未来授業2016 落合陽一先生の講義を受けて

講義テーマ「計算機自然(デジタルネイチャー)の思考法」

人と人の間をインターネットが繋ぐ、デジタルネイチャー時代。それは、どこからでもコンピュータ(インターネット)にアクセスできる社会がさらに進化し、コンピュータと現実の社会の境界線がなくなった=融合した世界。コンピュータの進化の話をすると必ず出てくる「脅威論」。私たちは「コンピュータに支配されている」のだろうか。紙の本と電子書籍、CDとデータ音楽。テクノロジーが進化して、私たちは「物質と実質」を自由に楽しむようになった。ARなどを通して視覚認識するモノ、オンライン上にのみ存在するモノ。個体(物質)として存在するモノ。どちらも確かに存在する。

「人間とコンピューターが共生する世界」はとても魅力的ではないだろうか?
デジタルネイチャー世代の私たちだからこそ、コンピューターと折り合うのではなく(支配する・されるではなく)、逆に人間らしさを発揮する楽しみにも気付いていけると思う。今こそ、私たちとコンピューターが得意分野を活かして、共に進化していくチャンスではなかろうか。

(文責:慶応義塾大学 水町夏子  取材:中央大学 佐藤千華、 青山学院大学 盛本志穂、 東海大学 太田美菜)

落合陽一
高桑早生

未来授業2016 高桑早生先生の講義を受けて

講義テーマ「義足というテクノロジーは人間を超えるのか」

13歳の時、骨肉腫のため左下腿を切断。少女の背中を押したのは、スポーツ義足の存在だった。テクノロジーが一人の少女に希望を与え、世界で活躍するアスリートは誕生した。

高桑選手にとってテクノロジーとは何か?義足の一言に尽きる。体の一部を司るものとしてテクノロジーを受け入れている。蘇生技術が発達したとしても、迷わず義足を選ぶ。今の自分を否定することになるから。

未来授業を通して高桑選手と出会い、私たちは自分たちが知らなかった、いや知ろうと努力もしていなかった世界が広がっていることに気づかされた。
障がいを抱える方に「手をさしのべる」のではなく「共に歩んでいく」という視点を抱かせ、純粋にパラスポーツを盛り上げたいという感情を引き出してくださったのは、高桑選手からにじみ出ていたアスリートの魅力によるものであると私は思慮する。2020年の東京パラリンピックを盛り上げるために、私たちができることは何だろうか?高桑選手に与えられたこの課題の答えを見出すことこそ私たちの使命ではないだろうか。

4年後の東京をつくるのは、私たちだ。

(文責:中央大学 髙橋可鈴  取材:東洋大学 秋山治毅、 東海大学 斉藤咲、 東海大学 伊藤拓洋)

未来授業2016 坂村 健先生の講義を受けて

講義テーマ「電脳都市をホンモノにするための哲学」

IoTやAIの進化は、新聞などでニュースの見出しとなり、今やメディアで見聞きしない日はない。スマホは私たちにとって手放せない必須なものになっている。これらテクノロジーは人間以上の力を発揮し、私たち人間がこれらの力を借りて生きていく“電脳都市”が形成されていくことは容易に想像できるだろうと坂村先生は提言する。

会場では、参加学生が「ロボットに意志や心がない」という共通認識を持つ中、人間がロボットに意地悪する映像が流れると同情の声が多く上がった。それを受けて坂村先生は問う。「ロボットに人権を持たせるべきか?」。様々な観点から意見がぶつかり合った。現段階では、そこに明確な答えはないかもしれない。しかし多種多様な視点に触れ、私たちの世代がテクノロジーの議論を深めること、ロボット時代・テクノロジー時代のダイバーシティを考えることにこそ意味があるのではないか。遠そうで近い未来の片鱗をそこに見た。

SFは思考実験だ、と坂村先生は仰った。だとすれば、SFとは映画の中のことだけでなく、この授業もまたSFであり、このようにSFを積み重ねることで、テクノロジーを得た私たちの”ハピネス“を模索し続けていきたいと思っている。

(文責:明治大学 石山紗衣  取材:筑波大学 鈴木秋生、 東洋大学 吉田昌平、 埼玉大学 土橋実生)

坂村 健