今日加藤先生が選んだ曲は、Elton Johnの「Candle in the Wind」です。
Elton Johnはイギリスが生んだ世界中で愛されるシンガーソングライター。
50年以上のキャリアの中で30枚以上のアルバムをリリースし、
全盛期にはアルバム7枚連続で、全米チャートの首位になるなど、
名実共に世界のトップアーティストとして君臨し続けています。
数々のヒットの中から加藤先生が今日選んだのは、「Candle in the Wind」
オリジナルは1973年にリリースされたアルバム
「Goodbye Yellow Brick Road」に収められていました。
この曲は非常に有名な曲、Marilyn Monroeに捧げた曲。
Eltonの曲はいつも同じ作詞家(Bernie Taupin)が書いています。
その作詞家が「Candle in the WindはMarilyn Monroeだけのことじゃない、
名声の中で若くしてなくなって、その輝きをいつまでも保っている、
そういう人の歌だと考えてくれればいい」と言っている。
Elton John自身もこの歌を作った時はかなり有名になっていた、
「名声というのがどういうものなのか、その中で何を得て何を失うのかが
わかっていたから、この歌はとてもすらすらとできた」と語っていました。
ではまず出だし
Goodbye Norma Jean
Norma JeanはMarilyn Monroeの本名。
Norma Jeanという名前で生まれたが、
かなり晩年になって、本名もMarilyn Monroeに改名した。
つまり最終的にはMarilyn Monroeとしてなくなっている。
でもこの歌ではGoodbye Norma Jeanと、
Norma Jeanという名の彼女にお別れを言っている。
実はこの歌はイギリスのダイアナ妃のお葬式でも歌われたが、
この部分をGoodbye England's Roseと変えて歌い、
世界中で空前の大ヒットになった。
歌詞もかなりの部分を変えて歌ったが
Candle in the Windはもちろんそのまま。
色々な人に翻弄されて生きたという意味では、
ダイアナ妃もまさにそうだった。
Though I never knew you at all
あなたのことを全く知らなかったけれど(あったことはなかった)
You had the grace to hold yourself
あなたは自分を保つ、graceを持っていた。
ポイント→grace 優美さ、優雅さ、上品な美しさ。優しさ
・・・〜人の内側から出てくる美しさ
While those around you crawled
周りのみんなが這いつくばっている中で
〜彼女が自分の優美さを保っている中で、
周りの人は彼女に這うようにして群がっていた・・・
作り手からすると、そういう人たちに対して、
彼らは、彼女をセックスシンボルとして、そのイメージをつきまとわせ、
「自分のイメージを変えたい」という彼女の希望を聞き入れなかった。
そういう事を言っているのかもしれません。
They crawled out of the woodwork
彼らは突然どこからともなく這いずり出てくる。
ポイント→come out of the woodwork シロアリが木でてきた
壁から出てくるように、突然ぞろぞろと現れる事。
〜パパラッチなども含むのでは?
And they whispered into your brain
そして彼らはあなたの脳の中に囁く
They set you on the treadmill
彼らはあなたをtreadmillの上におく。
ポイント→treadmill 今ではルームランナーなど運動の機械の
ことだが、もともと粉を臼で引いたりする時に人が踏み続ける、踏み車のこと。
同じところを周り続ける・・・終わりのない短調な作業
〜過酷に歩かされ続けた事、与えられた役割を続けさせられる事を意味している。
And they made you change your name
そして君の名前を変えさせた。
〜自分と違うものに変えてしまった。虚像を作り上げられて、
自身の苦しみもあった。
Marilyn Monroeがなくなった時に作ったわけではなく、ずっと後の時代に彼女の栄光を歌った歌。
一方でMarilyn Monroeが地位と名声を得るために、犠牲にしたこともたくさんあり、
結局ひとりぼっちになって、最後は自分で命を絶った・・・それを
Candle in the Wind風の中のロウソクにたとえています。