2015年5月22日

5月22日 石巻市「第22回サン・ファン祭り」

明日あさって、宮城県石巻市の「サン・ファン館」で行なわれる、「サン・ファン祭り」についてお伝えします。

宮城県石巻市の「慶長使節船ミュージアム サン・ファン館」は、江戸時代、慶長使節団を乗せて石巻の月浦を旅立った船、「サン・ファン・バウティスタ号」の復元船を係留・展示している博物館です。東日本大震災の津波とその後の強風の影響でマストが折れるなど大きな被害を受け、長く休館していましたが慶長使節出帆400周年の2013年秋に再開館。

今年で22回目を迎える「サン・ファン祭り」。いったいどんなお祭りなのか?「慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)」企画広報課の吉本裕香里さんに伺いました。

◆サン・ファン祭り
サン・ファン館では国内最大のガレオン船「サンファンバウティスタ復元船」を経営展示していて、この浸水日が平成5年の5月22日。この日を復元船の誕生日として、そのお祝いとサンファン館とサンファンパークをより知ってもらうために開催しているのが、サンファン祭りです。市民の皆さんがつくる石巻市の春の最大のイベントとして親しまれている。震災で一度開催中止となったが、多くの方の熱い想いにより、翌年復活した復興する石巻市とともに歩むお祭りです。23日の前夜祭では、サンファンミュージックナイトという野外音楽イベントがある。また日没から復元船のライトアップイベントも行われる。夜の海にうかぶサンファンバウティスタは幻想的で毎年好評。24日はサンファン館の入館が無料になる。そして、サンファンパークでは、伝統芸能や鼓笛隊、チアリーディングやバンドの演奏を見ることが出来る。また館内では、復元船と海を見渡せるステージで、歌謡、ダンスなど音楽イベントを見ることが出来る。他にも館内を巡るクイズラリーもある。会場では、無料ヨットクルーズも予定している。昨年も好評で、整理券がすぐになくなってしまうので、希望の方はお早めに!石巻やきそば、いわしのつみれ汁、焼き牡蠣、海老焼きなど、地元の食材をつかった出店などたくさんある。


石巻焼きそばに、イワシのつみれ汁、牡蠣や海老などの浜焼きもあるということです。
そんな「サン・ファン館」ですが、再開館から約1年半。まだまだ元の賑わいを取り戻すには、至っていないということです。ここまでの歩みについても、吉本さんに伺いました。

◆復元船を復興のシンボルとして体感してほしい
いまは震災の影響で交通アクセスが元に戻っていないので、震災前のような来場者には満たない。ただ、先日、石巻線が全線開通し、今月末には、仙台市と石巻市を結ぶ、仙石線も全線復旧するので、これを機に、入館者を取り戻したいと考えている。当館では、被災地域の文化と観光の拠点としての役割を担うことを課題としていて、地域と共に進むことが、復興につながると考えている。もともと、この地域は400年前にも同じような大津波を受けている。この慶長使節団はその2年後に出帆したとわかっている。その慶長使節団の姿と、このサンファン館の姿を重ね合わせ、復元船を復興のシンボルとして、地域と共に前に進んでいきたい。私たち、サンファン館のスタッフもその想いを胸に、日々お客様を迎えていきたい。宮城県にいらした際には、ぜひ石巻市まで足をのばし400年の歴史を復元船に乗船して体感してほしい。サンファン祭りは石巻市の春の最大のお祭りなので、この機会にこの復元船の誕生日をお祝いして頂ければ嬉しいです。


サン・ファン・バウティスタ号の雄姿を見に、明日あさって、足を運んでください。

「サン・ファン祭り」

2015年5月20日

5月20日 「よそもの」が未来を作る アスヘノキボウ 代表理事 小松洋介さん?

引き続き、宮城県女川町で町づくりに力を注ぐ、若き 「よそもの」の力について、お伝えします。

リクルートを退社し、女川町の町づくりのキーパーソンとして活動を続ける、NPO法人アスヘノキボウ 代表の小松洋介さん。その活動は、Uターン・Iターンした若者の起業サポートなど多岐にわたります。例えば、「よそもの」と町の人たちが新しいものを生み出すため「場づくり」も、その一つです。

◆よそものも地元も「まざりあう」場所
今年2015年3月28日に女川フューチャーセンター・Camass(カマス)という場所を作らせて頂いた。僕自身そうだが、震災を機に町外の方と町内の方の交流で色んなものが生み出されている。ただ、今まで場所が無くて商店街の通り道で立ち話で打ち合わせをしたりということがあったが、町内外の交流を誘発できるような場所を作ろうと、町の人が集まりやすい集会所の機能と、コワーキングスペースの機能を作り町内の方々が日常的に出入りして打ち合わせができる場所にした。最近頻繁なのが東京の企業の方と女川の方が、一緒に何かできないかという会議をするのが凄く増えた。もうすぐすると新しいことができるのではないかと思っている。


ちなみにカマス(Camass)、という言葉は、女川弁の「かます=かき混ぜる」と、英単語の「Mass=たくさんの・大勢で」を合わせた造語。中と外の人がたくさん混ざり合って、新しいものを生み出すということ。

そして。Camassは早くも女川の未来を担う若い世代が、素晴らしいメッセージを発信し始めているんです!

◆女川のリーダーとは
フューチャーセンターで一番大事にしたいのは、町内外の日常的なつながりもそうだが、一緒に未来志向で考える場を作ることを大事にしたいと思っている。フューチャーセンターのオープニングの日も、町外のゲストと町内の町づくりに関わる若手によるパネルディスカッションが行われた。女川の町の未来、水産業の未来、女川で生まれる新しい地域リーダーと言う3つのテーマで。テーマごとのディスカッションは面白かったが最後のパートが一番印象的。一番年齢の高い日産自動車氏が副会長、町内の高校一年生最年少がリーダーってなにという話をする中で、高校生が「リーダーはトップリーダーとしてぐいぐい引っ張る人は必要だし素晴らしい姿だと思うが、女川でのリーダーシップはそうではなく、誰かがリーダーをやってプロジェクトが進んでいる時はその下支えをするのだが、その下支えをしている人が今度違うプロジェクトのリーダーになった時は、今までリーダーをやっていた人が下支えをする。リーダーシップと言うのは特定の人がやるものではなくて変動して動くもの」だと。その話を高校一年生の子がしゃべる。会場が湧いた。日産副会長は「実は3日前にアメリカでオバマ大統領が出席するような会議でプレゼンをしてきたが、きょう女川に来て、女川は面白いと思った。世の中は今ダイバーシティ(多様性)ということを言うが、企業でもなかなか多様性はできていない。その中で女川のリーダーシップの考え方・あり方は起業できるかというとなかなか難しい。女川は多様性を生み出している。こういうところから学ぶことがたくさんある。研究対象になってもおかしくない」という話をされていた。


女川では、小学生はじめ子どもたちも、本当に町のことを真剣に考え、大人が驚くようなアイデアをたくさん生み出しています。小松さんは、「震災後、外の人との交流をたくさん経験したことで、自分の町を外から見る意識が育ったのでは」と話しています。また、「若い世代に町づくりを任せる」方針を打ち出した女川の大人たちの背中を、子どもきっとしっかり見ていたはず。それが成長につながったのかも知れません。

あしたも「アスヘノキボウ」小松洋介さんのお話をお届けします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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