プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

さて、草むらで鳴く虫の声もだんだん少なくなってきましたが、きょうは昆虫をめぐる、興味深いお話をたくさんお届けします。
スタジオにお越し頂くのは昆虫植物写真家 山口進さん。ジャポニカ学習長の表紙を飾る昆虫や植物の写真をずっと撮影してきた方です。
何十年にもわたり世界中を旅して写真に収めてきた、不思議な昆虫たちの話、いっぱい教えて頂きます!


〜山口さんを語る上で絶対に欠かせないのがジャポニカ学習帳です。みなさんも小学生の頃、学校のノートに不思議な昆虫たちの写真が表紙になっているのを記憶している方も多いのではないでしょうか。これは全て山口さんが撮影した写真なんですよね。どのくらいの期間撮影していたんですか?
40年近いんじゃないでしょうか。おそらく表紙だけで2000点くらいだと思うんですね。


〜もうほとんど日本にいらっしゃらなかったんじゃないですか?
ひどいときは一年のうち300日くらいはいなかったですね。僕が興味があるのが赤道周辺なので、インドネシアとかアフリカの中央部とかアマゾンの周辺によく行ってました。

〜きっといろんな世代の子どもたちがジャポニカ学習帳を手にしていると思うのですが、子どもたちの記憶に残っていることについてどう思われますか?
やっぱり写真って記録ですよね。いま、どんどん自然が失われていますから、そういうものがいたっていうことも記憶の中にとどめておかないと、いなくなって当たり前の世界が広まってしまうとまずいんですね。ですから、我々のひとつの使命はやはり記録に残していく。それまではいた、こういう環境があったっていうことを見て、子どもたちが、たとえばもっときれいな環境を作ろうとか、そういうふうに考えてくれることをいちばん期待しているんですけどね。

〜最初のころに撮った昆虫とかで、結構もう数が少なくなってきてしまっているのもいますか?
たくさんいます。とくに日本では草原性の蝶が特に少なくなったんですね。草原って放っておくと林になるんですよ。むかしは人の手によって、たとえば野焼きがあったりして、いつもゼロクリアしていたんですね。それがいまは放置されてどんどん林になっています。それから、草原っていうのはやっぱり開発されやすいということもありますね。そういうことで草原がまず消えていった。それで草原の虫がほとんど消滅しましたね。昔は茅葺屋根がたくさんありましたから、その材料を取るのに広大な草原が必要だったんですね。ですから、万葉時代はほとんど日本って、草原の国だったんですよ。そのなかで、いろんな秋の七草とか、鳴く虫とか育ってきたんですよね。ですから、いまたとえば、フジバカマなんていうのは本当に見るのが大変なんですね。そういうものが消えていっているということですね。

〜山口さんの本「珍奇な昆虫」のカバー写真になっているのがハナカマキリですね。これは、花にしか見えないですが、なんかランのようなというか、ユリの花のようですね。
まさにその通りで、英名をオーキッド マンティスっていって、ランのカマキリっていう意味なんですよね。これを最初にタイで見つけたんですけれども、一般的には、このカマキリはランに似ているから、ランのところにいて、ランのところに来る虫を捕まえているというふうに思われてきたんです。でもいくらランのところを探してもいないんですよ。それで変だなと思っていたら、インドネシアに高い山があって、そこにいったときにたくさんいたんですね。まあたくさんといっても、元々少ないんですけれども、一目で10匹くらいいた場所があって、それは畑の中なんですよ。畑の中にはいろんな雑草の花が咲いているんですが、それにミツバチが寄って来るんですよ。そのミツバチを狙ってる。ミツバチがハナカマキリに寄ってくるんですけれども、最終的にはハナカマキリの顔をめがけて飛んで来るんです。まさに自分を食べてっていうふうに飛んでくる(笑)そこをすかさずハナカマキリはガッと捕まえて食べるんですね。百発百中なんです。

〜なんで顔に?
それが変だと思って、じつはある大学にそれを持ち込んで、化学分析してもらったんです。そうしたら、ミツバチが仲間を認識するのに使っているフェロモンと同じものをハナカマキリはあごのところに持っていたんですね。だから、最初は花だと思ってミツバチは飛んで来るんだけれども、近づくと臭いがするので、顔に向かって飛んで来るようになっているんですね。

〜じゃあハナカマキリは主にミツバチを寄せている?
はい。その理由はいろいろあるんですが、ミツバチは一年中巣を作って活動してますから、いつでもいるんです。そうすると、一番いいエサなんですね。しかもはちみつっていう、栄養の高いものを持っているから、エサとしては最適なんですね。そういふうにハナカマキリは進化してきたのかなっていうことがわかったんですね。

〜じゃあいままでの学説はちょっと違っていて、あごにフェロモンを持っていて、対象はミツバチだったと。
そうです。だから、いつも葉っぱの上にいて、自分が花になってるんですね。それと、ランっていうのは、寄って来る昆虫が決まってるんです。だから、ランが咲いてもなかなか昆虫は来ないんですよ。そんなところで待ってたら餓死しちゃうっていうことですよね。

山口さんのお話いかがだったでしょうか。来週も引き続きお話を伺います!


山口進『珍奇な昆虫』/光文社新書

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Time To Wander / Gypsy & The Cat
・Starry / THE CHARM PARK

今回は10月14日(土)、福島県南相馬市・原町区で行われた第五回 福島県「南相馬市鎮魂復興市民植樹祭」のレポートお伝えします。
この植樹祭を主催する 鎮守の森のプロジェクトはこれまで、宮城県岩沼市、そしてこちら福島南相馬市などに、およそ41万本の苗木を植樹。神社の「鎮守の森」をモデルに、東日本大震災、阪神大震災でも防災・減災効果が注目された「命を守る森づくり」を、広げていこうと活動を続けています。

南相馬市での植樹祭は、これで5回目。南相馬市、桜井市長は開会式で参加ボランティアの方に、こんなメッセージを伝えました。

〜桜井市長の開会式でのあいさつ〜
震災から6年7ヶ月が経過しました。636人が犠牲になり、まだ111名が家族とも会えていない状況になっています。みなさんが植えてくださる一本一本は、亡くなられた方々だけではなく、これからここに暮らす人たちにとっても生活と命を守る木として、大きく成長することと思います。一本一本、心を込めて植樹していただきたいと思います。

今回で5回目となるこの植樹祭では、恒例となっていることがあります。世界各地で植樹指導をしている植物生態学者・宮脇昭さん、そしてそのお弟子さんたちの「植樹指導」です。今回は宮脇さんに師事した、横浜国立大学名誉教授、藤原一繪さんが植樹指導を行いました。

〜藤原一繪さんの植樹指導〜
この土地のものを、根がしっかりした苗木を混植する。混ぜて、競争させる。赤ちゃんのうちは雑草を取ってあげてください。その代わり、3年で、何もしなくても自立して立派な未来の森を築いてくれます。もうすでにいろいろな場所で森が出来上がってきています。この南相馬の森でも、10年前、12年前に植えた馬追場のコースの周りには立派な森が出来上がっているんです。この地域の寄木神社には、あの津波にも絶えたタブノキの森がいまだに残っています。それから、アカガシが相馬市の屋敷林や山にたくさんあります。シイ、タブ、カシ。これが重要です。10年で6mも芽を伸ばすんです。そして火に対しても強い。この集団が津波に対しても強いのです。これを混ぜる、隣り合わせに違う木を密植して、競争できるようにします。

そして大変な雨の中、なんと2300人のボランティアの方々がいっしょうけんめいに植樹を行いました。

地元から参加した女性
ここからすぐ近くに主人の実家があって、流されました。主人の親戚とか、いとことかは15人くらい行方不明になったり流されたりしました。じっとしていられなくて、3日目には戻って遺体捜索を手伝ったということがありまして、やはりみなさんで、こうしようと決めたことなので、少しでも手伝って弔ってあげたいっていう気持ちはやっぱりありますね。
今回のような未曾有の災害がないことを願っていますが、やはりそういうことがあったときにこれが役立ってくれたらいいなという気持ちはありますね。


原町から母娘で参加したお母さん
ちょうど震災のときに生まれて一ヶ月。仙台に6年くらい住んでいて、春に戻ってきました。植樹祭への参加は初めてです。やはり震災後、この沿岸沿いはびっくりするくらい変わってしまっていて、今日みなさんで植えた木が育って森になってくれたらと思います。子どもも楽しんでいて、自分が植えた木がすごく大事みたいで、ずっとそこだけ見てます(笑)これから何年か後にこの場所に来たときに、このなかの一本が自分が植えた木なんだ、っていうことってすごいんじゃないかと本人も感じると思うので、とてもいい経験だったと思います。

二本松市から親子で参加したお父さん
子どもはしぶしぶ来たんですけど、実際に作業してみると「楽しい」って言っています。やっぱりこういう機会ってあまりないじゃないですか。子どもにとっては、こういうボランティアに参加して、実際に体を動かして楽しいっていう気持ちを醸成させるのにすごくいい機会だと思います。何年か経ったらここにまた足を運んで、自分で見て実感したいと思います。


この日は雨で、地面もドロドロにぬかるんでいたのですが、それでも2300人の方が参加して3万本の木を植えました。単純計算でも一人10本以上を植樹したのは、それだけみなさん強い思いを持って参加されたのだと思います。
津波の傷跡が残る場所ではありますが、地元の方にとって心の拠り所になるような場所になるといいなと思いました。
この植樹祭ですが、来年も行われます。すごく楽しいので、気になった方はぜひチェックしてください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・ステップアップLOVE / DAOKO × 岡村靖幸
・By Your Side / Sade
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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