今週は去年の暮れに入賞作品が発表された
『令和3年度 JA共済 全国 小・中学生 交通安全ポスターコンクール』についてお伝えしました。

お話を伺ったのは全国小・中学生交通安全ポスターコンクールを担当する
JA共済連 農業・地域活動支援部 大久保真紀子さんでした。

今回で記念すべき50回目を数えるこのコンクールは
交通事故死者数が非常に多かった1972年のスタート。
交通安全への意識を高め幅広く社会に呼びかけることを目的とし
これまで多くの子どもたちが参加してきました。

子供たちが創作するポスターには、
その時の社会の交通安全に対する関心ごとが顕れます。
全国から10万4,754 点が集まった今回は『スマートフォンの使用マナー』を訴求する作品が、
前回よりさらに9%増え、8年続けて最多テーマだったそうです。
“歩きスマホ”が社会問題として常態化している現状への
子どもたちの問題意識の高さがうかがえますと大久保さん。

それでは
受賞作品を4点紹介しましょう


まずは内閣府特命担当大臣賞
岡山県 岡山市立京山中学校2年 上尾 美咲さんの作品



「ながら運転・歩きスマホ」をテーマにしたポスター。
絵を通して目の前の危険に気付いてほしいという願いが伝わってきます。



農林水産大臣賞
広島県 広島市立飯室小学校6年 藤井 奏さんの作品



「ガードレール」をテーマにしたポスターです。
普段当たり前のように街で見かけるガードレールの役割、大切さに改めて気付かされる作品です。



警察庁長官賞
青森県 南部町立福地中学校3年 川守田 茜さんの作品



飲酒運転をテーマにしたポスター。
昨年には千葉県で下校中の児童の列に飲酒運転のトラックが突っ込むなど
重大事故が発生しているにも関わらず、
なくならない飲酒運転による事故が減ることを願ったもの。



文部科学大臣賞
新潟県 加茂市立須田小学校5年 織原 胡桃さんの作品



反射材をテーマにしたポスター。
運転する側、歩行者側どちらか一方ではなく、
お互いが気を付けることで事故が減ることを願っている作品です。


「子どもは大人が思っている以上に交通安全に強い関心を持っているもの。    
ポスターを見て家族で交通安全について話し合うきっかけにしてほしい」
「子ども達の交通安全への願いを自分事として、日頃から安全運転に努め
子どもたちのよいお手本になって頂きたいです」と大久保さん。

JA共済のホームページ内特設サイトでは受賞作品や過去の作品集も掲載しています。
是非、ご覧になっていただきたいと思います。

大賞作品12点を掲載したカレンダーが3月中旬に全国の小中学校に送付されます。
また、3月中は受賞作品を車体に掲出したラッピングバスが
福島、東京、神奈川、静岡、滋賀、徳島、熊本の全国7エリアを走っています。
見かけた時にはいっそう交通安全への思いを強く持ってください。

第51回の募集要項は6月下旬にJA共済のホームページ内特設サイトで公開予定です。
次回もどんな創造性あふれる作品が応募されるのか、楽しみですね。

3月になりました。
今はスギ、このあとでヒノキ。花粉の飛散がピークを迎えます。
クルマの運転にも影響を及ぼすのが花粉症。
今週のテーマは『ドライバーの花粉症対策』でした。





花粉症の主な症状の1つが「くしゃみ」。
運転時に出てしまうと思わぬ危険を招く可能性があります。

例えば2016年4月。
愛媛県でこんな交通死亡事故が起こりました

花粉症の症状で前方を注視しにくい状態にあったにもかかわらず
運転を続けていたところ、連続したくしゃみの影響でハンドル操作を誤り
対向車線から自車がはみ出て軽自動車と正面衝突。
軽自動車を運転していた方が亡くなり、同乗者2名も重軽傷を追いました。

時速60キロで運転したとして
くしゃみで0.5秒、目をつぶったとすると
クルマは、およそ8メートル進む計算になります。
時速40キロだと、くしゃみで1秒目をつぶると約11メートル。
そこに危険が潜んでいる可能性があります。





花粉症に由来する「目のかゆみ」も
視覚からの情報入手を妨げるかもしれません。

さらに「鼻づまり」。
呼吸しにくいことが集中力低下や睡眠不足に繋がり、
安全運転を阻害しかねません。
花粉症の方はクルマに乗る時にあらかじめ対策をしましょう。





JAF東京支部 事業課 交通環境係 栗原 悠羽さんによると
花粉の飛散が多いと予想される時には
車内に花粉を持ち込まない工夫をする事が大切です。

まずは車に乗る前に服や荷物についた花粉をよく払う。
シートやフロアマットなども叩きましょう。
そして、普段から車のシートに掃除機をかける、粘着クリーナーでコロコロする
ハンドルダッシュボード等を水拭きする、花粉を車内に持ち込まないよう努めて下さい。

走行中に花粉を車内に入れたくないという思いから
空調モードを外気導入ではなく、ずっと内気循環にしている方もいるでしょう。
しかし、どうやらその効果はない上にリスクが伴います。

実はJAFで「外気導入」と「内気循環」
どちらが車内に花粉を集めてしまうか実験した事があります。
結果はどちらも大して変わらなかったそうです。

一方で、車内の二酸化炭素の濃度には大きく影響が出ました。
内気循環モードでは二酸化炭素濃度がだんだんと上がっていたのです。

そうなると眠気や頭痛を感じることもあるので
花粉がある状況の中でも外気導入モードに切り替えたり
窓を開けたり、換気を心がけたほうがいいようです。





そして、花粉症で薬を服用している方もいるでしょう。
でも、クルマを運転する時には気をつけて下さい。

薬によっては眠気やだるさが出てしまうものもあり
個人の体質や体調との関連で運転に集中できなくなるかもしれません。

病院で処方されるものは注意事項をよく読む、説明を聞く、
市販薬を購入する時には運転に支障がないか入念にチェックしましょう。

そして、薬を服用しての運転は場合によっては道路交通法違反になることもあります。
道路交通法の第66条には「何人も過労、病気、薬物の影響、その他の理由により
正常な運転ができない恐れがある状態で運転してはならない」と記述があります。
このことも覚えておいて下さい。

クルマの運転にとって花粉症はコワイなと思った方は多いはず。
花粉は車内に持ち込まないよう注意を払い、薬の服用は気をつける。
花粉のせいで思いがけない事故を呼びこんでしまわないように気をつけましょう。



運転免許証をとったあとは、
誰かに教わる、注意されることがなくなるクルマの運転。
自分で当たり前にやっていることが、他のクルマにとっては迷惑だったり、
危険の種を蒔いていることがあるかもしれません。

今回は JAF東京支部 事業課 交通環境係 栗原 悠羽さんにお話を伺い
「ヘッドライト・ウインカー・ハザードの正しい使い方」についてお伝えしました。
いま一度、自分の運転に照らし合わせてみて下さい。





【ヘッドライト/前照灯】

市街地を走る時は対向車や前方を走る車のドライバーの
視界を遮らないようにすれ違い用前照灯、いわゆるロービームを使います。
そのため都市部で生活しているとロービームは基本になっていることでしょう。
しかし、ヘッドライトの基本はハイビーム。
対向車や先行する車両がいない場合の原則です。






【ウインカー/方向指示器】

右折・左折の時は30メートル前から。
車線変更する時は3秒前から。

ウインカーを出さないのは問題外ですが、5年前にJAFが行ったアンケート調査では
『ウインカーを出さずに車線変更や右左折する車が多い』という設問に対して
「とても思う」と「やや思う」と答えた人を合算すると7割いました。
気をつけましょう。






【ハザードランプ/非常点滅表示灯】

一般の自動車の規定としては「夜間、幅5.5m以上の道に停車、
または駐車しているときは、非常点滅表示灯か尾灯をつけなければ」いけません。
走っていて路肩などに停車する場合はハザードランプかテールライトをつけましょう。

もう1つはスクールバスの規定。
「小学校などの児童、生徒または幼児の乗降のため停車しているときは
非常点滅表示灯をつけなければいけない」というもの。
これは一般の乗客を乗せるバスやタクシーなどにも採用されています。





これらの照明装置はドライバー同士のコミュニケーションに使われることがあります。

★「ありがとう」を伝える“サンキューハザード”

★ 交差点で右折しようとしているクルマに
  対向車が「どうぞ 先に曲がって下さい」と伝えるパッシングライト

★ 同じように譲る意思を伝えるため
  ヘッドライトをスモールライトにするライトカット



こうしたコミュニケーションは気持ちよくクルマに乗ることに繋がりますが
実は意思表示の出してと受けての認識の違いで危険も生じることがあります。

例えば、自分の前に車線変更したクルマが入った時
ハザードランプを点灯させたので「ありがとう」というメッセージかと思ったが
実はその前に渋滞があって停止するよというメッセージだった場合。
スピードを減速するつもりがないと衝突してしまうかもしれません。

またバッシングは譲る意思を示したつもりが、
嫌がらせをしたととられてトラブルになる可能性があります。

ライトカットは相手から見づらくなってしまうことや
発進をした時に再度ライトをつけ忘れてしまうといったことも考えられます

こうしたことから、思いやりを持つことは大切ですが、
本来の使用目的は何か? 考えたほうがいいかもしれません。

«Prev || 1 | 2 | 3 |...| 37 | 38 | 39 |...| 156 | 157 | 158 || Next»