プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。


今週も、4月に東京・明治神宮で行われたアースデイいのちの森のレポートです。
明治神宮の森で、生命の多様性、つながりを感じ、地球と、つながるいのちへの感謝の気持ちを捧げるこのお祭。本当に伝えきれないほど色んなワークショップ、アクティビティがあるんですが、今回はその中から、この番組とも関わりの深い「鎮守の森のプロジェクト」による神宮の森のガイドウォークの模様、お届けします。この団体で植樹指導をしている、東京農業大学の研究者・西野文貴さんによる、「明治神宮を歩いて災害に強い森を学ぶ」というガイドウォークです。

 これは明治神宮を作った当初、外から見た図ですね。鳥居のところにはたくさん木がありましたが、ちょっと中に入ると荒れ地みたいな感じだったんですね。当時の首相だった大隈重信さんは、ここを伊勢神宮にあるような杉やヒノキの巨木の森にしたいとおっしゃったんですが、ドイツで勉強して日本に帰ってきた、林学の父といわれる本多静六さんが、ここは永久の森にするためには杉、ヒノキはこの地にあっていないということで、いろいろ科学的な解析をして、おそらくスダジイの木が主役になるだろうと予想して森づくりを始めたんですね。
 この木がスダジイです。スダジイにはどんぐりがなります。そのどんぐりは食べられるんです。ピーナッツみたいでおいしいんですよ。栗に近い味です。
 僕の後ろに歩きが、鳥居の横にもあったクスノキです。クスノキは昔から使われていて、縄文時代の遺跡からも出土しています。どういうふうに使ったかというと、船だとか、木棺なんかに使われていました。このクスノキ科の植物はすごく匂いがいいんです。なので、樟脳に使われたりします。クスノキの名前の由来は、諸説ありますが、「薬の木」からきているということもあります。学名を「Cinnamomum camphora」といいますが、「camphora」はカンフルという意味です。元々は関東には少ない木です。ここ明治神宮を作った当初は、クスノキが生き残るのかどうか心配されたそうです。けれども、見ての通り30m近くの大きさになっています。南に多い植物なので、木へんに南と書くんですね。そして、きょうはこのクスノキの匂いを抽出したものを持ってきました。古い葉からとったものと、若い葉からとったものがあります。ちょっと嗅いでみてください。古いほうが匂いが強いですよね。

もうひとつ匂いを抽出したものを持ってきました。なんの匂いかわかりますか?ヤマザクラです。ヤマザクラは明治神宮の森にもありますね。日本の桜の葉には特徴があります。葉の根本、基部とよばれる葉の付け根の葉と枝の間に小さなイボがふたつあるんです。これ蜜腺といいます。ここから甘い汁が出てきます。ここに蟻がよってきます。なぜかというと、若い葉のときに蛾の幼虫に食べられないように蟻を呼んでいます。なので、若いときのほうが蜜の料が多いと言われています。大きくなって葉が固くなると食べられないんです。
 身近に見られる樹木の中にムクノキという木があります。都会のビルの間とかからもスッと伸びてくる植物なんですが、これは滑り止めの木です。葉の付け根から外に撫でるとスッといくんですが、逆に撫でようとすると止まります。これは日本にあるニレ科の植物の共通の特徴になります。そして葉の付け根のところが左右非対称になりやすいんですね。そして、いま子どもたちがさわっている木がケヤキです。同じニレ科ですのでザラザラしてますね。



今回のお話、いかがだったでしょうか。来週も続きをお届けします。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Cheerleader (Felix Jaehn Remix Radio Edit) / OMI
・若者たち / サニーデイ・サービス
先週に引き続き、4月に東京・明治神宮で行われたアースデイいのちの森のレポートです。
今年で10回目を迎えるこのイベント。明治神宮の森で、生命の多様性、つながりを感じ、地球と、つながるいのちへの感謝の気持ちを捧げるお祭り・・・
ということで、様々なブース、ワークショップが開かれたのですが、きょうはその中から、「そうじさんのワクワク薬草教室」の模様をお届けします。
長野からやってきた、「薬草はかせ」の案内で、この西芝地を散策しながら、身近な「薬草」を探す・・・という企画です!


それでは実際にこの周りに生えている、薬のもとになる植物をいくつか紹介していきたいと思います。これは珍しいですね。日本ではほとんど西洋タンポポに駆逐されているので、日本産のたんぽぽは非常に珍しい。花の1番外側に総包片というのがありますが、見ていただくと閉じていますね。西洋タンポポはこれが全部開いている、広がっています。日本のたんぽぽは内側に閉じていると言う特徴があります。薬として何に使うかというと、根の部分が、蒲公英(ほこうえい)といって苦味健胃剤として使っています。それから、根から引っこ抜いてよく乾燥して煎じていただくと、催乳効果、赤ちゃんを出産してお乳の出が悪いときにはたんぽぽを使ったんですね。多分、茎を折ると白い乳液のようなものが出ることからくる迷信だと思います。だけど、催乳効果に関してもずっと記録が残っていますので、しっかりとした効果はあると思います。

もう一つ紹介すると、昔の人はこういうものを使っていました。チドメグサです。名前の通り、もし山へ行って転んで怪我をしたときには、これを大量に採取して、もんで、あるいは石をぶつけて汁を出す位にして、患部にあてがうと止血効果・殺菌効果があるんですね。昔の人はそういう知恵をたくさん働かせていたんです。
あ、これも大事です。これも日本薬局方に収載された医薬品。オオバコです。乾燥して咳止め使うわけなんですが、これを乾燥したものは鎮咳去痰薬、喉の薬ですごく使われています。日本薬局方医薬品においては、これを乾燥したものは法律上医薬品なんです。これを道の駅で販売する、人に分けると薬事法の違反になります。余談ですが、マツも日本薬局方に収載された成分がこれから取られます。松を傷つけるとヤニが出ますよね。松ヤニからロージンという生薬名のものが作られます。それは何に使うかと言うと絆創膏や、軟膏の基剤になります。1番よく知られているのが野球の選手のロージンバッグです。滑り止めに使われているんですね。ロージンは松の中でも赤松や黒松、五葉松など松科植物から取れます。

それから、代表的なものがドクダミです。ドクダミは生薬名は重薬と言う名前がついています。重ねるとも書くし、十の薬と言う書き方もあります。非常に多様な効能効果がありますが、基本的には整腸剤に使います。普段から便秘気味の方はドクダミのお茶を煎じて常用していただくと、とっても胃腸の調子が良くなります。生の状態で、これをもんで鼻に差し込むと、鼻の通りがよくなります。蓄膿症まで行くと改善するのは難しいんですが鼻炎なんかは大体これで治っちゃいます。あるいは耳の中の疾患も、これを揉んで丸めて詰めたりすると良いんです。あるいは膿が出てきたときには、これを丸めて、膿んでいる箇所に絆創膏で湿布してもらうと、膿を出してくれる。また、これをコップに入れて、生の状態で冷蔵庫に入れておくと防臭効果があります。臭いんだけど防臭効果があるんですね。
植物には、絶対に動物が食べないものがありまして、それはシダ植物です。シダ植物は本当に有毒です。ところが人間はその中から、蕨とぜんまいとこごみを食べるんですね。シダ植物を食べる動物は人間だけです。薬としては条虫駆除、十二指腸、回虫駆除に使います。煎じたものを我々が飲みますと、筋肉が麻痺して死んでしまいます。だから、人間の胃腸が麻痺する量ではなく、回虫が麻痺する量、そういう量を決めて薬が作られます。
また、ワラビは動物は絶対に食べません。牧場に行ってみるとよくわかるんですが、ワラビだけ食べ残しになっています。動物はワラビを食べると、カルシウム異常を起こします。くるぶしとか膝とかがダメになってしまうんですね。我々がワラビを食べても平気なのは、決して生で食べないからです。ワラビはアク抜きをしますね。そのアクが、実は薬になったり毒になったりします。煎じると言うのはそれを取り出す工程なんですが、アク抜きをした後のワラビは食品。だから食品と薬用、煎じると言うのはこういう使い分けをしているんですね。小豆も便秘の薬になります。小豆は調理するときにふきこぼしが出ますが、お茶がわりにすれば便秘の薬になるんです。

薬草と言うのは私たちの先祖が、身近なところに生えているものを薬として利用してきたという形があります。ところが現在では都市化がすすみ、農村地帯で農薬をたくさん使うようになって、環境がかなり破壊されて汚染された状況があります。そういう中で、明治神宮の中は非常に保護された環境です。だから古くから私たちが使ってきた民間の薬についても非常に多くの種類が見られるというのは、そういうところにあると思います。これからもぜひこの環境を保護していきたいと思います。


そうじさんのワクワク薬草教室、いかがだったでしょうか。良いものも悪いものも、量や使い方では逆効果になるよ…という意味の昔のことわざに「薬も過ぎれば毒となる」「毒薬 へんじて薬となる」というものがありますが、まさに、植物の「毒」も「薬」になるということなんですね。
明治神宮は、一木一草、つまり草も木も持ち出してはいけないことになっています。ルールを守ってこの素晴らしい環境を守っていきたいですね。

来週も、明治神宮で行われたアースデーいのちの森のレポートです!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・If I Had Eyes / Jack Johnson
・Happy People / R. Kelly
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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