今週も「週末限定の里山暮らし」を家族で続けている馬場未織さんのお話です。
千葉県・南房総市の、三芳地区に、里山と古民家を購入した馬場さん一家が、週末限定の里山暮らしをはじめてはや10年。
NPOを立ち上げ、里山生活を色んな人が体験できる機会を作ったり、本を出したり。活動は広がりを見せています。
その一方、馬場さん一家は、お子さんもだんだん成長。時間が経過すれば、家族の形もきっと変わっていくことになります。
そんな中、馬場さんはこれから先、どうするつもりなのでしょうか。
「週末限定」の里山暮らしを続けるのか。それとも・・・!?
そのあたりを伺いました。

沖縄に移住したお友達が『きれいな青い空でも毎日見てたら普通になるよ。』って言ってたんですが、私は都市での生活もあるからか、行く度に毎回新鮮に感動しています。
こういう暮らしをできる人もできない人もいるとは思うんですけれども、田舎に家を持つっていうだけじゃなくて、いろんな形で自分の住んでるところじゃないところに愛着を持つとうのはいいんじゃないかと思います。自分の視点をひとつに定めちゃうと、そこからしか物を考えられないんですけど、例えば私の大好きな田舎のおじいさんとかおばちゃんがいますっていう、リアリティの中で世界を考えると見え方が立体的になるんですね。そういう人が増えれば、なにかを判断しなきゃいけないときの判断材料が増えたりとか、想像力が豊かになるっていう効果があるんじゃないかなって思っています。
ですから、里山学校にしばしば通ってくれる人がいるのはとても嬉しいことですし、家を持たなくても、草刈り体験、田舎暮らし体験なんかを親子でできるような環境がもっともっと整えばいいなっていうのは思ってます。


〜これからの南房総リパブリックとしての活動はどんなことありますか?
実はこの前2016年度のしめ縄を作りましょうということでみんなで集まって去年のもち米とかお米の藁を使ってしめ縄づくりをしたばっかりなんですね。次は春の七草をを全部自分で採ってみるっていうのを毎年やってるので、それをやるか、あるいは新しいことにチャレンジしてみようかなと思っています。
一年っていい感じに四季が別れていて、春が飽きた頃夏が来て、夏が飽きた頃秋が来て、一年たつと、一年前に楽しかったことがまた楽しみっていう、それがすごく上手くできてるなって思います。


〜将来的は東京と三好地区はどちらか選ぶんですか?
よく聞かれるんですよね。向こうで親しくしてる方にも早く東京から足洗ってこっちで茶を飲もうみたいに言われることがあって、とっても嬉しくって、ひょっとしたらそうなるかなっていう思いが半分ぐらいあるんですが、その時の家族の状況とか私が決められない色んな環境要因があるので、それを考えながら自然に決めようと思います。でも一方で、その方は「無理すんな」って言うんですよ。「やめたくなったらやめればいい。馬場さんちは実験なんだから、実験はいろんな結果が出ていいんだから」って言ってくださって、なんかそうするとすごく『〜ねばならない』ということがなくなって、とってもほっとするんですね。そういうゆるい感じの中で自然に導かれる方に行こうかなと思っています。もしかしたらそんな自由は今後なくなってしまうのかもしれないけど、今はそういうことをできるときは精一杯楽しもうかなって思います。

〜一方では、本当は東京にいたいけどやむなく実家に帰って田舎暮らしをしなくてはいけないとか、「田舎暮らしの大変なことをわかってるのか」みたいな厳しい意見もあると思うのですが。
当然あると思います。私たち自身もその葛藤が日々あるっていう感じです。例えばお寺をどうやって維持しようとか、地区の未来をどうしましょうとかっていうところについては、私は直接その当事者になりきれてなくて、サポーターみたいな状態なんですね。「当事者でもないからそんな気軽なこと言って」みたいなところは当然あると思うんですけど、一方で東京と南房総を出入りしているからこそ、地元の方が気がつかない価値を伝えたいと思っています。
無責任なことはしたくないし、全部は担えないそのもどかしさもあります。だけど私たちの役割はあるのかなって思っています。


4回にわたってお届けした馬場未織さんのお話いかがだったでしょうか。詳しく知りたい方はぜひ馬場さんの著書『週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記』をチェックしてみてください!

『週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記』ダイヤモンド社

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Ob La Di.ob La Da / Shango
・Only Love Can Break Your Heart / Neil Young
今週も引き続き、「週末限定の里山暮らし」を家族で続けている馬場未織さんのお話です。
千葉県・南房総市の三芳地区に里山と古民家を購入。月曜から金曜までは東京で働いて、普通の都会生活を送り、土日は里山へ。そしてまた月曜日からは都会での生活へ戻る・・・という馬場さん一家。
ただ、こういう生活って、本当に続けられるものなのでしょうか。憧れる気持ちがある一方で、実際長続きするか分からないという人も多いかも。
馬場さんに、そのあたりの疑問をぶつけてみました。

『週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記』ダイヤモンド社

〜里山暮らしに飽きたなとか思う瞬間ってありますか?
私は飽きないですね。むしろどんどん傾いていく感じはですね。やっぱり周りの環境音が、例えばそよ風の音とか鳥の声、木々のざわめきとか全く人工音がしないところにいると癒されるみたいで、三芳から戻って来るとかなり元気になってるんですよね。べつに癒されるために行こう!とかって思わないんですけど、金曜日くらいになると、ぼやっと明日何しようかなって思ってるっていう感じですね。

〜東京に戻りたくないなって思いませんか?
金曜の夜にパソコンを閉じたら、土日はやむをえずの場合以外は仕事をしないようにしているんですね。で、またパソコンを開く瞬間に戻っていくわけですが、やっぱりちょっとがさついた気持になったりとか、ちょっと子供しかっちゃったりとかするんです。でもアクアラインを抜けて川崎の工場エリアに入って行って、「これで私の週末おわり!」ってなると、スッと背筋が伸びる感じで、明日からまた頑張ろうみたいな気持ちになります。

〜馬場さんは南房総リパブリックというNPOの理事長でいらっしゃいますが、このNPOはどういうものなんですか?
子育ての環境を田舎に求める人っていうのはたくさんいて、でもどうしていいかわからないとか、別荘暮らしというわけではないけど、ちょっと日常に溶け込んだ田舎暮らしがしたいっていう人たちに「実はできちゃったりするよ。」っていうことを、一緒に体験する中で感じて頂こうということで、二地域居住を推進しながら里山をみんなで守ろうというような活動をしています。
2010年にCOP10が開催されたときに、里山を守ることの重要性が世界的に認識されましたけど、その担い手はいないんですよね。みんなおじいちゃんおばあちゃんになっちゃってる。ですから、その地域だけで里山を守るのは結構難しいので、だったら外から来る人を増やすとか、そういる中で里山保全ができればなというのが狙いです。


〜実際にどんな活動をされるんですか?
いちばん大きい柱としては里山学校というのがあって、地元の草木や生き物に詳しい先生と一緒に自然を親子で学ぶっていうことをしています。例えば野山にポンと連れていかれて「ここで遊びなさい」って言われても、しばらくは気持ちいいねって思うんですけど、あとはじゃあバーベキューでもしようかみたいな感じで手持ち無沙汰になっちゃうんです。でも知識があって、木々や花や虫のおもしろさを見る目があれば、いくらでも自然って楽しめるんですね。「雑草に見えるけど、これとこれとこれは食べられる。これは毒草」っていうようなものがわかるようになると、雑草と思って見ていたものが宝の山に見えてくるんですね。その自分に変わっていく喜びを親子で体験したり、夏は川に入って、魚やカニなどの水辺の生き物たちを捕ってそれをじっくり観察するとか、そういう自然となるべく近い距離で楽しんでいくっていうようなプログラムを提供しています。あとは六月のビワのおいしい時期にビワ山に歩いて行って「こういう山間にビワができるんだ」っていうのを体感しながらビワを食べたりします。

〜そういう活動をしている中で、里山暮らしをしたいって思ってる方は増えてると感じますか?
2014年の2月に「週末は田舎暮らし」っていう本をだしたんですけれども、そのなかで私たち家族が奮闘する様を描いたのですが、それを出した後にメールとかお手紙で「実はこういう暮らしがしたかった。どうすればいいですか?」「どこにどう物件を探せばいいですか?」っていう相談の連絡がたくさん来るようになってちょっとびっくりしたんですね。あ、こんなにいるんだと。あとは、「私もしています。」っていう人からもたくさん連絡がきました。こうやって複数の拠点を行き来しながら、全部の地域を愛しているっていう人たちがたくさん増えるといいなって思います。そうすると、都市だけじゃなくて田舎の暮らしにも自分のことのように想像力が持てるようになって、世界を見る目が変わるだろうなと思うんです。

〜どのくらい収入があればその生活ってできますか?
里山暮らしは生活の規模を小さくすることを工夫することがかなりできると思うんですね。例えば年収200万切ったとしても割とやりくりできる。その内訳の大きいところは家賃が滅茶苦茶安いっていうところ。ほぼタダみたいなところから数万程度で結構大きいおうちが手に入ったりっていうところでやりくりできる。ただ二地域居住の場合は往復のお金と、二つのおうちを維持管理するというお金が必要になります。当時はレンタルの物件がなかったので私たちは買ったのですが、今はレンタルの物件も出てきているので、借りてやってみるっていうのもいいなと思います。今空き家問題とかも大きくなってきてるので、そういう物件も増えてくると思います。

馬場さんのお話いかがだったでしょうか。さらに詳しく知りたい方は、馬場さんの著書『週末は田舎暮らし---ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記』(ダイヤモンド社)もぜひチェックしてください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Creepin' In / Norah Jones
・Better Together / Jack Johnson
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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