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  • 2016.09.20.Tue 第51回「In The Night 」Weeknd
今週加藤先生が選んだ曲は、カナダ出身のR&Bシンガーでソングライター、
Weekndの「In The Night 」です。
Weekndは2013年にメジャーデビュー、去年夏に大ヒットした「I Can’t Feel My Face」で
スーパースターの仲間入りを果たしましています。
さて、このWeekndのヒット曲「In The Night 」は、
音楽で現代社会の「暗闇」を描いているナンバーです。
歌詞を知ることでその社会の深刻な問題とそれに対しての彼のメッセージを学ぶことができます。

曲のタイトルの「In The Night 」、、夜に何が起こるか? ということですが、
これは子供時代に性的な虐待を受けた女性を歌った歌です。

All alone she was living
In a world without an end or beginning

彼女はずっと生きてきた
終わりも始まりもない世界の中をずっと生きてきた

Baby girl was living life for the feeling
But I don't mind, I don't mind

彼女は感覚だけで人生を生きてきた
でも僕はそんなことは気にしない

悲惨な状況で孤独に生きる女性の姿が歌われ、その後、、、

And all the wrongs she committed
彼女が犯したすべての悪い事

commit とは犯すという意味。
commit crime とは犯罪を犯すという意味。
commit suicide は自殺を犯す(自殺する)という意味なります。

つまり、子供時代の性的虐待を受けた彼女は、犯罪も犯してしまっている。
そんな一つの罪が他の罪に繋がっていく悲惨な真実が歌われます。

She was numb and she was so co-dependent 

彼女はその事について麻痺していて(何も感じない)
そして彼女は誰かに依存していた

She was young and all she had was the city

彼女は若くて 彼女が持っている全ては街だけだった。

ここまでの歌詞で「彼女」の置かれた厳しく悲しい過去と、大都会での孤独な今が描かれています。

性的虐待を受け、その影響で色々と犯罪も犯している、
しかも、心が麻痺して犯罪を犯している事にも何も感じない
また、一緒に犯罪を犯している人との間で特別なつながりを持っているという
一人の女性の姿が生々しく描かれてゆきます。

社会問題を歌ったWeekndの「In The Night 」。
性的虐待を受けることが、そういう不幸や犯罪につながる、
心理的精神的な問題、一つの虐待が様々な影響を人生に与えていくという
悲惨な真実をメッセージしています。

メロディーやリズムだけを聞いても名曲ですが、意味がわかって聞くと
その中に秘められた冷たい闇や事実に凍り付くような感覚にさせます。
しかし、それがまさに歌の力です。歌詞を是非知って、曲のメッセージをしっかりと
感じてください。

さて、来週取り上げるのはAdeleの「Someone Like You」です。
Adeleはイギリスのシンガーソングライター。
以前、去年リリースされた大ヒットシングル「Hello」をお送りしましたが、
今回取り上げるのは、2011年リリースのAdeleのセカンドアルバム「21」からの
大ヒットです。お聞き逃しなく!
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