今年も「春の全国交通安全運動」がスタートしています。
期間は週明け4月15日(木)までの10日間。

今回は警察庁 交通局交通企画課 大竹和美さんに
重点ポイント3つののうち「自転車の安全利用の促進」について伺いました。

コロナ禍の中、通勤、通学で自転車を使う方が増えています。
また、宅配で自転車を使う姿も見かけます。

自転車は便利な乗り物。
でも、自動車と衝突すれば自分が怪我をしたり、
歩行者と衝突した場合は相手に怪我をさせてしまうこともあります。

自転車乗用中の死者・重傷者の大半は自動車との事故ですが、
その半分以上を占める出会い頭の衝突事故で約8割の自転車に交通違反があります。
信号無視や一時停止、安全不確認など。
自転車の交通ルール・マナーの徹底に努めましょう

自転車は車道通行が原則ですが、
例外として歩道を通行する場合には歩行者の通行を妨げずに徐行する。
また夜間にはライトをつけましょう。

さらに、自転車乗用中に亡くなった方は、頭部に致命傷を負った割合が高く、
死傷者のうち死者の占める割合、いわゆる「致死率」をみると、
ヘルメットを着用していなかった場合の致死率は、
着用していた場合と比べて3倍高くなっています。
自転車を利用する全ての方が自身の安全を確保するため、
ヘルメットを着用するようにしましょう。
また、万が一の場合に備えて、自転車保険等の加入も大切です。

そして、重点ポイント3つ目の「歩行者等の保護を始めとする安全運転意識の向上」。
交通事故による死者で一番多いのは歩行者。
その多くは歩行者の道路横断中に発生していて、
ドライバー一人一人が歩行者保護の意識を持つことが必要です。

横断しようとする歩行者がいないことが明らかな場合を除き
横断歩道の手前ではすぐに停止できる速度で運転しましょう。

横断歩道に横断しようとしている歩行者がいる時は
必ず停止して、歩行者の横断を優先させなければいけません。

この「安全運転意識の向上」重点ポイントには、 
いわゆる「あおり運転」を防止する呼びかけも含まれています。
「おおり運転」は自動車、二輪車だけでなく自転車も違反の対象。

運転をする際は心に余裕を持って
「思いやり・ゆずり合い」の気持ちを持ちましょう。


今週と来週は警察庁 交通局交通企画課 大竹和美さんに
大切なポイントを伺います。
今回の春の交通安全運動の全国重点は3つあります。
  

(1)子供と高齢者を始めとする歩行者の安全の確保
         
(2)自転車の安全利用の促進
         
(3)歩行者等の保護を始めとする安全運転意識の向上

      
   
今回は「子供と高齢者を始めとする歩行者の安全の確保」について聞きました。
去年、令和2年に交通事故により亡くなる・重傷を負ったのは637名。
小学生が、どんな時に事故にあいやすいかというと、最も多いのは下校中。
学年では1、2年生。新学期を迎えたあとの5月、6月に事故が増加する傾向にあります。
歩行中、その中でも飛び出しによる事故が多いのも特徴です。

お父さん、お母さんは子どもを守るため、
安全な横断の仕方をしっかり教えてください。

まずは、横断歩道を渡ること。
次に、横断する前には、必ず、立ち止まり、
右や左から車が来ないかよく確認してから渡ること。
青信号でも車が止まっていることを必ず確認しましょう。
そして、横断歩道では、手を挙げたり、
運転手に顔を向けるなどして横断する意思を明確に伝えること。
最後に、横断中も周りに気をつけること。
                 
高齢者の歩行中の事故は横断中の事故が約8割と最多。
その内容を見ると、他の世代に比べて、
横断歩道ではない場所での横断や走行車両の直前直後の横断など
交通違反があった割合が高くなっています。

身のまわりに高齢者の方がいらっしゃるのであれば、
折を見て注意を促すようにして下さい。

交通事故全体でも亡くなる人の半数以上が高齢者。
歩行中に限らず、運転中でも自分では気付かない体の機能の変化もあります。
ご家族も一緒に交通ルールや安全運転について話し合ってみてください。

去年4月、文芸社から『しんごうきの名前はぼんちゃん』という絵本が刊行されました。
文章を書いたのは、大阪府警察に勤めていた西浦美恵子さん。
今週は、この絵本を、ご紹介しました。





ぼくの名前は、「ぼんちゃん」
学校の近くにある、しんごうきなんだよ。
あれれ?? かわいい声が、聞こえてきたよ。

「おはよう」
「おはよう」
「きのうの 、ボール遊びは、楽しかったね」

ぼくは、学校に行く時の、みんなの、わらい声が大すきなんだ。
ぼくはねぇ、大きなひかるお目めが、三つ(みっつ)も、あるんだよ。
みんな、見たことが、あるかな?
右から、「赤色」、「黄色」、「青色」の、三つだよ。
三つの色のいみって、知ってるかなぁ?

「赤色」は、とまれだよ。
「黄色」も、とまれだよ。
「青色」は、すすんでもいいよ。



信号機「ぼんちゃん」は子どもが大好き。
いつもドキドキ、ハラハラしながら見守っています。
そして、事故に遭わないよう、メッセージを送っています。

西浦美恵子さんは、子どもたちが交通ルールと交通について
優しく学ぶことができるよう、この物語を考えました。
例えば信号の見方。横断歩道の渡り方。
遊んでいる時にボールを追いかけても、飛び出したらダメ。
駐車場の後ろでかくれんぼをしてたら車が急に動いて事故になる、とか。
ぼんちゃんが子どもたちに語りかけるのです。

イラストレーター 陣条和榮さんが描いた絵は、
「ぼんちゃん」や子どもたちが生き生きと描かれていて
絵本を読む子どもにメッセージがよく伝わると思います。

40年の警察勤務を終えるにあたり、
西浦さんの心に、いちばん残ったのが“交通”についてだったそうです。
交通事故防止のために頑張る同僚・先輩の姿に感銘を受けたこと。
子どもが交通事故に遭ってしまった家族の悲しさ。
自分が何かできないかと思い物語を創作。
出版社に送ったことが、この絵本の刊行に繋がりました。

こうした絵本を親子で一緒に読んだ上で、
外出した時に、実際の信号機を見せて、
「黄色や赤はいけないよ」と伝えると、
より子どもの心に残ることでしょう。

「1番の指導者はお父さんお母さん。
日頃から繰り返し交通安全について教えることで子どもの命が守れるんじゃないかと」。

そして、絵本の中には今ではあまり見られなくなった「指切りげんまん」が出てきます。
お母さんとの約束事って大事。約束したことは守ろう。
そういうことも大事かなと思い、西浦さんは盛り込んだそうです。

『しんごうきの名前はぼんちゃん』は文芸社から
本体価格1,000円で発売されています。

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