアイテムである「赤い口紅」についてお話を伺いました。

最初から美人はほぼいない



野宮真貴さんは、昨年、幻冬舎からエッセイ「赤い口紅があればいい いつでもいちばん美人に見えるテクニック」を発表されました。この本の中で、野宮さんはこれまでの経験から誰もが簡単に効率的に美人になれる方法を紹介しています。

野宮
私は、もともとが生まれつきの美人ではないけど、歌手として人前に立つので出来る限りキレイに見えるように工夫をしてきたんです。それが歌手生活35年分たまってから、そろそろ若い方にお伝えしていいかなと思って、なるべく具体的にこの本を書きました。

ジェーン・スー
すごく具体的なのがよかったです。きれいになる本は、「毎朝、大好きっていう気持ちを目が覚めたら口に出しましょう」みたいのが多いじゃないですか。そうじゃなくて、今すぐどうにかなる方法を教えて欲しい!

野宮
そうそう。ジムに行くのもいいけど、私はそういうコツコツと努力するのが出来ないので、いかに楽してキレイに見せるか。そのために化粧品とかいろいろなものを利用したり、目の錯覚も利用したり、光を味方につけるとか、写真の撮られ方とかなどを書きました。

ジェーン・スー
もしかしたら最初から美人の人は、ほぼいないと思いますよね。

野宮
そうですよね。

ジェーン・スー
顔の作りやスタイルが良かったりしても両方が揃っている人はほとんどいないし、揃っていたとしても年齢によってその人の魅力はどんどん変わっていくので誰もがひと工夫しないといけない。

野宮
年齢によって変わっていくから、変わっていくことに対して若いままの髪型だったらアップデートしないと古臭いに人になってしまうんだよね。

ジェーン・スー
具体的な道を野宮さんというアイコンだった人が指し示してくれるような未来がくるとは思っていなかったので生きていてよかったなという感じですよ。




年齢を重ねた女性だからこそ口紅にトライしてほしい!



野宮
赤い口紅は、つけるのに勇気がいるから、敬遠する方が多いんですけど、40代になって顔色がくすんできたり、シワやたるみなど嬉しくない変化が出てくるので、そういう時に赤い口紅をつけると顔がぱっと華やかになるし、口が目立つからイヤというんですけど、目立つことで他のシワとかに目がいかないという効果があるので、キレイになるための手っ取り早いアイテムだと思うんですよね。

ジェーン・スー
赤い口紅がはまった時に、ちょっと自分からにじみ出してくる色気や女をうまく受け止めきれない時期もあったのかなと思っていて。今だと誰も見ていなし、気にしないって感じですけど。

野宮
女性であることを確認できるアイテムでもあるから。

ジェーン・スー
実際に照れがあって、”こんなのわたしに似合わない”、”女っぽく見られるのがイヤ”だと言いながら、女っぽい自分を見せたいと思ったりするせめぎ合いが大変だと思うんですけど、一回あまり深く考えずにつけてみて、生活してみるとちょっとこういう時は髪型を変えたほうがいいのかなぁとか、まゆげも口も強く描いてしまうと顔が古くさくなるなとか、やることによって他のところがどうしたらいいのかを必然的にわかってくるようになるなと思ってきました。

野宮
そうですね。赤い口紅をつけている自分に見慣れるというのも大事なので。外でつけられないなら、まずは家の中でつけて普段通りに過ごして、時々、鏡に映る自分に慣らしていくっていうのも大事かなと思います。




野宮真貴『赤い口紅があればいい いつでもいちばん美人に見えるテクニック』幻冬舎より発売中

ジェーン・スー『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり』文藝春秋より発売中


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