プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

今週は、東京をはじめとした都市部、市街地を「森の代わりに」住処にしている鳥たちのお話です。
これは「都市鳥」と呼ぶそうなんです。
もしかすると気づいている方もいるかも知れませんが、この「都市鳥」の代表、スズメなどの鳥が減っているということが言われています。その理由をはじめ、都市鳥たちの様々なお話を日本野鳥の会東京研究部長で都市鳥研究会 代表 川内博さんに伺っていきます。

「都市鳥」というのは私が30年以上前につくった造語です。都市という環境は生物にとっては非常に生きにくい環境ですが、どうやって彼らは生きているのだろうかということを研究しているのが都市鳥研究になります。
そしてもう一つの定義は、人と何らかの関わり合いを持っている鳥たち。街の中に住むには人間を無視して生きてはいけないわけですよね。ですから、都市に住む鳥たちは、何らかの人との関わりを持っているわけです。それは食べ物であったり、営巣場所であったり。
たとえば、ツバメだとか、スズメとか、こういうものが減っているというようなことがよく言われていますが、その要因の一つとして、営巣場所の問題があります。ツバメというのは、人家の玄関などに巣をつくっていましたよね。そういう場所がなぜいいのかというと、人通りがあって、人目がある。ある程度人間がたくさんいるところには天敵が近づかないんですね。そういうことをうまく利用して、彼らは子育てをしてきたわけなんです。
ことろが、人がいつもいるというところは、いまは少ないわけです。かつてはタバコ屋にいつもおばあちゃんが座っていて、まあ特にツバメには興味はないけれども、外をいつも見ていると。そうそうると、そういう場所は安心してツバメが巣をつくることができる。駅の改札なんていうのもそうだったんです。駅員がずっといて、切符を切っている。そういう場所がよかったのですが、いまはそういうところから人がいなくなってしまったんです。それから、東京都心のピカピカの外壁のビルには、泥で作った巣はくっつかないので、巣を作ることができない。そういう状況になっているんです。


まもなく巣立ちするツバメのヒナ(営巣場所が減って、減少の一途) 撮影者 : 川内博

スズメの場合は人屋根瓦の下の隙間などに藁屑で巣を作っていたのですが、いまは屋根瓦の下に隙間がない。そういった理由で彼らは数を減らしているんです。
また、鳥の場合には、子育てのときには動物質の食べ物が必要なことが多い。具体的にいうとミミズだとかの、生きている動物を与えるんですけれども、そういものが得にくいんです。そういうことから、子どもが少なくなっているんです。
その一方で、カワセミなんかは増えています。冬に都内の水辺を半日歩いていると、一羽か二羽見ることができます。ブルーとグリーンと赤っぽい色で、日本の中では綺麗な鳥の第一位ですね。そういう鳥が、昔はいろいろな水辺にいたといわれていたのですが、ちょうど第一回目の東京オリンピックのころには23区からいなくなってしまった。それが80年代になって復活したんです。で、復活したばかりか、かつては下町にいなかったのが、下町まで進出してきました。いまはどこにいってもいます。


カワセミの雄(秋から冬にかけては、都内の水辺でよく見られるようになった)撮影者 : 川内博
カワセミが一時減ったのは、ひとつは川が下水道や農薬で汚染されて、食べ物である餌がなくなったんです。それが、水質が改善されていったということがあります。カワセミというと清流というイメージがありますが、清流だと魚に見つかりやすいので、魚が逃げてしまう。それが少し濁っていると、上から見つけやすく、魚の方からは見つかりにくい。だから、ちょっと濁っているところのほうがいいんですが、そういうところにモツゴだとかの小さな魚が大量に増えたということが、いまのところわかっています。

また、ウミネコも増えていますが、それはちょっと問題なんです。というのは、ウミネコは本来東京あたりでは繁殖していなかったカモメなんです。諸説ありますが、おそらく怪我したウミネコを上野公園のあたりで放した、もしくは逃げたんだろうと。それでだんだん増えてきたんです。
ウミネコはマンションだとか、ビルの屋上で繁殖していますが、、声だとか糞で非常に住民の方が困っています。ウミネコは、雑食性で繁殖力旺盛なんですよね。ですから、彼らが増えるということは決していいことではない。そういうふうに見て、ずっと追っているんです。


ウミネコ(伊豆諸島などで繁殖する鳥だが、東京下町などのビル街でふえている)撮影者 : 川内博
ウミネコはかつては都市鳥ではなかったのですが、いまは都市鳥のなかに入れなければいけない。ビルの屋上がいま無人化されていて、安全な繁殖場所になっている。そういう人とのかかわり合いが出てきていて、ウミネコも都市鳥になっています。

今回のお話いかがだったでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・SLIDE FEAT. FRANK OCEAN & MIGOS / Calvin Harris
・To The Sky / Owl City
今週も先週に引き続き、「モバイルボヘミアン」四角大輔さんのインタビューをお届けします。
ニュージーランドで半自給自足の生活をしながら、日本と世界各国を旅して暮らしている方。今日は、いつか田舎暮らし・里山暮らしがしたい、そんな気持ちを持っている方に、四角さんからアドバイスをして頂きます。

〜日本でも最近は、都会ではなくて里山暮らしに憧れる風潮ってあるかと思うのですが、リスナーの方でもそういう生活に憧れている方もいらっしゃると思います。そんな方にアドバイスありますか?
世界中そうなんですが、都市部から距離を置いて、自然豊かな場所に移住するというのが一大ムーブメントになっていて、日本でもそうなんです。雑誌もそういう”移住”という特集を組むくらい大きなムーブメントになりつつあります。理由はいくつかあると思うのですが、ひとつは考え方が変わってきたということ。豊かさや幸せに対しての価値観が、いまの若い人たちは変わってきていて、物ではなくて、精神的な豊かさを求める。体験を優先する。物を買うんだったら、体験にお金を払うというふうに、どんどん本質的になってきているというのがひとつあるとおもいます。
東京だったり大阪だったり、大きな街にいる理由が、そこが好きだとか、ここでこういうことをやりたいっていう目的がある人はいいのですが、ただなんとなく就職でみんな大きな街に行くからとか、そういう明快な理由がなく来てしまった人は息苦しくなっちゃうと思うんですね。そんなとき、日本というのは、地方に行くと食も自然も人々も豊かなので、全然都会じゃなくてもいいじゃないかって、考え方が変わったということがひとつあります。
あとはテクノロジーですね。いま日本中どこへいっても、スマホを経由してものすごいスピードでインターネットにアクセスできますし、地方都市に行けば、東京と同じくらいブロードバンドの速度が早くなっているので、その2つの理由で、都市部じゃなくてもいいんじゃないか、地方の自然に近い場所への移住というのが加速していると思うんです。それはもう全然実現可能なので、もしやってみたいという方がいらっしゃいましたら、ぜひ今、グーグルで調べてもらえば、いっぱい情報が出てきます。


〜それでそこに行ってみて、もし気に入ったら、通いつめてみることですね。
そうなんですよ。僕もニュージーランドっていうのはただの観光地としてではなく、移住したいという目的があったので、15回通ったんですが、観光地はほとんど行っていないんですよ。ニュージーランドの湖しか行っていない。なので、ここに住みたいなっていうイメージがあったら、まずそこに行ってみるということですね。そして、ピンとこなかったらまた別の場所を探せばいいと思うんですが、ピンときたらもう一回行く。とにかく通いつめる。最近では、福岡市を代表として、全国に広がっているんですが、東京や大阪のような大都市からの移住者はウェルカムということで、いろんな待遇を行政が率先して用意してくれたりします。いまはそういう情報がどんどん出ているので、間違いなく5年前に比べてやりやすくなっていますね。

〜ただ、覚悟もいりますよね。
僕はニュージーランドっていう、異国の地に行っているのですが、それにくらべて日本国内であれば覚悟はいらないと思います。日本語が通じますし、常識も一緒ですし、全然怖いことないと思います失敗してもそれで命を取られるわけでもないし。異国の地だったら、もしかしたらそれくらいのリスクがあるかもしれませんが、日本国内であれば、全然だいじょうぶだと思います。

〜そして、まさにそんなことも書かれた本が出たばかりですね。「モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには」ライツ社から出されていますが、こちらはどんな本なのですか?
いまお話したように、今はテクノロジーが完全に場所の制約を受けない働き方、生き方っていうのを後押ししてくれています。そういう時代になっているのですが、なかなか人間の考え方が追いつかないんですよね。日本でいうと地方への移住も、じつはもう環境もインフラも整っているのに、なかなか「今いる場所からぜんぜん違う場所に引っ越すなんて無理」って思い込んでいる人ってたくさんいると思うんです。この本では、どうすればiPhoneとかMacBookとかインターネットのようないろんなテクノロジーを使って、実際に僕が活用しているアプリとか、いろんなガジェットとかも紹介していて、どうやって仕事を作っていくか、インターネットでどうやって収入を得ていくかとか、細かくノウハウを全公開しているんですよ。
また、行政がモバイルボヘミアン的な暮らしを希望する若者たちを歓迎しているというお話をしましたが、そういう街のリストも本のなかに書いているので、海外に限らず、日本国内でそういう暮らしをしたい人にも参考になるような最新情報もたくさん入れています。


〜わかりました。最後に四角さん、日本はこれから夏で、ニュージーランドは冬ということで、これから7月に四角さんは果樹園の手入れをしに一度帰るということですが、それからまた旅をする予定ってあるんですか?
7月に一度ニュージーランドに帰って、一ヶ月半をほどいて、9月にまた日本に仕事で2週間ほど帰ってきます。そのあと11月の頭まで、ヨーロッパを軸に12〜13カ国くらい旅をします。オーガニックっていうキーワードで、いろんな生産者さんとか、ものを作っている、提供している場所の取材をしながら旅をするという予定にしています。

〜またぜひ旅のお話を聞かせてください。
はい。日本にいるときは毎回お邪魔させていただけるとうれしいです。


「モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには 」(ライツ社)四角大輔著

3回に渡ってお届けしたモバイルボヘミアン四角大輔さんのお話、いかがだったでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・You're In Love With A Psycho / Kasabian
・Don't Be Denied / Norah Jones
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