多くの人にとって生活に必須のスマートフォン。
LINEのやりとり 地図を見たり 音楽を聴いたり ゲームをしたり 
便利なことは間違いありません。
       
でも 公道で歩きながら 自転車に乗りながら
クルマの運転をしながらの使用は絶対にやめましょう。





去年11月 政府は「ながらスマホ」注意を呼びかけました。
そこにあるデータを見ると・・・

【原付以上運転者が第1当事者の交通事故件数】


交通事故全体

平成23年(2011年)— 65万6,000件

平成28年(2016年)— 47万5,000件 ▷ 28%の減少


「ながらスマホ」などを原因とする交通事故

平成23年(2011年)— 1,280件
       
平成28年(2016年)— 1,999件   ▷1.6倍に増加
  

交通事故全体が3割近く減っているのに
「ながらスマホ」が原因の事故は増えている。 
相対的に考えると数字以上に増えていることになります。

日本自動車連盟(JAF)では、
「ながらスマホ」の危険性について実験を行っています。
      

⬛️ 車のドライバーが運転中にスマホを使っていた場合ゴムボールを回避できるか?
      
⬛️ 歩行者が歩きスマホをした場合 どのくらい人混みの中を通れるか 
      
⬛️ 自転車の運転者がスマホを使っていた場合 人形を避けて通れるか 

     
JAF東京支部 事業課 交通環境係長 善養寺雅人さんに伺ったところ
実験は大きく2パターンの状況下にあるドライバーを対象に行ったそうです。

 ー屬魃薪召靴覆らゲームやSNSを目的に使い画面を注視している

◆.魯鵐坤侫蝓爾把模辰靴同薪召靴討い


すると かなり危険な結果が出ました。
ゲームアプリ使用だと4/5人がボールにぶつかる。
ハンズフリーだと4/5人がウィンカーの遅れか出し忘れる。

ハンズフリーはスマホを操作していないといえども
運転への集中が疎かになっていると実証されたわけです。





またJAFは歩行者の「ながらスマホ」についても実験しました。
人通りの多い交差点を.好泪曚鬚笋蕕困豊▲好泪曚鬚い犬辰禿呂蠅泙后

結果はスマホをいじっていない人のほうが早く横断歩道を歩ききり
歩いている時にはきちんと安全確認するために上下左右を見ていました。
ところが スマホをいじっていると かなり見る範囲が狭くなってしまい
人にぶつかりそうになった、接触したということも見られたそうです。

クルマのドライバーの「ながらスマホ」
歩行者の「ながらスマホ」から類推されるように
自転車運転者の「ながらスマホ」も危険なことに変わりありません

クルマや自転車運転中の「ながらスマホ」は道路交通法違反です。
「ながらスマホ」中に誰かを怪我させた場合
自転車でも過失傷害罪に問われるおそれがあります。

歩行者がスマホを使う時は、周囲を確認して立ち止まり、
通行の妨げにならない安全な場所で操作しましょう。

「自分は大丈夫」と思う気持ちは間違い。
事故を起こす人は みな1秒前までそう思っていたはずです。



日本の交通事故は全体的に減少傾向にあります。
ところが住宅街では 交通事故数が相対的に減っていません。





一般社団法人 日本自動車連盟
JAF 東京支部 事業課 交通環境係 高木孝さんによると
住宅街を走る車の速度を調べたところ平均34.2キロ。
最高速度は46キロだったそうです。
なんと計測した地点は見通しの悪い交差点手前。

そんな傾向もあるせいか
幹線道路での交通事故数は減り続けている一方で
車道の幅が5.5メートル未満の道路では
年別の交通死亡事故件数は増減の繰り返し。
15%前後で推移しています。





高木さんによると 住宅街は歩行者がとても多い。
平成29年の状態別の交通事故者数は歩行中の死者が最多で全体の36.5%。
これが住宅街での運転は十分に注意しなければいけない根拠です。

JAFが東京・世田谷区の住宅街にある一方通行
時速30キロ規制の道路で通行車の速度を計測したところ

法定速度の時速30キロ以下 → 13台
時速31キロ 〜 35キロ    → 27台
36キロ 〜 40キロ      → 11台
41キロ 〜 45キロ      → 5台
45キロ          → 1台 





6割の車が法定速度を超えてしまっているのです。
JAFがまた別の検証実験を行ないました。

住宅街で急な飛び出しを回避できるか
5名のモニターの方にボールを歩行者に見立てて出したところ
30キロで走行中に回避できたのは5名のモニター中1人だけ。
「だから30キロで走っているから安心しないで下さい」
高木さんは指摘します。





時速30キロで走っていたにも関わらず
歩行者に見立てたボールを回避できたのは5人中1人。
法定速度が30キロでも30キロで走っていては危険なのです。
       
ただ ある運転姿勢をとっている場合は
全ドライバーが歩行者に見立てたボールへの衝突を回避できました。
それはブレーキを踏む姿勢。

交差点だけではなく 家があり 
歩行者も多い所であることを認識して
ブレーキをいつでも踏める状態にして走っておく。

ブレーキの構えが無い状態だと25km/hで走っていても
衝突を回避できなかったというケースがあるそうです。
速度を落とせば安心かというと決してそうではない。
いつでも止まれる準備をしておくことが大切です。



寒さは遠ざかり 陽気のいい日が多いせいか
「よく寝たのにハンドルを握っていて眠くなる」ことはありませんか。
このことには理由があるのです。





今回は日本交通心理学会 会長で
東北工業大学 名誉教授 太田博雄にお話を伺い
運転中に眠気に襲われる理由を追跡しました。

私たちは単調な刺激しか受けない状況では脳の活動が低下します。
「覚醒水準の低下」と言って意識水準が低下してしまうのです。





運転中に眠気に襲われたドライバーは計測すれば脳波に現れます。
「緊張感」を持って運転している状態では「β波(ベータは)」。
「リラックス」した状態になると「α波(アルファは)」。
「ぼんやり」「うとうと」してしまうぐらいだと「シータ波」。
「居眠り」してしまえば「デルタ波」。

自宅でリラックスしている時はいいけれど
運転中は「α波」も気をつけたほうがいいでしょう。
「シータ波」「デルタ波」は 運転中にはもちろんダメです。

太田先生は眠気についての実験も行ってきました。
「感覚遮断実験」です。





光も音もない小さい実験室。
その中で被験者に生活してもらいます

すると被験者はすぐに眠り始める。
目や耳などの感覚器官から脳への刺激が減ると
覚醒水準が低下するからです。

このことが車の運転状況とかなり似ています。
運転環境に音や光があるにも関わらずなぜ眠くなる。
単調な刺激が長く続くと 感覚遮断実験の様な状況になるのです。

「高速道路のような単調な道」「夜間の運転」
「混雑していない道路」、あるいは「大渋滞している道路」
「1人きりの運転」「安心できる人が同乗しての運転」
こうした運転環境では「眠気」に充分気をつけるようにしましょう。





眠気を感じた時には どう対処すればよいのか?
ガムを噛む。冷たい水を飲む。
脳に感覚刺激を伝えて覚醒水準を高めると一定の効果が見込まれます。

ただ これは一時的なもの。
太田先生は眠くなった時には 運転を中断することが一番オススメ。
少し眠る ストレッチをすることが効果的だとおっしゃっています。





第160回 徐行

2018/05/10
今回のテーマは「徐行」。
国語辞典で調べてみると その意味はこうあります。
『車や自転車などが速力を落としてゆっくり進むこと』。

多くの方は「それは説明されなくてもわかるよ」と思うでしょう。
では 車を運転する方は徐行すべき場所できちんとしていますか?



 
     
東京 麹町 みらい総合法律事務所 吉田太郎弁護士によると
徐行は道路交通法2条1項20号で定められていること。
車両などが直ちに停止することができる速度で進むことと定められています。

この「直ちに停止することができるような速度」は
判例では「時速10 km/h 以下で」と述べたものもありますが
具体的なスピードが決められているわけではありません。

車の種類や車の荷物の積載量 道路状況などによって
「直ちに停止することができるような速度」は変わるからです。

時速10 km/h 未満を基準にしつつ
具体的な状況の元で判断していくということになります。

「徐行」の道路標識は逆三角形に縁が赤く、白地に青く「徐行」の文字。





道路にペイントされている場合もあります。
吉田弁護士によると 他に「徐行」義務のある場面は

▶︎ 道路の曲がり角付近 / 上り坂の頂上付近 / 勾配の急な下り坂を通行する時

▶︎ 左右の見通しがきかない交差点に入ろうとする時
  交差点内で左右の見通しがきかない部分を通行しようとする時

▶︎ 交差点に入る段階で左右の見通しがきかない時
  交差点の中に入って左右の見通しがきかない時

▶︎ 横断歩道の前
   車が横断歩道に接近する場合には
  横断しようという歩行者や自転車ないことが明らかな場合を除いては
  横断歩道の直前で停止することができる様な速度で進行しなければいけない





「徐行」義務があるのは車やオートバイだけではありません。
自転車の運転手も「徐行」の義務を負っています。
時に歩道の中央を飛ばして走る自転車を見かけますが やってはいけない行為。

自転車が本来走るべき道は車道。
場合によっては歩道を走ることもできますが、
中央から車道よりの部分を徐行しなければいけません。

徐行義務違反の罰則もあります。
「3ヶ月以下の懲役 または 5万円以下の罰金」。

「徐行」を求めらるのは 交通安全上 そこが危険な場面だから。   
「自分は大丈夫」と根拠なく思い 徐行義務を怠った運転は危険です。

交通事故を起こせば、必ずやそれまでの事を後悔するはず。
「徐行」すべきところでは すぐに止まれるように車を走らせましょう。





車を運転するキャリアが長く 頻繁にハンドルを握っている。
それでも 交通事故には縁のないドライバーには 理由があります。
その1つが「予測する力」です。




  
運転行動には 3つの要素があります。
『認知』『判断』『動作』。

この3つの過程に「ミス」があると交通事故が起こります。
中でも最もミスが多いのは「認知」の段階。

「認知」を間違えれば 多くの場合「判断」も間違ったものになる。
これを未然に防ぐのが「危険予知」です。

JAF 東京支部 事業課 交通環境係 高木孝によると
認知エラーを防ぐために大切なのが危険予知をする力。
       
例えば歩道にいる歩行者がどういう状態なのか。
年齢はどのくらいで何に注意を向けているのか。

「スマホをいじっている」「ヘッドホンして音楽を聴いている」
そういう人物なら車道側のことには全く気づいてないかも知れない。
不用意な横断をするということも考えられます。





おしゃべりに夢中になっている歩行者たちも
車道側に広がってくるということが考えられます。





運転席から周囲の状況を観察して 
情報を正しく分析できる力が必要です。

運転中は「しないだろう」という楽観的予測はやめましょう。
「するかもしれない」という疑う気持ちが危険察知に繋がります。

例えば「前方を走る車」の走行にも注意を払いましょう。
左のウインカーが出たら 次の交差点で左折と思うかもしれません。
でも 交差点の手前で曲がることもあります。
そのため きちんと車間距離をあけて
前の車の動きに注意する姿勢が必要です。





いま挙げたのは たった2つの例にすぎません。
刻一刻と変わる運転状況。
常に危険予知のアンテナを立てておくことが事故を未然に防ぎます。

「認知ミス」と「判断ミス」をなくせば
交通事故の9割がなくなると言われています。

JAFの調査によると
ドライバーは歩行者や車の動きを予測することで
反応時間が最大0.75秒 早くなることがわかっています。

高木さんによると 危険予知力を高めることは感受性を高める。

隣の車線が渋滞している時。
なぜか 一箇所だけ妙に車間距離が空いている。
このことに気づくドライバーと気づかないドライバーがいます。
隣の車線だから関係ないという意識のドライバーは違和感に気づきません。

また 気づくドライバーにも2通りいます。
気づいたけども そのまま通行してしまう人。
気づいて そこから何か出てくるのではないかと考えるドライバー。
おや?と気づき 警戒する それが危険の予知に繋がります。