プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。


今週は、静岡県・浜松市天竜区、天竜川の流域にある森林で行われた伐採体験ツアー『与作ツアー』の模様をお届けします。
このツアーは天竜川流域の林業家や材木店の方の案内で行われるもので、日本の人工林の中でもっとも美しい杉林のひとつといわれる「天竜の杉林」に触れながら、その杉が材木として生まれ変わる過程を見ることができるというイベントです。

番組ではこちらで林業を営む榊原商店の代表・榊原正三さんにご案内頂きながら、実際に木を切り倒す現場を取材して来ました。杉林が植林され、成長し、そして材木へと変わる過程や木の不思議な力についてご紹介します。

◆1本ごとに、履歴証明ができるバーコードで管理
一人一人の人間に特徴があるように、1本1本の杉にも特徴があります。背の高さ、胴回り、肌の色つや、健康状態など、それらを伐採する直前にデータ入力されたバーコードが、伐採時に付けられ、木材になるまでずっと管理されていきます。
ということで、この日切られた杉は、推定70年以上、高さ30m、胴回り222cm、状態Aランクの杉が伐採されました。


◆伐採の瞬間は、『第二の人生へ、旅立ちのとき』
伐採の瞬間、大きな音と共に山に70年間立ち続けた杉が倒れ、振動が響き渡りました。その瞬間をどんな気持ちで毎回迎えているのか榊原さんに尋ねたところ、『木にとっては、第二の人生へと旅立つとき。植林した木がどんどん大きくなり、樹齢70年に育ち誰かに使われるために旅立つ日。女性は子どもを産む陣痛を想い出し涙が出るという。』

伐採されたばかりの木の断面からは、杉のいい香りが広がっています。手のひらで触ってみると、水をたっぷり含んでいるのがよくわかります。早速「含水率」を計ってみると・・・

◆自然乾燥の『葉枯らし乾燥』にこだわる
伐採された木の断面は、含水率113%と表示されました。ざっくり、木と同じ質量の水が入っていることになります。木材として使うためには、この含水率を25%くらいまで乾燥させる必要があるのですが、この下げ方がポイント。榊原商店では昔ながらの『葉枯らし乾燥』という手法で、手間暇かけて乾燥させています。

「葉枯らし乾燥とは、木を切って、葉を付けたまま3か月以上山に放置すること。すると枝葉が子孫を残すため、(幹から)水分を吸い上げ、中の水分が抜けていくため、重量が半分くらいになります。この葉枯らし乾燥は、住宅には最高の方法でした。
でも昔からやっていたがいつしかやらなくなってしまった。理由は経済優先となり、山で寝かすよりも早く切って山から出してしまってお金を回収しようという動きになったからです。そのため、機械乾燥が主流になりました。80度〜100度の窯で乾燥させると1週間で水分は抜けますが、中の養分も抜けて、木が木ではなくなってしまうのです。環境を悪くして、木を工業化させてしまいました。それが木にとっては可哀そう。100度の窯に入れられるなんてたまらない。
木を見れば一目瞭然、匂いも全く違う。葉枯らしをやって43年だが、葉枯らしの木は香りがしっかり残る。人工乾燥かけると内部割れが起こる。
木の強度が落ちることが実験でも分かっている。それがなかなか一般の方に分かってもらえない。木が割れるのは「悪い」とクレームを言われるため、人工乾燥で外側を割れないようにしてしまう。でも中は割れている。見てくれが悪くても木の強度を考えてほしい。我々は天然乾燥で住宅をやっていて、それは300年以上持っている。」

植林した木を大事に育てるように、伐採してからも手間暇をかけ愛情をもって木材にしていく。日本の林業が衰退していくと言われる昨今、こうしてこだわりをもって林業に取り組む榊原さんのところでは、20歳〜70歳の職人さんが、元気よく働いています!私達もせっかく木材を使うなら、長く使える木を選びたいですよね。

この榊原商店の「与作ツアー」、まだまだこだわりの手法があるようです。この続きは来週お伝えします!


榊原商店のホームページ
天竜 T.Sドライシステム共同組合
今週は横浜ゴムが各地の工場の敷地を利用して続けている森作りの取り組み、
『千年の杜』を取材した模様をお届けします。

これは横浜ゴムが2007年11月から行なっているもので、
国内外の工場などに50万本の苗木を植えるプロジェクトです。

すでに国内、海外を合わせて28万本の植樹を行なっています。
そのスタートとなったのが、今回取材した神奈川県平塚製造所の「千年の杜」。
その森を歩きながら、横浜ゴム環境推進室の篠田茂さんにお話を伺いました。

横浜ゴムの平塚製造所。
実はこの製造所の敷地には、長年かけて育てられた大きな森があります。
実際に私も、この森の中に入らせて頂いたのですが
空気がピンと張り詰めたような感じで、
工場の敷地内とは思えないほど。

この横浜ゴムの千年の杜は、森の長城プロジェクト・副理事で
植物生態学者・宮脇昭さんの指導で育てられたもの。
宮脇式の、混植・密植で育てられたその森の木々は高さ5メートルほど。
植樹してからまだ5年くらいしか経っていないのに、
大きくなるんですね。

さすが、宮脇式、混植・密植!!

むらさきしきぶ、寒椿、スダジイ、タブ、シラカシなどなど。
54種類の木々、27000本を使って平塚工場の森を作ったそうです。

その森の一部は、トトロに出てくるメイちゃんが歩いているような、
木のトンネルになっていました。
足元はふかふかの腐葉土!
鳥のさえずりも聞こえてきます・・・。

そして、篠田さんがおっしゃっていた「土づくりが大事」という言葉。
その土づくりの現場も、実際に見せてもらいました。

この土作りはユンボの免許を取るところから始まったそう。

褐色・レンガ色の土ではなく、植樹には黒い土が重要なんです。
葉っぱなど腐葉土が混ざった養分の高い土。
葉っぱを半年寝かせてあげると、黒い土になっていくとのことです。

それを土と混ぜると栄養素がいっぱいに。とてもふわふわで軽い。

土を自前で作り、苗も自前で作り・・・。
何でも手作りなんて、すごい!!
まるで自分の子供を育てるように、優しい目をして木々を見つめる篠田さんです。

そしていま、森作りのノウハウは、
番組で継続して取材している『森の長城プロジェクト』が取り組む、
東北・被災地の「命を守る森の防潮堤」作りにも、役立てられています。

その苗作りの現場にも案内して頂きました。

苗作りの場所を見ると、東北地方に持っていく苗と2種類分けて育てていました。

輪王寺や大槌町の植樹の際に持ち帰った種を育てているのですが、
輪王寺からのドングリは30cmほどの成長です。

もう植えられそうな状態!
この苗も、あと少しで命を守る森の防潮提に植えられるのでしょうね・・・

番組ポットキャストも是非、お聞き下さい!



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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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