安全なカーライフを送るために特に重要なパーツ「タイヤ」。
トラブルは大きな事故に繋がりかねません。
みなさん、どのくらい注意してクルマに乗っていますか?
今回は「走行中のタイヤのトラブル」をお送りしました。





2021年度にJAFが救援出動したロードサービスのうち
タイヤのトラブルによるものは18.6%で出動原因としては2位。
ちなみに出動原因の1位は「バッテリー上がり」の40.7%で
これも覚えておいてほしいところですが、タイヤのトラブルも大いに注意する必要があります。

JAF 東京支部 事業課 交通環境係で交通安全インストラクターの高橋 啓剛さんによると
以前 JAF が行った検証で、突起物を踏んでバーストをさせた車は
通常の走行時に比べてハンドルを取られてカーブの外側に膨らむという結果が出ました。
カーブの角度によっては曲がりきれなくなる可能性があります。

また、時速 70 キロの直進で突起物を踏む実験を行ったところ
停止距離が5m 伸びるという結果になりました。
通常の感覚では停車出来ないことが考えられます。





気になるJAF のデータは他にもあって
これは二輪も含めた数字ですが、タイヤのトラブルに関するロードサービスの出動件数は
2007年度の28万 6,934 件から2021年度は40 万 1,290 件に増加。11万 5千件も増えています。

推測として車内のスペースをとらないパンクの修理キット搭載のクルマが増加して
スペアタイヤを持たないので救援依頼が増えているのではないかとのこと。

スペアタイヤが無ければロードサービスに頼るというのは致し方ありません。
それであればなおさら、ふだんからのメンテナンスとチェックをして
走行中にタイヤの調子にも注意を払う心がけが必要でしょう。





まずはタイヤの定期的な空気圧チェックをすること。
空気圧は自然に低くなるのでガソリンスタンドなどで月に1 回はチェックしたいところ。

空気圧は車に応じて指定の目安があります。
運転席のドア付近か給油口の蓋の裏に表示されているので確認しましょう。
また、乗車前に一周してタイヤの状態を目視で確認すると
タイヤが凹んでいる場合など、異常を発見できて早めの対処に繋がります。





そして、事故に繋げないために大切なのは
走行中にタイヤがパンクやバーストしてしまった時の対応。
正しい対処を覚えておきましょう。

走行中にパンクに気がついたら、道路の左側など安全な場所に車を寄せて停車。
スペアタイヤに交換する場合は、車の右側のパンクで高速道路などのリスクの高い場所や
パンクしたタイヤのナットが硬くて緩まないといったときは自分で対処をせずに
JAFなどのロードサービスに依頼しましょう。

また、応急修理キットがある場合は取扱 説明書に従って応急処置をしますが、
応急修理ができるのはトレッド面と呼ばれるタイヤが地面と接している部分に
小さな釘やネジ、金属片などが刺さったパンクの場合。
大きいものが刺さっていたり、タイヤ側面に損傷があると修理できません。

いつ何時、起こるかもしれないタイヤのトラブル。
予防・対策を日頃から行い、“もしも”の時はしっかりと対処しましょう。




「秋分の日」が過ぎ、明日から10月。
日の入りが早くなって日没時から夜間にかけての交通事故が増えます。
今週は一般社団法人 日本反射材普及協会 会長 菅沼 篤さんにお話を伺い
命と身の安全を守る“反射材”についてお伝えしました。





身につける習慣がない多くの方も夕暮れ時や夜間の反射材着用が
事故を遠ざけることは頭で理解していることと思います。
それではドライバーから歩行者の見え方がどのくらい違うか、知っていますか?

反射材の性能認定基準である117mcd 以上の反射機能を有するものであれば
57m 以上の距離でも視認できることが確認されています。
車が時速 60 キロで 乾燥路面を走ってる時に安全に停止できる距離は約44m。
余裕を見て反射材機能を逆算し57mという距離を出しているということです。

そして、反射材をつけていない場合、
ドライバーから歩行者が見える距離は 25,6m。
反射材をつけていれば、より遠くのクルマに気づいてもらえるでしょう。





実際、2010 年に全日本交通安全協会による反射材活用実態調査では
反射材の着用率約 10%に対して歩行中に事故で亡くなった方の着用率は 1%。

反射材に効果がないならば事故に遭った歩行者の反射材着用率も10%に近いはず。
大幅に低い 1%ということから考えれば、反射材を身に着けていると
ドライバーから発見されやすくなり、事故の確率が減ると推測できます。





着用率に関しては上記、全日本交通安全協会の調査結果は2010年のもの。
少し古いので、最近のデータを探してみました。
全国的なものはありませんでしたが、
8月に福島県警察本部が県内65歳以上の着用状況の調査結果を発表しています。
それによると33%。
おそらく高齢者は若者よりも安全を意識して着用している人が多く
若い世代はさらに着用率が低いことが想像されます。

もう1つ、今年発表された
福岡女子大学 大学院 小松美和子さんと庄山茂子教授による論文
『交通事故防止のための反射材活用に関する実態調査
〜熊本県内の小中高生を対象に〜」によると・・・


<常に身につけている>

小学生 22%  中学生 9%  高校生 8%
 

<時々身につける>

小学生 38%  中学生 30%  高校生 28%


<身につけない>

小学生 41%  中学生 61%  高校生 64%


学校・地域警察の指導もあるだろうに「身につけない」割合が高いように感じます。
反射材を身につけない理由が複数回答であって
中高生に最も多いのは<面倒だから>
小学生に最も多いのが<持っていくのを忘れる>
また、いずれも<つけたいデザインではない>の割合が多くなっています。





年齢・性別に関わらず、夜間の外出ではできるだけ反射材を着用しましょう。
中高生の気持ちになると分からないでもありませんが、
夜の事故遭遇を防いでくれるかもしれない反射材。
最近はいろんなタイプの商品が出ているので着用を考えてほしいところ。
身近な方、ご両親やお子さんにも、このことを伝えてください。

「秋の全国交通安全運動」が9月21日 水曜日から
「交通事故死ゼロを目指す日」の9月30日 金曜日まで実施されています。
今週は、その重点ポイントを詳しくお伝えする後編をおとどけしました。
ゲストにお迎えしたのは警察庁 交通局交通企画課 安全係 尾野裕一郎 さんでした。





今回の重点ポイントは3つあります。
1つずつ紹介していきましょう。


1)子供と高齢者を始めとする歩行者の安全確保

欧米諸国と比べて交通事故死者数に占める歩行中の死者の割合が高い日本。
歩行者側にも横断歩道以外の場所での横断や走行車両の直前直後の横断や
信号無視といった交通ルールに違反している事例がみられます。

運転者はもちろん、歩行者も基本的な交通ルールを守ることが重要です。
横断歩道では手を上げるなど運転者に横断する意思を明確に伝え、
安全を確認してから横断を始めましょう。

子供に対しては、日頃から、保護者自らが交通ルールを守り、
繰り返しお手本を示すなど、正しい横断方法を教えることが大切。
高齢歩行者は加齢に伴う身体機能の変化に対応した安全行動をとって下さい。
自分の身を守るための反射材用品、LEDライト等も活用するようにしましょう。





2)夕暮れ時と夜間の歩行者事故等の防止及び飲酒運転の根絶

日没時間が急激に早まる秋口以降は特に日没後の1時間
昼間と比較して歩行者が横断中に死亡する事故が多くなっています。
横断歩道では、歩行者が優先。
運転者は、横断歩道に向かっている歩行者がいる場合には、
横断の意思の有無を確認してから進行しましょう。

さらに、自動車の前照灯の早めの点灯、
夜間、対向車や先行車がいない場合におけるハイビームの活用などで危険を回避しましょう。

また、運転する方や、その周囲の方、一人一人が
「飲酒運転を絶対にしない、させない」という強い意志を持ち、
飲酒運転を根絶しましょう。





3)自転車の交通ルール遵守の徹底

自転車は「車両」で車道通行が原則。
左側通行するなどの基本的な交通ルールを守りましょう。

また、今年の4月に公布された改正道路交通法では、
全ての自転車利用者にヘルメット着用の努力義務が課され、1年以内に施行される予定。
被害を軽減するため、自転車を利用する方は、ヘルメットを着用してください。

さらに保護者の皆さんは、幼児を幼児用座席に同乗させるときには、
シートベルトの着用を正しく行うようにしましょう。




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