Dream Heart(ドリームハート)

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REPORT 最新のオンエアレポート

Dream HEART vol.226 矢島里佳さん

2017年07月29日

今週お迎えしたのは、株式会社和える(aeru) 代表取締役の矢島里佳さんです。

矢島さんは東京都生まれ。
職人と伝統の魅力に惹かれ、19歳の頃から全国を回り、慶應義塾大学 法学部政治学科在学中に、
日本の伝統文化・産業の情報発信の仕事を始められます。

「日本の伝統を次世代につなぎたい」という想いから、
大学4年在学中の2011年3月、株式会社和えるを創業しました。

そして、翌年、2012年3月、幼少期から職人の手仕事に触れられる環境を創出すべく、
赤ちゃん・子どもたちのための日用品を、日本全国の職人と共につくる、
“0から6歳の伝統ブランドaeru(あえる)”を立ち上げられます。

現在は、日本の伝統や先人の智慧を、暮らしの中で活かしながら次世代につなぐために、
様々な事業を展開されていらっしゃいます。
今週は、そんな矢島さんの活動に注目してお話を伺いました。



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──日本の伝統


茂木:”日本の伝統を次世代につなぐ”という、素晴らしいアイデアだと思うんですけど。
もともと、職人さんの世界に出会ったきっかけは何だったんですか?

矢島:私自身がジャーナリストを目指して大学に進学してまして。
伝えるのが好きだったんですけど、”何を伝える専門家のジャーナリストになろうか?”と考えたんですね。
そのときに、私自身が”日本に憧れる日本人だった”ということに気付いたんですね。

茂木:原風景みたいなものを追い求めていたんですか。

矢島:海外に旅行へ行ったり、ホームステイに行ったりすると日本人の代表のような扱いを受けまして、いろいろ聞かれるわけですよ。

茂木:そのときに知らないと?

矢島:例えば英語というのは、ツールであって中身がないと何も伝えられないじゃないですか?
そういうことがあって、これは日本の伝統の職人さんに会いに行って、伝統産業という未知の世界を知りたいし、伝えたいと思い始めたんですよね。

茂木:ご覧になって、職人さんの現状は大変なところもあったみたいですね。

矢島:”衰退して、これからどうなっていくんだ……”という、こういう伝えられ方って多いと思うんです。
ただ私は、そんな中でも可能性がある産業だと思って。これからの時代、経済一辺倒でいく限界を感じられている2017年だと思うんですけど。

茂木:はい。

矢島:伝統産業って、経済活動もありつつも、そこには文化と伝統という要素もあって。
経済と文化が両輪で、緩やかな、経済を育んでいく社会の中ではものすごい可能性が秘められている産業じゃないかなと思ったんですね。

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──著書「やりがいから考える自分らしい働き方」

茂木:今回出版された「やりがいから考える自分らしい働き方」。
この本では一般の方にも分かりやすく書かれていますよね。

矢島:さらっと読んでいただけたら良いなというのと、能動的に読んでいただける本になったら嬉しいなと思って。
私が教えるとか、こうしたら成功するよという受動的な感じではなくて、私のいま考えていることを皆さんと一緒に考えていきたいなという、対話型の本になったら嬉しいなという思いで書いていたんですね。

茂木:お話伺っていて思うんですけど、言葉の組み立て方が非常にお上手ですよね。

矢島:嬉しいです(笑)。

茂木:職人さんの世界に出会ったきっかけは、週刊誌の連載だったみたいですね?

矢島:職人さんに会いに行こうというところで、最初は東京に来ているところを訪ねて行ったりしてたんですけど。やっぱり現地に行きたい、けども学生だからお金がない。
その時に、フリーのライターという仕事があるということを知りまして、企画書を書いたんですよ。
自分の年齢に近い職人さんを取材したいと、次世代につなぐ何かヒントであったり、若い職人さんが生き生きと、なぜこの産業で働いているのかを皆さんにお伝えしたいと…そういう企画書を書いて、毎日出会う人に渡し続けたところ、旅行会社さんと週刊誌さんで、職人さんの取材に行って連載してもいいよというお仕事をいただけて。

茂木:すごいね〜。

矢島:大学3年間くらい、連載の仕事でお世話になりました。

茂木:リスナーの皆さんは、矢島さんの話を聞きながら、”この子は何やっても成功してたろうな”って思ってると思いますよ(笑)。

矢島:いま自分がやりたいし、それをやると、なんとなく社会も一緒に喜んでもらえる気がすると見えた時に、すごいやる気が出てきたんですよ。

茂木:なるほど。

矢島:私だけが嬉しいかどうかというところでは、そこまで動けない自分にも出会ったりしてて。
「三方良し」という言葉があって、自分も嬉しいし、相手も嬉しいし、社会も嬉しい、それがピースが揃う感じがあって。
それが揃うとスイッチオンという感じで、パーっといくんですよね。

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「株式会社和える(aeru) オフィシャルサイト」

●やりがいから考える自分らしい働き方 / 矢島里佳



(Amazon)


来週も引き続き、株式会社和える(aeru) 代表取締役・矢島里佳さんをお迎えしてお話をうかがっていきます。
どうぞお楽しみに。