2016.02.20
第150話 ミュージカル
オペラが「ミュージカル」になった経緯は?

そもそもミュージカルのルーツはオペラだ。オペラはオペラで歴史があるがそれはまたの機会に譲るとして、19世紀中頃、花の都パリで上演されるオペラには「セリフのある出演者は5人まで」「許可なく歌を入れるのは禁止」等々、ややこしい規制がたくさんあった。それを不満に思った作曲家のジャック・オッフェンバックは貴族に働きかけて規制を撤廃させ、1858年に笑いやダンスを取り入れた軽いオペラ『天国と地獄』を発表する。これがオペラがミュージカルになる第一歩だ。
パリで生まれた軽いオペラは「オペレッタ」と呼ばれ、アメリカに渡ってヴォードヴィルやレビューと結びついてミュージカルとなっていく。そして1927年、ブロードウェイのジークフェルト劇場で上演されたのが、オスカー・ハマースタイン・ジュニアが作曲した『ショウボート』だった。それまでミュージカルといえばボーイ・ミーツ・ガールの簡単なストーリーに歌と踊りを加えただけの軽い作品ばかりだったが、『ショウボート』は多面的な登場人物を使って骨格のある物語を描いたんだ。こうしてミュージカルは総合芸術としての地位を確立していった。
そして1947年、ウォルドルフ・アストリア・ホテルで第1回アントワネット・ペリー賞が開催される。通称「トニー賞」と呼ばれる演劇界のアカデミー賞だ。ニューヨークタイムズで劇評を担当していたブルックス・アトキンソンはこの賞の選考委員のひとりだったが、演劇関係者との交際を完全に断って公平な劇評を書いたことで読者の圧倒的な支持を得ていた人物だった。彼のような真摯な劇評もまた、今のブロードウェイの礎を築いた言っても過言ではないだろう。
さてとシンイチ、お前はどんな役をやる? おいおい、主役が帰ろうとするんじゃない。じゃあアレだ、役者の素顔をそのまま役柄にした「あてがき」にしてやろう。お前の役はゲームオタクで引きこもり気味の貧弱な若者な。そうと決まれば、さっそく演技とか演出のコツを教わりに、その道の専門家に話を聞きに行くぞ。Here we go!
- ONAIR LIST
- 3'29" / Route 66 / George Maharis
- 11'42" / The Lady Is A Tramp / Tony Bennett duet with Lady Gaga
- 35'29" / Too Close For Comfort / Natalie Cole
- 43'07" / Just In Time / Dean Martin with Dave Koz