前回に引き続き明治神宮で行われたイベント「アースデイ いのちの森」のレポートです。

4月22日のアースデーに合わせて、毎年行われているこのイベントは「いのちの森プロジェクト」という大きなくくり一環で行われているものだそう。
ということで、プロジェクト全体の概要について事務局を務めるNPO法人 響の山下泰さんに伺いました。

◆いのちの森のプロジェクト
「いのちの森」のプロジェクトというのは4つありまして、一つは都内の緑化。もうひとつは日本全国の緑化。もうひとつはいきもの図鑑プロジェクト。そして今日行われている『アースデイいのちの森』という環境の祭典ですね。この4つで構成されています。
まず全国の緑化の話をしますと、我々は明治神宮の森の木々が落としたどんぐりの苗木を育てています。明治神宮の森のとしたどんぐりはですね誰も拾っちゃいけないんですけれども、我々だけは特別に明治神宮から許されていまして、それを採集して育てて苗木にするという活動をしています。これが今、一万本近く、明治神宮の中のどんぐり畑にあるんですけれども、そのどんぐりの苗木を持って、全国に植樹しに行くという活動をしています。
さらに都内も緑化したいということで、基本構想としては明治神宮から皇居までグリーンのベルトを作りたいということで、生物が行き来できるような道を作ろうという構想があります。実は2年前から2年間かけて、明治神宮で50年に1回の生き物の調査をしたんですね。総合調査と言いますけれども、植物、哺乳類それから微生物、虫、鳥、もちろん木もですね、全部調べたんですけれども、その時に絶滅危惧種や新種が発見されました。皇居も絶滅危惧種や新種がいるということで、その二つのエリアを緑の道で繋げれば生き物の行き来もできるだろうという考え方で活動をしています。


このどんぐりの苗木は、興味のある人が「里親」になるシステムもあります。里親になった人は苗木を1年間預かって、大事に育てます。そして翌年のアースデーのイベントの時に、持ってきてもらうというもの。将来的には、育てた苗木を、里親の方々も一緒に植樹するツアーを実施したい、と山下さんは話しています。

さて、いのちの森プロジェクトで進めている企画は他にもあります。その一つが、「いきもの図鑑」を作ろう! という企画です。この「企画を担当している大木秀晃さんにお話しを伺いました。

◆いきもの図鑑
「いきもの図鑑」のプロジェクトは、元々は明治神宮の生物調査がきっかけになってまして、調査書を見せてもらったときに、たくさんの生き物がそこに写っていたので、これをもっといろんな人が参加できるような仕組みにできないかなということを考えました。そこで、参加型のワークショップで明治神宮の生き物を集めていってそれを図鑑にしていこうというプロジェクトです。
明治神宮の中で活動しているNPO響の方たちにガイドしてもらいながら、スマートフォンを子どもたちに持ってもらって、そこの説明をしながら一緒に撮影をしていくというワークショップになります。スマートフォンで撮影して拡大すると、肉眼では見えないような、たとえばカマキリの毛まで見ることができたりします。
いきものを見つけるのは子どもの方が早いですね。森に入ったときって、みんな最初「生き物いないじゃん!」って言うんですよ。だけど足元にあるのも、見えてる景色が全部生き物だから、最初そういう風に思わないんですけど、写真を撮り始めるとその解像度がどんどん上がっていって、「あ、ここにもいる!ここにもいる!」って、子どもの方が切り替えは早いですね。
最初にきっかけとなった調査書というのは専門家が作っているものなので、それとは全く別で、みんなが撮った写真を集めて図鑑にしていくというようなプロジェクトですね。基本的にはそれらの写真はウェブにアップされていきますが、できれば季節ごと、もしくは半年ぐらい置きに冊子にしていけたらなと思っています。



今回ご紹介したお話し、いかがだったでしょうか。興味を持たれた方はぜひ「明治神宮いのちの森 いきもの図鑑プロジェクト」のサイトをチェックしてみてください!
http://ikimono-zukan.jp/

【今週の番組内でのオンエア曲】
・レター / ハナレグミ
・Crazy Love / Michael Buble
今回は、去年もこの初夏の時期にお届けした、東京のまんなかにある、大きな森、明治神宮の森のレポートです。
毎年、この明治神宮の豊かな森を舞台に、「アースデイ いのちの森」というイベントが開かれています。東京の真ん中で、森と向き合い、木と触れ合いながら、自然とともに生きることを考える場づくりとして 毎年行われているもの。今年も、たくさんの子どもたち、親御さんたちが様々な体験を楽しんでいました。

東京にお住まいの方、行ったことがある方はご存知かと思いますが、明治神宮は広さは70万平方メートル。東京ドーム15個分!という、広大な面積の森なんです。
そして先月、この明治神宮の森を会場に行われたのが、「アースデイ いのちの森」。
市民団体「いのちの森」が、明治神宮の特別許可をもらって実施しているものです。会場では、森に触れることのできる様々なワークショップが行われたのですが、その一つが、野鳥の会の方のガイドによる森の散策でした。

◆歩いて探そう!代々木の杜に棲む生き物たち
この穴はモグラの穴です。モグラのごはんはこのミミズです。モグラは穴を掘りながらミミズを探してるんじゃないんです。トンネルをつくって、トンネルにミミズが来るの。そうするとここにいるモグラがパキって噛みついて食べるの。
ミミズをまず頭から食べるの。そうやってしごきながら食べると、ミミズのおなかの中に入っている泥がこっち側に来るわけ。で、反対側からこうやって食べると泥を食べなくて済む。すごいでしょ?


杉の葉っぱ握ると痛いものとあんまり痛くないものがあるんです。明治神宮の杉はあんまり痛くない葉っぱなんですけれども、本来、太平洋側にある杉のは握ると痛い杉が多いんです。千葉の山武杉なんかはかなり痛い。
握って痛くない杉は新潟だとか秋田だとかに多いそうです。そういうふうに、地方によって個性があります。何でそういう杉がここにあるかっていうと日本全国から運んできた木を植えた人工の森だからです。

上を見てみると、クスノキがステンドグラスのようになっています。よく見てみると、葉っぱが重なってないでしょ?ちょうど切れ目で葉っぱ止まってる。それは、重なってると下の方は日が当たらなくて枯れちゃうから、そうならないように途中で止まるの。さっきクスノキの葉っぱの匂いを嗅いでみたよね?これはガスが出てるから。このガスが、「あ!葉っぱが近づいてきてるな」と思ってそこで止まるの。においで木はコミュニケーション取ってるんだよ。木は言葉しゃべれないから、動けないからガスでしゃべってるんです。


参加されたお子さんたちはいろんな自然を楽しんでいました。
そして、このガイドをされた日本野鳥の会東京の金森光伸さんと糸嶺篤人さんにお話をうかがいました。

◆日本野鳥の会東京金森さんのお話
明治神宮は23区の中ではかなり自然が豊かな森です。夏鳥できれいな声で鳴く鳥、キビタキが繁殖してるみたいなんですよ。わざわざ南の方から春にやってきて繁殖できるというのは、それだけの豊かな森だということなんです。夏鳥が繁殖できるというのは、いろんな虫とか木があって、それだけ豊かで安心できる環境だということなんですよね。
ちょうどゴールデンウィークの頃は夏鳥が高尾山の辺りの山に繁殖のために渡る途中の中継地になるんですよ。だからオオルリとかキビタキとかサンコウチョウなんかもここ数年見られるんですよ。貴重な夏鳥がやってきます。

◆日本野鳥の会東京糸嶺さんのお話
子供たちには、緑の中で自由に動いてもらって、その中で「ここにこんな虫がいるよ。」「こんな花が咲いているよ。」っていうのをちょっと示してあげるだけでいいのかなって思ってるんですね。それは普段の観察会でもそうなんですけれども、普通はなかなかそういったことに気が付かないんですよ。鳥なんかその最たるもので、東京の街中にも結構いろんな鳥がいるんですけれども、自分の家の周りはスズメとカラスしかいないと思っている。でも普段からちゃんと見ていると、「あれ?スズメじゃないぞ。」っていう鳥がわかるようになりますね。
野鳥の場合は羽があるので、街の真ん中にも来てくれるそういう野生動物です。ですから、野生の生き物と付き合う入門編としては適してるんだろうなと思いますし、例えば明治神宮の森は間もなく百年になる森ですけれども、昔はもっと草原の鳥がいっぱいいたのに今本当の深い森の鳥ばっかりになってきてるんですね。
例えば二十年ちょっと前にはキジがいっぱいいて、観察会やる度に「ケーン、ケーン」という声が聞こえていたのに、ここもう二十年くらいは全く一羽もいないです。その代わりタカの仲間がどんどん入るようになって、逆にタカが来てしまったことでカモの仲間が減っています。ムクドリだとかカワラバトもいっぱいいましたが、あれがもう本当に中入ってこなくなっちゃいまして。そういう変化もあります。


今回のお話いかがだったでしょうか。来週も引き続き「アースデイいのちの森」のレポートをお届けします。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・1234 / Feist
・Heartbeat / TAHITI 80
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