今週は、スタジオに自然音録音家 ジョー奥田さんをお招きして、お話伺います。
自然音録音家、ネイチャーサウンドアーティスト。世界各地の、森をはじめとした自然の中の音を録音して、その音源を発表し続ける、ジョー奥田さん。
2013年に、明治神宮の森の音のお話をしていただきましたが、今回はどんな 「森の音」のお話をしてくれるんでしょうか。


〜およそ5年ぶりの登場となります。ジョー奥田さんですよろしくお願いします。前回はフィールドワークにしている明治神宮の森を歩きながらインタビューをさせていただきました。ジョー奥田さんは、世界各地の森を始めとした自然の中の音を録音して、その音源を発表し付けていらっしゃいます。録音用のマイクがすごく特徴的とお聞きしたんですが。
 バイノーラルマイクと呼ばれるものなんですけれども、人間の頭の形をしたマイクで、人間の耳の形をしたゴムの耳がついていて、鼓膜の位置に高感度マイクがセッティングされています。これで録音すると人間が普段聴いている聴覚を正確にシミュレートできるんです。これで自然音を録音すると、音が前から聞こえてくるだけではなく、360度に広がるすごい立体的な音が録れるんです。
普段僕らが聴いている状態は、音が直接鼓膜に到達するものもありますけれども、例えば顔に当たって音が反射して周りこんで耳に入ってきたり、いろんな乱反射があるんです。それを正確にシミュレートするために人間の頭の形になっているんです。


〜じゃあ私たちがその音を聴くと、実際にその時、そこにいるように聴こえるという事なんですね。ジョー奥田さんがこれまでに発表されたCD、DVDのテーマは高知県四万十川、鹿児島県屋久島、奄美大島、東京明治神宮の森などですが、例えば「AMAMI」のCDは夜明け前から始まって、雨が降って小さな川を作って海へと流れ込む、まさに奄美大島の自然全体を再現していますね。
 僕がいちばん録りたい時間帯は夜の時間と朝の時間が交差する時間帯ですね。これから夜が開けていく、その時間帯がいちばん好きですね。大体4時だったり5時だったりするんですけれども、森に入るのは2時位じゃないですかね。僕は奄美大島の森を録音するまでは夜の森は行ったことがなかったんです。というか、行かないようにしていたんです。だけど奄美大島に行ったときに夜の森の入り方を教えてくださった方がいてそれから、だんだん夜の森に入っていくようになるんですけれども、これがとっても面白くて、夜の森に通うようになりました。ただ今でも怖いですね。
 やっぱり奄美大島も沖縄も、島の方々は皆さん共通して、山には山の神様がいて海には海の神様がいる。その真ん中の平地のところに人間が住まわせてもらっているという意識が強いんですね。山の神様に対する敬意の念があるんです。ですから、入るときにまず山の神様に手を合わせてご挨拶をします。「これから森に入りますけれどもものを取りにきたんではありません。自然の音をいただきに来ました」ということをお伝えして、森に入っていくんですよね。それで帰るときにはちゃんとご挨拶をして帰る。ときには、今日は入ってはいけないかもという何かを感じる時があるんですよ。そういう時は迷うことなくすぐに帰ります。これができないと、非常に危険な思いをしたりすることがあるんですね。ですから録音に出かけたときは、その場所に到着して最初の1週間くらいはほとんど録音しないです。いろんな場所を回って、どこで録音しようかというのを見て回って、その下調べに1週間ぐらいかけるんです。その間にだんだん自分の感覚といいますか、スイッチを切り替えていくんですね。自然からもらういろんな情報に対して敏感に受け取れるような準備を整えて、それから森に入るんですね。


〜神様に「録音をさせてください」と夜の森に入った時の雰囲気はどんなものですか。
 森は全体で1つの生き物なんです。ですから僕が森の中に入った瞬間に、森の中の全員が、鳥だったり獣だったり、みんなが僕が入ってきたことを知っているんですよ。そして録りたい場所にいって録音し始めるんですけれども、周りが緊張しているというのがわかるんですよね。見られているという感覚です。みんなが息を潜めて僕を見ている。そういう時間がしばらく続くんですよ。その間、録音をしながら、気配を消してじっと立っているんです。息もゆっくり吸ってゆっくり吐いて。そういう形で自分の気配を消すんですね。そして時間がある程度たつと、森の動物たち、鳥たちの緊張が解ける瞬間があるんです。受け入れてくれるというか許してくれるわけですよね。そこからが本当の面白い音が録れるんです。みんなが普段と同じ振る舞いを始めるんですね。鳥が飛び立ったて鳴き始めたり、猪がその辺の穴掘りを始めたり、いろんな音が聞こえてくるようになるんです。そうすると「ああ大丈夫受け入れられた」というかね、そんな感じがする瞬間があるんです。

〜それはどの森に行っても同じなんですか。
 夜の森の雰囲気は場所場所によってずいぶん違っているんです。例えば、奄美大島の夜の森と、屋久島の夜の森を比べると、奄美大島の夜の森の神様はとても怖いし厳しい。何か粗相があったりすると許しませんという位の厳しさがあるんですよ。だけど屋久島の夜の森の神様はなんだか優しい。ふんわりと暖かくて、それほど強さがないんですよね。ですからそれぞれの森によって、いろんなキャラクターがあるような気がしますね。

ジョー奥田さんのお話、いかがだったでしょうか。来週も引き続きインタビューの続きをお届けします。


「AMAMI」


「YAKUSHIMA」


「Kilauea Forest 24Hours」


「Tokyo Forest 24Hours」

【番組内でのオンエア曲】
・Scar Tissue / Red Hot Chili Peppers
・Moving On and Getting Over / John Mayer

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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