さてアウトドアライフの楽しみをぐんと広げるアイテム、スウェーデン生まれのモーラナイフをめぐるレポート、二週目です。
このモーラナイフという道具は、ただのナイフではないんですね。本当に、スウェーデンをはじめ北欧の人々が生きていくうえで欠かせないもので、ずっと昔から、もちろん今も変わらず、彼らの生活とともにあるんです。

引き続き、UPIの寒川一さんに伺いました。

スウェーデンはこういうダーナラホースっていう馬が魔除けというか、日本でいうところの招き猫みたいなものですかね、各家庭にかならずあるんですけど、これも売られているものはみんなモーラナイフで作られています。僕も工場を見に行きましたが、モーラナイフを持った職人さんが何人も、ずーっと一日座っていて、つくっています。やっぱり本当、木工の街なんですよね。

そして、サーミ人という先住民の人たちの、ナイフの技術であったり、知恵みたいなものがいまだに継承されているっていう、そんなところのモーラナイフを、僕らが日本でうまく伝えるための発信元がここだというふうに考えています。
スウェーデンは日本とほぼ同じ森林保有率、70〜80%くらいが森なんですよね。本来、僕らも数十年前まではそういう暮らしをしていたはずです。たとえば、ご飯を作るのにかまどがあったりとか、お風呂を沸かすのも薪。日本にも木工の生活用品ってたくさんありますよね。彼らもまったくその感覚は同じで、僕ら以上に森に向き合って生きている。森から何かを得て、森のなかで何かをやってるっていう、そういう暮らしぶりをされていますね。
一般のご家庭にも何回か行ったんですけど、本当に皆さん、森のなかに住まわれていますし、あと湖がたくさんあります。湖からは本当に飲めるお水がそのままいただけるような湖と、森もどちらかというと、白樺を中心とした木なんですよね。だからすごく町並みが美しい。やっぱりそこにナイフっていうものが無いと、森と人を繋ぐものが無いっていうことになっちゃいますよね。だから、ナイフは必需品ですよね。
スウェーデンは森の教育っていうのがすごく有名なんですよね。子供の頃から、”野外教育”っていうのが常識になっていて、屋内の机の上でも学ぶんですけど、それと同じくらい屋外で、雨の日でも、雨の森はどんなだろうとか、天候にかかわらず必ず森のなかに行く。そうすることで人が、自然の中での位置づけが、本能でわかるっていう、たぶんそういう教育方針なんですよね。

そして、スウェーデンの人々は”持続”っていうことを常に考えている人たちなので、自分たちが消費して終わりではなくて、次の世代にその環境を続けていくために今何するべきかっていうことを考えます。資源を使うって循環の一つですよね。森を使わなくなってしまったら循環が止まってしまいますから、森が傷んでいってしまうと思うんですけど、やっぱりそうやって日常に、森からいろんなものをいただくっていうことは、ひいては森を育てているという行為にもなるということですよね。


今回訪れたUPIアウトドア鎌倉、モーラナイフはじめアウトドアのお店であると同時に、こんなお話をいつでもしてくれる「発信の場」でもあるんですね。
実際、「北欧野外文化倶楽部」という名前で、講座もひんぱんにやっていて、先日は、スウェーデンの家庭料理を実際に作る企画をしたそうなんです。
また、日本刀の研ぎ師の方を招いて、スウェーデンのモーラナイフとは何が違うのかを学ぶ企画などもやっていたり・・・
そして、さらにこんな面白い試みもはじめているんです!

モーラナイフの故郷、スウェーデン本国には、たくさんのアンバサダーと言われる人たちがいるんですね。アウトドアナイフとか、キッチンナイフとか、カービングナイフとか、いろんな種類のナイフがあるということをお話したと思いますが、それぞれにアンバサダーがいるんです。その人たちが全員森に集まり、そこにモーラナイフのファンが集って、3泊4日でキャンプをしながら、アンバサダーからテクニックとか精神とか、いろんなものを学ぶっていう、モーラナイフアドベンチャーっていうのが去年からスタートしたんです。そして、今年の7月に初めて日本でもやることになったんです。同じコンセプトで、舞台は北海道のオンネトー湖です。非常に美してくて静かな湖なんですが、2泊3日で同じようにキャンプをし、スウェーデンの本国から二人のアンバサダーを招きます。ひとりは木工作家の国民的な作家さん。もうひとりは、ブッシュクラフトのヒーローみたいな人。その二人をスウェーデン本国から招きます。そして、日本からは長野修平さんっていう、ネイチャークラフトの雑誌とかで活躍されている、アウトドアで自分の手で何かを作り出す、日本で代表的な方なんですけど、その方に来ていただきます。長野さんって北海道出身の方で、アイヌ文化にすごく詳しい方なんですね。オンネトー湖っていのは、元々アイヌの人たちが非常に大切にしていた場所なんです。その場所を選んだのも、サーミ人の伝統を受け継ぐスウェーデンのアンバサダーの人たちとアイヌ、2つの文化が出会う機会として、今回のモーラナイフアドベンチャージャパンっていうのを企画しています。

〜初心者でもいけますか?
もちろん。そんな感じのほうがいいんじゃないですかね。多分帰る頃にはもうナイフを語っちゃうくらいの人になるっていう(笑)

UPIアウトドア寒川さんのお話いかがだったでしょうか。
モーラナイフアドベンチャーについてはこちらもぜひご覧ください!
https://morakniv-adventure-japan.com/

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Capital Letters / Hailee Steinfeld x BloodPop
・Any Other Day Feat.norah Jones / Wyclef Jean

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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