今週もも引き続き、プラントハンター・西畠清順さんと番組パーソナリティ高橋万里恵によるトークイベントの模様です。

東京代々木にある、世界の珍しい植物あふれる商業施設「代々木ヴィレッジ」で行われたこのイベントは、西畠清順が先日出したばかりの新しい本「はつみみ植物園」の出版記念として行われたもの。この本でも紹介されている植物の「へえ〜」なお話、いろいろと披露してくれました。


西畠:みなさん、なんで門松を正月に立てると思います?なんでクリスマスツリーをあの時期に飾ると思います?なんで葉っぱは緑なのかなとか、森と林の違いは何なのかなとか、知ってそうで知らない植物の常識を一冊にまとめた本が「はつみみ植物園」です。
高橋:森と林の違いも聞きたいんですが、これ教えて欲しいんですけど、本のなかに野菜と果物の話あったじゃないですか。野菜と果物ってなにが違うんですか?
西畠:農林水産省が一応決めてるんですよ。あと辞書引いてみてください。どれを見ても全部曖昧でちゃんと決まってないんです。一般論としては、例えばりんごとかオレンジとか木になるものは果物。種から生えて草になるものを野菜。例えばネギとかトマトとか。でもそれに当てはまらない植物はいっぱいあるわけですよ。
例えばバナナなんかはフルーツとか思われがちですが、あれ木になってるわけじゃない。草なんです。ただでかいですが。だからあれはそういう意味では野菜なんです。そういう言い方をすればね。

スイカもフルーツっていうけど、あれは下からツルが生えてきてなります。だから本当は野菜なはずなんです。つまり野菜と果物っていう差はないんです。僕たちが勝手に野菜だ果物だって言ってるだけっていうようなことがこの本を見たらわかります。
でも一般的に果物といわれてるものと、野菜っといわれてるものの差は何?って聞いたら、果物は甘くて、野菜は甘くないというイメージですよね。自分もそうなんですが、果物好きな人はいっぱいいるけど野菜嫌いな人は多い。
実はこれ、植物の生理上当たり前のことなんです。果物が甘いのは、鳥とか動物に食べてもらって種を遠くに運んでもらうため。自分の種をできるだけ広げたいから甘くしたわけです。だから食べてもらいたいわけですね。もし食べてもらえなかったら、種は自分の下に落ちるわけです。そうすると親と子が日照権を争って戦わないといけない。それは得じゃないって、木はわかってるわけですよ。だから親はできるだけ遠くに種を運ぶために甘くして、自分の子孫を繁栄させるようにした。だから食べて種を遠くに運んでもらうためにおいしくて当然なんです。食べられたいから。
じゃあ野菜はどうでしょう。玉ねぎ、にんじん、ブロッコリー…。「野菜」って一般的にいわれるものは、キャベツでもレタスでもそうですけど、植物の体そのものなわけです。根っこであったり、葉っぱであったり、茎であったりするわけです。植物は葉っぱを食べられたくないし、茎を食べられたくないし、根っこなんてましてや食べられたくないに決まってるじゃないですか。だからまずくて当然なんですよ。だから子どもたちが野菜が嫌いっていうのも無理ないんです。まあお母さんは余計なこと言うなって、多分俺をことを怒ると思うんですけど(笑)
というような話が「はつみみ植物園」には存分に盛り込まれてるわけです。

高橋:最後に質問なんですが、「森」って好きですか?
西畠:好きですよ。森って非常にエネルギーが集まってる場所なんですよ。僕らが「森」って呼んでる場所っていうのは、元々は木とか植物が盛るように集まってる場所なんです。だからそれが転じて森になってるんですよ。
つまり何でもそうなんですけど、経済、お金が集まる大都市ってエネルギーがあります。人が集まるフェスもすごいエネルギーがあります。なんでも物が集約して集まるところには非常にエネルギーがあるわけです。森はまさに植物が集まる場所ですから、エネルギーが集まってるわけです。
だから明治神宮の森だってそうですけれども、エネルギーが集まる場所っていうのはそこに何か理由がある。もしくは作ったから理由がある。そういう場所がやっぱり僕は好きですね。

高橋:そういうところに行くと、私たちも何かもらえるものがあるんですかね?
西畠:それはね、それぞれに人がそう思ってもらえたらいいし、植物も音楽と一緒で、同じ音楽を聞いてても気分が良いときに聞くのと悲しいときに聞くのでは、同じ曲でも違うんですよ。例えば目の前に桜の花が咲いてたとして、それ見る時に自分がなにか意志を持って頑張ろうと思ってる時に見たら希望の花に見えるかもしれないし、大切な人を失ったときに見たらその人を偲ぶ花になったりするわけです。
つまりその人の心によって植物の空間だったり、一輪の花の見え方が変わってきますから、それが一番リアルなところなんですね。だからそういう意味では、森はそういう風に自分の心の鏡になる場所にもなるかもしれないですよね。


プラントハンター 西畠清順さんと番組パーソナリティ高橋万里恵のトークショー、いかがだったでしょうか。ポッドキャストでも当日の楽しい雰囲気をお伝えしていますので、こちらもぜひお聞きください!

西畠さんの新しい本「はつみみ植物園」は東京書籍から発売中です。ぜひチェックしてみて下さい。
また、この夏休みにも、西畠清順さんが手がけた様々なイベントがあります。
まず7月30日〜8月28日まで、「HOUSE VISION 2016 TOKYO EXHIBITION」東京 お台場ゆりかもめ・青海駅前の特設会場では、西畠さんが手配した、見た人がアッと驚くシンボルツリーが見られるほか、あの建築家 隈研吾さんなどとコラボした「水辺のある空間」も楽しめるということです。
さらに、去年の大好評を受けた「ウルトラ植物博覧会2016 西畠清順と愉快な植物たち」が8月4日から、東京銀座のポーラミュージアム アネックスで開催されるということです。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Magnificent Time / TRAVIS
・No Such Thing / John Mayer
今週も東京・代々木の「代々木ヴィレッジ」からのレポートです。

大きなビルが立ち並ぶ新宿のすぐとなりなのに、世界各地の珍しい植物が根付く、不思議な商業施設。レストランやバーもあって、たくさんの人がくつろ
ぐ空間で、週末には色々イベントも行われています。
そんな代々木ヴィレッジの植物を全てプロデュースしたのが、プラントハンター・西畠清順さん。今回は西畠さんの新しい本「はつみみ植物園」の出版記念イベントとして、代々木ヴィレッジのイベントスペースで行われた西畠さんと番組パーソナリティ高橋万里恵による、トークイベントの模様をお届けします。


高橋:今日は本当にたくさんの方いらっしゃって頂いて、ピースフルですね、本当に。
西畠:そうですね。そういう場所を目指して造ったので、なんかまさに代々木ヴィレッジらしい感じだなと思ってます。

高橋:代々木ヴィレッジはJRの代々木駅から徒歩1、2分ですよね。でも緑も豊かだけどレストランもあるし、バーもあるし、おいしいパン屋さんもあるし、代々木のランドマーク的な存在になってきてるんじゃないですか?
西畠:ここの施設をトータルでプロデュースしたのは音楽プロデューサーの小林武史さんで、ここの施設ができたのが2011年の秋なんですけど、本当は大きなビルを建てないといけないような立地に、半分以上こういう庭になって、こうやってお日様の下で人が集えるこういうようなロケーション。こういうような緑豊かな場所っていうのは素晴らしいっていうことで、完成した後、いろんな開発業者さんやディベロッパーさん、ゼネコンさんが視察に来られて、今ではこれをモデルにして、緑を集客装置にた開発をしています。ビルを造るとか、商業施設造るとかにしても、緑をおおいに取り込んでいくっていう風潮がものすごい高まりました。そういモデルケースになったんです。そういう風な良いプレゼンテーションをするためには、普通のガーデニングしてたらあかんなと思ったわけです。

庭を造るとなると、例えばフランス風の庭造るとか、和風の庭を造るとか、コーディネートされて造っていく。それは作り手の意図じゃないですか。作り手の作品なわけです。僕はそうではないんです。僕は庭師でもないしデザイナーでもないので、一個一個の植物が主役になればいいなと思ったわけです。
だからここにはペルーのペッパーベリーっていう木がある。ここにはインドのブッシュカンっていうみかんがある。ここにはメキシコのサボテンがある。それぞれの植物がそれぞれ主役になればいいなと思って、結論が共存っていうことをテーマにして世界中の植物が仲良く暮らす植物の楽園みなたいな庭を造りたいと思ったんです。なんか植物図鑑みたいな感じとか、動物園みたいな感じ。ぞうさんがいて、その隣行くとキリンさんがいて、その隣行くとペンギンさんがいて、その隣のお猿さんがいると。そういう感じでひとつひとつの植物がそれぞれにちゃんと自分で生きてるっていうことなんです。

高橋:本来は全然違うところの地域の木のを一気に見られる、共存共生してるのを都内で見るのってなかなかできないですよね。
西畠:そこはね、実は知識がないと成り立たなくって、例えば僕の後ろにあるこの総重量4トンのボトルツリーっていう木。これはタイの王族の方が花博をタイで開いたときに、これを6本くらいオーストラリアから持ってったわけです。そしてプロの植物業者さんが、プロのオペレーションをしたけど全部枯れた。中国の植物園、シンガポールの植物園いろんな人が世界的にこの木をオーストラリアから輸送して植えて育てようとして失敗してる中で、代々木ビレッジだけ成功したんですよ。

こういうこととかですね、ひとつひとつ自慢したらきりないんですけど、僕は何も考えてなさそうに見えるけど、意外にそういう植物の生理的条件をきちんと考えて、育てれるような状態を作って育ててるんです。

高橋:ここにはいろんな国の植物があるわけですが、家でガーデニングをするときに、一緒の鉢に植えると、枯れちゃうのが出てきたりするんですけど、土って全部一緒でも大丈夫なんですか?
西畠:やっぱり植物っていうのは、例えば酸性土を好むもの、アルカリ性を好むものなんかがあります。わかりやすい例で言うとブルーベリーは酸性の土が大好きです。でもオリーブは弱アルカリ性が好きです。だから一緒に暮らそうと思ったら、じゃあ間を取るかっていうことになってきたりとかするんですけど、そういう性質はあります。アジサイなんかは酸性でもアルカリ性でもいけるけど、それによって花の色が変わります。また、水を嫌うものもあれば、それが大好きなものもある。それはそれぞれちあります。でもここはひとつのグラウンドにありますよね。それはやっぱりほんのちょっと土の中でサポートをしてるっていうとこもあります。

高橋:なるほど。さあ、そしてこの代々木ヴィレッジには、なんでも100年に一度の出来事があるっていうことなんですけが。
西畠:はい。まあ100年に一度くらいしか咲かない。つまりそれくらい滅多に咲かない花が代々木ヴィレッジで咲き始めました。センチュリープラントっていわれていて、100年に一度咲く花っていう意味なんですけど、学名が「アガベ・サルミアナフェロックス」よくアガベフェロックスっていわれるんですけど、アメリカに生えてる巨大果肉植物です。

高橋:今、10メートルくらいはありますかね?上に蕾っぽいのが見えます。あれ蕾ですか?
西畠:そうです。今蕾が少しずつできてますね。付け根にいくと、ロゼット状に開いた太い葉っぱがあって、その真ん中からビョーンと花を揚げてるわけですよ。この植物は自殺をする植物なんですよ。自分で「よし、今死のう。」って決める植物なんですけど、その死のうって決める時はどういう時かっていうと、十分に自分の体のエネルギーが充実して「よし、これなら次世代に子供残せるぞ。」っていった時。そのときに命をかけて花を上げて、全身全霊で花を咲かして、受粉をして、そしてたくさんの子供を残して親は死んでいくっていう植物なんです。この巨大なつくしみたいなの先っちょにクリーム色っていうか、白というか黄色というかの、もう無数の花が咲きます。



プラントハンター西畠清順さんと番組パーソナリティ高橋万里恵さんのトークショー、いかがだったでしょうか。この模様はポッドキャストでも詳しくお届けしています。たのしいハプニングも聞けますので、ぜひこちらもお聞きください!

トークショーの時はまだ蕾だったアガベフェロックスの花が、7/13から咲き始めたそうです!ぜひそら植物園のサイトをチェックしてみてください!

来週もトークショーの続きをお届けします。お楽しみに!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・イロトリドリ / ゆず
・Pay My Rent / DNCE
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