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パーソナリティ 更なる高みを目指し、転職・キャリアチェンジをした人の仕事論とは?
新たな環境・異なる仕事に就いて輝いている人や専門家の方に話を伺いながら、
ステップアップの秘訣、それで広がるキャリアの可能性について考えてゆきます。
通勤中のいつもの10分が、まだ知らない自分に出会える10分になるかもしれません!

オンエアー 放送後記 オンエアー 放送後記

2019.06.26

第12回 野村證券 ダイバーシティ&    インクルージョン推進室 北村祐介さん

北村祐介
野村證券 ダイバーシティ&インクルージョン推進室
北村祐介さん
LBGTが認められる社会へ!

今週スタジオにお越し頂いたのは、北村祐介さんです。
1982年生まれの37歳
広告製作会社、産業科学技術系の翻訳会社でプロジェクトマネージャーとして
勤務した後、2015年3月から野村證券に勤務。
本業と並行してLBGT映画祭を中心にLBGTの関連イベントで
プロボノ活動を5年以上続けていらっしゃいます。
現在はダイバーシティ&インクルージョン推進室に所属
職場での多様性の理解推進に取り組んでいらっしゃいます。

鈴村  最初に働いた広告製作会社、次の翻訳会社ではゲイであることを
    カミングアウトしていたんですか?  

北村  一部の先輩にしていました。最初すぐというのはしていなくて、
    自分もまだそこまで慣れていなかったのもあるので
    この人には言えるかな?というのを一緒に働きながら
    この人だと思ったらにカミングアウトしていましたね。

鈴村  会社の体制としてそういうことがなかったということでは
    ないですか?

北村  それもちょっとあったかなと思いますね。
    

鈴村  なかなか会社としてそこがしっかり体制が
    整っているかというと声高に言っている会社というのは
    そうそう無いのが現状なのかもしれないですね。
    で、野村證券に行かれる訳ですけれども、野村證券では
    カミングアウトして働いていらっしゃるんですよね?

北村  はい。そうですね。

鈴村  これはカミングアウトしやすい雰囲気だったんですか? 

北村  そうですね。当時女性だった方がとても理解のある方だったので、
    所属した部署の部長も自分のことを知っていただいていたので、
    好きなようにやって良いよという後押しもあったので、
    入った当初すぐ部署の全体のミーティングでカミングアウトしました。

鈴村  カミングアウトする時というのは自分としてはどうでしたか?
    先程前の職場でこういう方には言えるかな?って
    自分で考えてらっしゃったと言っていたんですけど。
    実際野村證券でカミングアウトする時どうでしたか?

北村  すごく緊張して、持ち時間が5分くらいあったんですけども、
    オーバーしてしまって、他のメンバーから時間長いよって
    言われて、そこツッコミか!?と思って。


鈴村  逆に普通に接してもらえてホッとしますよね。

北村  ホッとしましたね。

鈴村  カミングアウトして働く場合とそうでない場合と
    両方経験されていると思うんですけど、
    働く姿勢、意欲というのは何か違いますか?

北村  そうですね。まあLBGTによってそれぞれなのかなと
    思うんですけど、自分場合2点かなと思っていてですね、
    1つ目は私元々同僚とはプライベートも含めて
    色々話して信頼関係を作っていくタイプの人間かなと
    思っていて、なので最初の職場では嘘をつきながら
    働くとか、嘘に嘘を積み重なっていくみたいな
    ということと、バレちゃうんじゃないかという風に
    怯えながらコミュニケーションをするということで
    仕事に集中出来ないんですよね。
    それでストレスも溜まるということと。
    もう1つはやっぱり言わないと相手は異性愛者だと思って
    会話してくるので、例えば夜の飲みに付き合ったりしなければ
    いけないし、別の人間を何となく演じているんじゃないかという
    空虚感、徒労感みたいなものもあったかなと思います。
    
鈴村  本当の自分というのがさらけ出せて、
    そこがスタートラインというのが仕事ってあると
    思いますし、そういうものって自分にとって
    すごく大きい足枷にはなるんですね。
    でもそういう意味では逆にノビノビ仕事されている形ですか?

北村  そうですね。やっぱりこういう事が無いので
    仕事には集中出来るかなと思いますね。
    生産性も上がったのかなと、仕事が出来るかというのは
    また別の話なんですけど、昔よりは集中出来ているかなと。
    自分自身嘘をつく必要がないので、
    相手とちゃんと面と向かって話せる。
    なので信頼関係も築きやすくなっているかなとか、
    精神的に健康にはなっているかなとは思います。
   

鈴村  やっぱり何かを隠しているというのは本当に
    僕らの人生でも必ず何かしら隠していることありますけど、
    でもそれが自分のすごく根幹に関わることというのは
    なかなか大変ですよね。それを持ったまま生きていくというのは。
    それがカミングアウトしてスッキリしたというのは
    すごく良かったことなんですね。
    今所属されていますダイバーシティ&インクルージョン推進室
    これはどのようなお仕事されているんですか?

北村  この推進室事態ではですね、LGBTに対して多様な
    バックグラウンドを持った社員が活躍出来る職場作りのために
    色々な制度を整備したりですとか取り組みを
    行っているんですけども、私の担当としてはですね
    主に4点ということで、
    ダイバーシティに関連した研修の企画運営だったり、
    社員がボランティアで活動しているネットワークの事務局を担当したり、
    ダイバーシティのサデーを担当したり、
    最後はLGBTの担当をしております。

鈴村  LGBTの担当もされているんですね。そいう意味でも。
    社内においての調整とかそういう事も深くやられている
    感じなんですか?

北村  そうですね。制度作りに一緒に関わったりとか、
    社内の勉強会とかを行ったりする時に講師を担当したりとか。


鈴村  なるほど。逆にカミングアウトしたことで
    今まで持っていたもの、隠していたものが逆に
    武器になっているという部分は確実にある訳ですよね?

北村  そうですね。幸運にもこういうポストにつけた
    というのもるので、そこは活かして。

鈴村  これって単純に個性の問題だと思いますから、
    個性を活かせない社会というのは僕はダメだなと思うんですよね。
    やりたいこと、好きなこととか自分がどんな人間であるか
    ということがベースにあって、仕事というのは
    生まれますし、それこそが会社に関わる個人と会社の
    関係だと思うので、それが活かせているというのは
    すごく良いことですよね。
    LBGTの方を受け入れる企業というのは、
    北村さんから見て増えてきているなというのは
    感じたりしますか?

北村  そうですね。色々な会合とか、ダイバーシティ担当している
    企業の方々のミーティングとか出るんですけども、
    やっぱり増えてきているなと思います。
    あとデータとしてもですね、LBGTの取り組みをしている
    企業を評価する指標というのがあって、PRIDE指標と言うんですけど、
    2016年にスタートしたんですけど、
    その時の申込社が82社が昨年は156社。
    2倍になっていたりとか、東洋経済さんが出されている
    CSR調査でLBGTに対する基本方針がありますか?という
    質問にあると答えた企業が2014年114社、
    今年2019年330社。約3倍に増えていると。
    ということでも少しずつですけど増えているのかなと
    思いますね。

鈴村  働きやすい環境というのが整ってきているのかも
    しれませんね。今後野村證券でやりたいと思っている仕事は
    ありますか?どんな仕事ですか?

北村  主に2つという所なんですけども、
    1つはLBGTの取り組みをもっと全国、地方の方にも
    広めていきたいなと。2つ目がですね、
    ダイバーシティ&インクルージョン、先ほど個性を
    活かすというのがあったんですけども、まさに
    そこなんですよね。本当にビジネスに不可欠なんだよと言う事を
    広めていきたいなと思っていてですね、
    1つ目もう少し詳しくしますと前は地方に行くと、
    LBGTは遠いおとぎ話のように聞こえるとか
    地元で当事者に会ったことがないという人が多いんですよね。
    やっぱり自分事として考えづらいという状況があるので、
    そういうのを色々な情報を伝えていって
    少しでも自分事として考える、意識を変えていきたいな
    というのと、2つ目がダイバーシティって女性活躍とか
    LBGT、障碍者とかマイノリティの為の試作だと思われがち
    なんですよね。実はそれって先ほど言ったように、
    当たり前のことでインフラで、実はその先にあって
    属性の多様性ではなくてですね、一人一人違うじゃないですか?
    異なる経験から生まれて来る視点とかアイディアの
    多様性が大事です。企業としてイノベーションとか
    新しい価値を生み出すためにやっぱり色んな経験とか
    視点が大事なんですよね。
    今まで見えてこなかった問題とか改善点見えてくるので、
    企業としてはリスク管理になる。
    本当にそこをもっともっと伝えていきたいなと。

鈴村  このラジオ聴いている方でLBGTの当事者の方で
    転職を考えている方っていらっしゃるかもしれません。
    なにかアドバイスあれば頂けますか?

北村  まだまだ自分らしく働くこと出来ないんじゃないかな?と
    考えて自分がしたい仕事諦めている人、そもそも
    そういうことを考える事を諦めている人多いんじゃないかと
    思うんですね。でも先ほどお伝えしたように少しずつ
    そういう企業って増えてきているのでLBGTだからといって
    自分のやりたい事を諦めないでほしいなって思います。
  
鈴村  最後に北村さんにとって転職とはなんでしょう。

北村  “虹の架け橋”とさせて頂きました。
    理由は2つということで、今月世界的にプライド月間と
    言われていまして、世界各地でLBGTを祝福する
    パレードをやっているんですね。
    今年はですね、1969年にアメリカのニューヨークで
    初めて警察とかがLBGTに不当に扱ったことに対する
    反抗として暴動を起こした日がちょうど
    1969年6月30日まさに50周年なんですね。
    あとは転職というのは色々あると思うんですけど、
    新しい職場って希望があったり期待がある。
    というのをこめて“虹の架け橋”ということに
    させて頂きました。

鈴村 なるほど。でもすごく明るいお話でまさに
    虹の架け橋を渡っていらっしゃるんだなっていうのが
    よくわかりました。どうもありがとうございました。
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